IPFに対する抗線維化薬:気腫合併の有無は予後と関係するか?
2025年 08月 27日
- 概要
■研究に組み込まれた患者は275例であり、そのうち149例(54.2%)がIPFのみ、126例(45.8%)が気腫合併IPFであった。気腫合併群は男性比率が高く(95.2% vs 69.1%)、喫煙歴を有する割合も多かった。またばち指や合併症の頻度も高く、HRCT上のUIPパターンをより明確に呈していた。呼吸機能においては、FVCおよびFEV₁は高値であったが、FEV₁/FVCは低値を示した。DLCOについては両群で有意差を認めなかった。
■全体の追跡中央値は3.7年であり、全死亡率はIPFのみ群45.6%、気腫合併群48.4%と差はなかった。Kaplan–Meier解析でも全生存率に有意差はなく、両群の長期予後は同等であることが示唆された。ただし、画像パターンおよびDLCOに基づく層別解析では差がみられた。すなわち、probable UIPの患者はdefinite UIPと比較して生存率が有意に良好であり(53.5% vs 34.6%)、またDLCOが49%以上の群は49%以下の群に比べて予後が良好であった(53.9% vs 31.4%)。
■多変量Cox回帰解析によれば、低BMIは死亡率の上昇と関連していた。また肺高血圧症の併存は死亡リスクを2倍以上に増加させることが明らかとなった。他方、気腫合併そのものは独立した予後不良因子とはならず、また使用された抗線維化薬の種類(ニンテダニブまたはピルフェニドン)による差はなかった。
■死亡原因の内訳としては、肺炎などの感染症が最も多く(65.9%)、次いで悪性腫瘍(10.9%)、COVID-19(7.8%)が続いた。
■結論として、本研究は台湾における多施設後ろ向きコホートの解析から、抗線維化薬治療を受けるIPF患者において、気腫合併の有無は長期予後に影響せず、低BMIと肺高血圧症が独立した死亡予測因子であることを明らかにした。










