気管支鏡中のネーザルハイフロー vs 低流量酸素療法
2025年 06月 09日
このシリーズ・・・論文が次々に出てきますね。
・気管支鏡中のネーザルハイフロー(URL:https://pulmonary.exblog.jp/33421486/)
・気管支鏡中のHFNCの至適流量は?(URL:https://pulmonary.exblog.jp/30915771/)
- 概要
■従来の低流量酸素(LFO)を使用しているにもかかわらず、気管支鏡検査中は酸素飽和度の低下と低酸素血症がよく見られる。
■一部の研究者は、高流量経鼻酸素(HFNO)が気管支鏡検査を受ける患者の酸素化を改善する可能性を示唆しているが、方法論と患者集団において大きく異なる。
■広範な患者コホートにおけるエビデンスや、医師/患者の満足度を含むその他の重要な考慮事項の評価は不足している。我々は、気管支鏡検査およびEBUS中のHFNOは、LFOと比較して、酸素飽和度の低下/低酸素血症、酸素濃度の調整、呼吸数、咳嗽の頻度を減少させると仮定した。また、医師と患者の満足度についても調査した。
■意識下鎮静下で診断的気管支鏡検査またはEBUSを受ける参加者を、LFOまたはHFNO群にランダムに割り付けた。データは、生理学的モニタリング機器、健康記録、および医師/患者への質問を通じて収集した。
■主要評価項目は、SpO2 90%未満で経過した時間とした。
■合計121名が対象となった。全検査において、LFO(n = 61)とHFNO(n = 60)の酸素化および酸素飽和度低下に差はみられなかった。これは、気管支鏡検査(n = 75)とEBUS検査(n = 46)の別の層でも観察された。HFNOはEBUS検査において呼吸数を減少させた(p < 0.05)。気管支鏡検査における医師満足度スコアは、HFNOの方が高かった(p < 0.05)。酸素濃度の調整の必要性はHFNOの方が低かったが、統計的に有意ではなかった。咳嗽頻度に差は認められなかった。
■本研究の対象集団において、LFOとHFNOは気管支鏡検査およびEBUS検査中の酸素化維持に同等に効果的であった。HFNOでは気管支鏡検査中の医師の満足度が高く、呼吸数が少ないことから EBUS 中に生理的な利点がある可能性がある。
by otowelt
| 2025-06-09 01:13
| 気管支喘息・COPD