ERS「成人気管支拡張症診療ガイドライン」2025 解説
2025年 10月 01日
ERSでも話題になっていますが、成人気管支拡張症ガイドラインが改訂されました。8年ぶりの改訂となります。PQ(PICO Question)とNQ(Narrative Question)に分けて記載されています。1つずつ見ていきましょう。
Chalmers JD, et al. European Respiratory Society Clinical Practice Guideline for the Management of Adult Bronchiectasis. European Respiratory Journal 2025 2501126; DOI: https://doi.org/10.1183/13993003.01126-2025
PQ6:新たに病原微生物が分離された患者において、微生物学的根絶治療は非根絶治療と比べて実施すべきか。
ちなみに、DPP-1阻害薬については、「本治療は執筆時点で入手不能・規制当局未承認のため現時点では推奨不可。ただし次回アップデートで扱う計画である」であると記載されています。
PQ1:成人の気管支拡張症患者に対して、気道クリアランス手技(ACT)は実施しない場合と比較して行うべきか。
気管支拡張症の患者にはACTを指導することを推奨する(強い推奨、確実性:極めて低い)。
気管支拡張症の患者にはACTを指導することを推奨する(強い推奨、確実性:極めて低い)。
これまでERSは「慢性の多量喀痰」の患者に限定していましたが、今回は乾性咳嗽でもCTで粘液栓があればACTは有益となり得ること、そして増悪期の指導も役立つことを明記しています。ACTを評価した2つのRCT(12ヶ月間のRCTと3ヶ月間のクロスオーバー試験)について記載されています。これらの試験では、追跡期間中に少なくとも1回の増悪を経験した参加者の割合に有意差はありませんでした(オッズ比0.58、95%信頼区間0.21 – 1.58)(Eur Respir J. 2018;51(1). doi:10.1183/13993003.01926-2017., Eur Respir J. 2009;34(5):1086–1092., )。後者、Munozらによる12か月間のRCTでは、12ヶ月間の増悪率が有意に減少したことが示されました。ACTによりQOL改善効果が示されており、LCQやSGRQもMCIDを上回ることが示されています。エビデンスの全体的な確実性は、主にバイアスリスクの高さと不正確さのため、極めて低いと評価されました。
PQ2:成人の気管支拡張症において、去痰薬(mucoactive drugs)は非投与と比較して使用すべきか。
・気道クリアランスを行っても症状をコントロールできない場合、気管支拡張症の患者には粘液活性治療を行うことを提案する(条件付き推奨、確実性:極めて低い)。
・気管支拡張症の患者には組換えDNAseを提供しないことを提案する(条件付き反対、確実性:極めて低い)。
・気道クリアランスを行っても症状をコントロールできない場合、気管支拡張症の患者には粘液活性治療を行うことを提案する(条件付き推奨、確実性:極めて低い)。
・気管支拡張症の患者には組換えDNAseを提供しないことを提案する(条件付き反対、確実性:極めて低い)。
ガイドラインでは、年間増悪回数は平均差−0.28回(95%信頼区間−0.63–+0.07)で不確実、増悪率比も0.99(95%信頼区間0.80–1.23)と差が明瞭でない一方、吸入マンニトールの52週試験では初回増悪までの時間が延長し(ハザード比0.78, 95%信頼区間0.63–0.96)、SGRQ総点の統合効果は−2.0(95%信頼区間−3.6–−0.4)とわずかながら改善したことが記載されています。咳嗽の主観的評価については、短期で中等度の改善を示した報告があり、経口N-アセチルシステイン(NAC)では12か月で24時間喀痰量の有意な減少(−11.82 mL, 95%信頼区間−19.31–−4.33)があったとしています。ゆえに、「増悪を確実に減らす」とまでは言い難いものの、「日常生活に直結する症状を緩和しうる」という実臨床的な価値を示しています。
効果の不確実性(多くが小規模・異質性あり・確実性は低〜極めて低い)と、患者が重視する転帰での潜在的利益、忍容性・負担・費用のバランス、そしてACT・運動・原因治療といった非薬物療法を中核とする包括ケアの中で位置づけるべき点を踏まえて、ERSは「個別化した共有意思決定のもとで試行する価値がある」という“条件付き推奨”としました。
一方、遺伝子組換えヒトDNaseはどうでしょう。非嚢胞性線維症気管支拡張症では効果が乏しいだけでなく、FEV₁低下を含む不利益が示された試験が存在することから、利益・不利益のバランスが不透明と言わざるを得ません。このためERSは、同薬を条件付きでアゲインストの立場としています。
PQ3:成人の気管支拡張症において、長期の吸入抗菌薬は投与しない場合と比較して使用すべきか。
・標準的な治療を受けているにもかかわらず、慢性緑膿菌感染症がある増悪ハイリスク患者には、長期の吸入抗生物質を提供することを推奨(強く推奨、確実性:中程度)
・標準的な治療を受けているにもかかわらず、緑膿菌以外の慢性感染症がある増悪ハイリスク患者には、長期の吸入抗生物質を提供することを提案(条件付きで推奨、確実性:中程度)
判断の土台になったERSガイドラインのメタアナリシスでは、吸入抗菌薬は全体の増悪頻度を約20%低下させ(率比0.80, 95%信頼区間0.70–0.92)、少なくとも1回の増悪を経験するリスクも低下(率比0.85, 95%信頼区間0.76–0.94)し、さらに重症増悪は約43%低下(率比0.57, 95%信頼区間 0.35–0.94)、初回増悪までの時間も延長(ハザード比0.81, 95%信頼区間0.71–0.93)と、臨床的に重要なアウトカムで一貫して優っていました。一方で、QOL指標(QoL-B、SGRQ)は全体として有意差がみられておらず、利点は増悪抑制に集約されます。また薬剤耐性株の検出は増える(率比1.96, 95%信頼区間1.55–2.48)が、治療関連有害事象(オッズ比1.04, 95%信頼区間0.81–1.35)や全死亡(オッズ比1.04, 95%信頼区間0.57–1.89)は対照と同等でした。
これらの効果と安全性のプロファイルを総合し、データの大半が緑膿菌慢性感染の患者から得られていることも踏まえて、緑膿菌慢性感染=強い推奨、その他の慢性感染=条件付き推奨、という2パターンの推奨になりました(確実性はいずれも概ね中等度)。
PQ4:成人の気管支拡張症において、長期のマクロライド投与は非投与と比較して使用すべきか。
・標準治療にもかかわらず増悪リスクが高い患者には、長期マクロライド系薬剤を提供することを推奨する(強い推奨、確実性:中程度)
・標準治療にもかかわらず増悪リスクが高い患者には、長期マクロライド系薬剤を提供することを推奨する(強い推奨、確実性:中程度)
統合結果では、年間の増悪率が約52%低下(率比0.48, 95%信頼区間0.37–0.62)、少なくとも1回の増悪を経験するリスクも低下(率比0.64, 95%信頼区間0.46–0.89)、さらに初回増悪までの時間が延長(ハザード比0.32, 95%信頼区間0.21–0.47)し、QOL(SGRQスコア)は平均−7.26ポイントと、MCIDを超えて改善しています。
治療関連有害事象に増加はみられず(オッズ比0.86, 95%信頼区間0.53–1.39)、耐性菌の検出にも有意差を認めず(オッズ比1.08, 95%信頼区間0.22–5.19)、死亡率にも差がない、という結論でした。
開始前には非結核性抗酸菌(NTM)症の除外を必ず行い(NTM症に対するマクロライド単剤は禁忌であり、耐性化の重大リスクがあるため)、併せてQT延長の素因、肝機能・腎機能、難聴・耳鳴など耳毒性症状の既往やリスクを確認する必要があります。開始後は早期(例:2–3週)の心電図・電解質・肝機能再評価を含むモニタリングを行い、継続中も副作用の聴取と検査で安全性を担保する、ということが記載されています。
マクロライドの用量については、試験間で一定ではないものの、アジスロマイシン 250 mg 毎日または週3回、500 mg 週3回、あるいはエリスロマイシンが主要エビデンスで用いられ、忍容性の観点から現場ではアジスロマイシンが第一選択になりやすいとしています。
PQ5:成人気管支拡張症において、長期の非マクロライド経口抗菌薬は、非投与と比較して使用すべきか。
増悪リスクが高い気管支拡張症の成人患者に対して、第一選択治療として長期の非マクロライド系経口抗生物質を提供しないことを提案する(条件付き反対、確実性:極めて低い)。
増悪リスクが高い気管支拡張症の成人患者に対して、第一選択治療として長期の非マクロライド系経口抗生物質を提供しないことを提案する(条件付き反対、確実性:極めて低い)。
長期の非マクロライド経口抗菌薬(例:アモキシシリン、ペニシリン、テトラサイクリン系など)について、高リスクの増悪患者に対する第一選択としては推奨しないという立場を明確にしています。根拠は、ランダム化比較試験2件ともが、増悪率や主要転帰の明確な改善を示せなかったこと、さらに治療群で薬剤関連有害事象や耐性・菌交代のシグナルが観察されたためです。メタアナリシスを行えるほどのパワーもなく、エビデンス確実性は極めて低い状況です。
禁忌・不耐・無効などでマクロライドが使えない場合に限り、喀痰培養などで明確な病原体の証拠があるときに限っては、非マクロライドの例外的な使用を検討しうるという条件付きでアゲインストの立場です。
緑膿菌が新たに分離された患者には除菌治療を行うことを提案する(条件付き推奨、確実性:極めて低い)
新たに Pseudomonas aeruginosa が分離された成人気管支拡張症に対し、微生物学的根絶治療(eradication)を、条件付きで推奨しています。しかし、P. aeruginosa 以外の起炎菌については日常的な根絶治療は推奨しないという立場を明確にしています。推奨の根拠は、ランダム化比較試験が存在しないため観察研究に限られるものの、12か月での根絶成功率がおよそ40%と見積もられ、いくつかの研究で増悪や入院の減少が示唆された点にあります。
具体的なレジメンは一律に規定されているわけではありません。2017年版ガイドラインから踏襲されることとして、経口または静注の全身抗菌薬を約2週間投与し、その後に吸入抗菌薬を6週〜3か月追加する方法が広く行われていますが、施設により治療後に陰性化を確認して終了する場合や、陰性確認を待たず吸入薬を追加する場合など多様です。治療後および1年時点に喀痰培養で根絶成否を確認し、不成功であれば慢性緑膿菌感染症として吸入抗菌薬やマクロライド等の長期管理へ移行することが記載されています。
PQ7:成人気管支拡張症において、長期吸入ステロイド(ICS)は、非投与と比較して使用すべきか。
気管支拡張症の患者で、COPDや喘息を併発していない場合は、長期ICSを投与しないことを提案する(条件付き反対、確実性:低い)
気管支拡張症の患者で、COPDや喘息を併発していない場合は、長期ICSを投与しないことを提案する(条件付き反対、確実性:低い)
併存症がある場合は各疾患ガイドライン(GINA/GOLD等)に従ってICSを用いるべきで、気管支拡張症であること自体はICSの適否に言及することはできません。加えて、末梢血好酸球高値を示す一部サブグループでベネフィットがある可能性が示唆されるものの、現時点では好酸球値に基づいてICSを推奨する根拠は整っていません。従って、ICSを長期継続している気管支拡張症患者では、適応の再確認と減量〜中止の検討が望ましいと明記されています。
ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、ICS/LABA併用を含む6試験の統合では、年間増悪数(平均差−0.20、95%信頼区間−0.57〜0.16)にも増悪経験者の割合(オッズ比0.89、95%信頼区間0.24〜3.26)にも有意差が示されず、24時間喀痰量にも有意差はありませんでした。
PQ8:成人気管支拡張症において、呼吸リハビリテーション(PR)は、非実施と比べて実施すべきか。
息切れおよび/または運動能力の低下がある患者には、呼吸リハビリテーションを勧める(強い推奨、確実性:極めて低い)
息切れおよび/または運動能力の低下がある患者には、呼吸リハビリテーションを勧める(強い推奨、確実性:極めて低い)
推奨の根拠は、PRが介入直後の運動・症状・健康関連QOLを臨床的に意味のある幅で改善するという一貫した効果にあります。具体的には、システマティックレビューに含まれた7研究の統合で、介入直後の6分間歩行距離(6MWT)が平均+41.13 m(95%信頼区間28.74–53.53、3試験)、ISWTが+72.83 m(95%信頼区間51.44–94.23、4試験)とMCIDを上回る改善を示しました。歩数も+1,443歩/日(95%信頼区間176–2,709、2試験)増加し、息切れ(mMRC)は−0.85(95%信頼区間−1.42–−0.28、2試験)と軽減、SGRQ総点は−9.21(95%信頼区間−13.2–−5.22、2試験)と改善しています。ただ、これらのベネフィットはフォローアップ時には減衰することが指摘されており、継続的なサポートが重要と結論づけられています。
ガイドラインは、PRの教育パートを気管支拡張症に特化させ、気道クリアランス手技(ACT)戦略を含めることを明示しています。PRそのものは運動・呼吸訓練・自己管理教育の複合介入であり、個々の症状負荷や合併症に合わせてプログラムを組むことが推奨されます。また、PR終了後の効果維持に不確実性があるため、退院後・終了後の在宅エクササイズや活動量モニタリングを組み込むことが望ましいと記載されています。
NQ1:気管支拡張症の根本的な原因をどのように特定し、重症度、合併症、その他の治療可能な特性をどのように評価できるか?
気管支拡張症患者の管理には、気管支拡張症の根本原因を特定し、疾患の重症度と活動性、予後不良リスクを評価し、併存疾患と関連する治療可能な特性を特定するための標準化された検査を含める必要がある(ナラティブ提案、得られたエビデンスの確実性は中程度)
気管支拡張症患者の管理には、気管支拡張症の根本原因を特定し、疾患の重症度と活動性、予後不良リスクを評価し、併存疾患と関連する治療可能な特性を特定するための標準化された検査を含める必要がある(ナラティブ提案、得られたエビデンスの確実性は中程度)
ERSはまず、全例に行うべき基礎評価として、免疫不全(IgG/IgA/IgM)・ABPA(総IgE、Aspergillus特異IgE/IgG、末梢血好酸球数)・NTMのスクリーニングを系統的に組み込むことを勧めています。とくにNTMは臨床・画像で示唆的な場合、喀痰を少なくとも3検体(取得困難なら気管支鏡におけるBAL)で評価するよう明記されています。
A1AT欠損は一律スクリーニングを推奨せず、下肺野優位の気腫や高度気流制限など示唆所見がある患者で検討する立場です。CFやPCDについても全例スクリーニングは不要で、小児期発症・典型像がある場合に検査する、という選択的アプローチをすすめています。
重症度と将来リスクについては、BSI(Bronchiectasis Severity Index)を新規診断時に算出し、救急受診・入院・死亡といったアウトカムの予測に用いることを推奨しています。
ERSは、併存症の系統的スクリーニングを診療プロセスに組み込むことを強調しています。とくに心血管疾患、骨粗鬆症、不安・抑うつ、慢性副鼻腔炎、低体重/栄養不良、GERDなどは罹患率が高く、症状や増悪と相互に影響し合うため、初診時と定期再診での体系的なチェックが望ましいでしょう。
NQ2:増悪を管理するために現在推奨/使用されている診断検査と介入は何か?
増悪期には以下の診断検査を実施することを提案する(ナラティブ提案、エビデンスの確実性は極めて低い):
委員会が承認した増悪の診断と治療に関する現在のガイドラインの推奨事項:
増悪期には以下の診断検査を実施することを提案する(ナラティブ提案、エビデンスの確実性は極めて低い):
委員会が承認した増悪の診断と治療に関する現在のガイドラインの推奨事項:
- 増悪とは、症状が日々の変動を超えて悪化し、治療方針の変更が必要となる状態と定義される。増悪の中核症状には、咳嗽、痰の量や硬さの変化、痰の膿性、呼吸困難や運動不耐症、倦怠感、喀血などがある。その他の臨床的特徴としては、発熱、喘鳴、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、胸膜炎性胸痛、胸部診察所見の変化などがある。
- 重症増悪(入院または静脈内抗菌薬を必要とするものと定義)の特徴には、頻呼吸、急性または慢性呼吸不全の急性化、酸素飽和度または呼吸機能の著しい低下、高炭酸ガス血症、喀血、チアノーゼの新たな発現、肺性心の新たな徴候、血行動態不安定性、および/または認知機能障害が含まれる場合がある。
- 症状が悪化し始めたら、抗菌薬による治療を開始する前に、微生物検査のために痰のサンプルを採取するのが理想的である。
- 最初の抗菌薬に反応がない場合は、可能であれば痰の培養を繰り返す必要がある。
介入の中心は抗菌薬治療であり、上記の微生物学的・疫学的情報と重症度に基づいて薬剤を選ぶ必要があります。治療期間は原則14日が標準とされ、とくに重症例やP. aeruginosaが関与した場合、十分な治療期間が望ましいでしょう。ただ、軽症や感受性の高い起炎菌(例:S. pneumoniae)で、治療に速やかに反応する患者では短期治療も妥当であるとしています。
外来では自己管理計画(SMP)を整え、患者が増悪の兆候を早期に認識して在宅での抗菌薬自己投与を開始できるようにすると、治療の遅れを減らせることが可能かもしれません。また増悪時は、ACTの頻度や強度、手技を一時的に見直すことも推奨されています。
NQ3:症状や増悪が急速に悪化している気管支拡張症の患者に対して、現在どのような検査や治療が推奨されているか?
病状が悪化している患者には、以下の検査と治療を提案する(ナラティブ提案、エビデンスの確実性は極めて低い)。
委員会が承認した、病状が悪化している患者の検査に関するガイドライン文献の推奨事項:
病状が悪化している患者には、以下の検査と治療を提案する(ナラティブ提案、エビデンスの確実性は極めて低い)。
委員会が承認した、病状が悪化している患者の検査に関するガイドライン文献の推奨事項:
- 増悪頻度および/または重症度の増加、症状の悪化および/または肺機能の急速な低下を含む臨床的悪化は、患者とその治療の包括的な再評価につながるべきである。
- 気道クリアランス手技および/または薬物治療の遵守を評価する必要がある。
- 気管支拡張症以外の基礎疾患についても、適切に治療されているか確認する必要がある。
- 病状の悪化に関連することが知られている特定の状態(ABPA、NTM症、または新しい病原体による感染症など)の調査を検討する必要がある。
- 気管支拡張症の早期診断、その根本原因の正確な特定と治療、慢性気道感染症の適切な管理、そして増悪を予防し病気をコントロールするための介入は、病気の進行を遅らせる可能性がある。
- 胸部CT画像を繰り返し撮影することで、悪化の潜在的な原因を特定できる可能性がある。
- NTM症を示唆する臨床的特徴または放射線学的特徴がある場合、特に適切な抗菌薬を使用しても症状が悪化する場合には、NTMの再検査を行う必要がある。
悪化の背景を絞り込むために胸部画像・肺機能・喀痰培養を速やかに行い、原因(新規病原体、ABPA、NTMなど)、服薬アドヒアランス、画像変化や肺機能低下を系統的にチェックすることが推奨されます。さらにACT・ワクチン・併存症管理を含むベースライン治療の最適化と、長期予防(吸入抗菌薬/マクロライド等)の導入・切替を検討します。入院を要する喀血や酸素・NIV必要性、循環不安定などのサインがあれば、救急・入院での評価と介入を優先します。
これらの考え方を支持するものとして、今回のガイドラインでは"RAPIDアプローチ"(認知→評価→検査→介入→再評価)を提示しており、個々へ適用することが推奨されます。治療最適化にもかかわらず局在病変で症状制御不能な場合は外科切除を、1秒量低下や高炭酸ガス血症などで肺全体に問題が生じる場合には肺移植の早期紹介を検討するなどの対応が求められます。
by otowelt
| 2025-10-01 18:04
| 呼吸器その他










