ATS2025:VERITAS試験 末梢肺結節に対するナビゲーショナル気管支鏡 vs 経皮経胸壁針生検
2025年 05月 21日
現在の国内プラクティスと同じように、まずは経皮生検よりも気管支鏡検査という解釈でよさそうです。
- 概要
■肺結節は毎年数百万例が偶発的または肺癌スクリーニングにより発見され、その鑑別診断に生検が求められることが多い。従来、末梢肺結節に対する生検手技としては、画像誘導下での経皮経胸壁針生検が用いられてきたが、肺を貫通することによる気胸のリスクが高いという問題点があった。一方、ナビゲーショナル気管支鏡検査は気管支を経由して結節へ到達するため、理論的には侵襲性が低く、気胸のリスクも少ないとされるが、従来の2次元透視に依存していた時代には診断精度が低く、信頼性には課題があった。
■近年では、三次元画像技術が併用されるようになり、ナビゲーショナル気管支鏡の精度は向上しているとの報告があるが、両者の手技を直接比較したランダム化試験はこれまで存在しなかった。
■VERITAS試験は、アメリカ国内の7施設で行われた前向き無作為化非劣性試験であり、肺癌の事前確率が10%以上で、10〜30mmの末梢肺結節を有する患者を対象とした。適格患者は、ナビゲーショナル気管支鏡群と経皮経胸壁針生検群に1:1の比率でランダムに割り付けられた。
■主要評価項目は、12か月間の臨床フォローアップにより最終的に正確であると確認された特異的診断(癌または特定の良性疾患)の割合であった。非劣性マージンは10%に設定された。
■結果として、主要評価項目である診断精度は、ナビゲーショナル気管支鏡群で79.0%(94/119例)、経皮経胸壁針生検群で73.6%(81/110例)であり、絶対差は5.4ポイント(95%信頼区間 -6.5〜17.2、非劣性p=0.003、優越性p=0.17)であった。これにより、ナビゲーショナル気管支鏡の診断精度は経皮経胸壁針生検に対して非劣性であると結論づけられた。
■安全性に関しては、気胸を含む有害事象の発生頻度に大きな差が見られた。気胸はナビゲーショナル気管支鏡群で3.3%、経皮経胸壁針生検群で28.3%に発生し、胸腔ドレナージや入院を要した重度の気胸はそれぞれ0.8%および11.5%であった。その他の重大な合併症(出血、死亡など)は両群で報告されなかった。
■副次評価項目としては、診断的有効率(biopsyが何らかの有意な診断をもたらした症例の割合)はナビゲーショナル気管支鏡群で79.3%、経皮経胸壁針生検群で77.9%とほぼ同等であった。悪性腫瘍が診断されたのはそれぞれ64.5%、54.0%、特定の良性病変が診断されたのは13.2%、15.0%であった。また、手技にかかった中央値の時間はナビゲーショナル気管支鏡群で36分、経皮経胸壁針生検群で25分と、気管支鏡のほうがやや長かった。放射線被曝量は測定単位が異なるため直接比較できなかった。
■本試験の結果は、ナビゲーショナル気管支鏡が診断精度において経皮経胸壁針生検に非劣性でありながら、合併症のリスクが有意に低いことを示しており、末梢肺結節に対する第一選択の生検手技としての適格性を支持するものである。
by otowelt
| 2025-05-21 01:47
| 気管支鏡










