HYPERION試験:肺動脈性肺高血圧症における早期ソタテルセプト
2025年 10月 05日
ERSで話題を集めた報告の1つです。ソタテルセプトは、PAHに関与するアクチビンと成長分化因子を捕捉するアクチビン受容体IIA-Fc(ActRIIA-Fc)融合タンパク質です。
MSDは今年6月にアクチビンシグナル伝達阻害剤「エアウィン®(一般名:ソタテルセプト(遺伝子組換え))」の製造販売承認を取得しています。
■ソタテルセプトは、長期にわたる肺動脈性肺高血圧症患者の罹患率および死亡率を低下させる。しかし、診断後1年以内の肺動脈性肺高血圧症患者におけるその効果は不明である。
■この第3相試験では、WHO機能分類IIまたはIIIの肺動脈性肺高血圧症と診断されてから1年未満で、死亡リスクが中等度または高度であり、2剤または3剤の基礎治療を受けている成人患者を登録した。患者は、皮下投与によるソタテルセプト(開始用量:体重1kgあたり0.3mg、目標用量:体重1kgあたり0.7mgまで増量)またはプラセボによる追加療法を21日ごとに受ける群にランダムに割り付けられた。
■主要評価項目は臨床的悪化で、全死因死亡、肺動脈性高血圧症の悪化による24時間以上の予定外入院、心房中隔裂開術、肺移植、肺動脈性高血圧症による運動負荷試験の成績低下を複合的に評価し、初回イベント発生までの時間解析で評価した。
■本試験は、ソタテルセプトに関する過去の試験で良好な結果が報告されたことを受けて臨床的均衡が失われたため、早期に中止された。合計320名の患者が組み入れられた(ソタテルセプト群とプラセボ群それぞれ160名)。追跡期間の中央値は13.2ヶ月であった。主要評価項目イベントが1件以上発生したのは、ソタテルセプト群の17例(10.6%)、プラセボ群の59例(36.9%)であった(ハザード比0.24、95%信頼区間0.14~0.41、P<0.001)。肺動脈性高血圧症による運動負荷試験の成績低下は、ソタテルセプト群の8例(5.0%)、プラセボ群の46例(28.8%)にみられた。肺動脈性高血圧症の悪化による予定外の入院は、それぞれ3例(1.9%)と14例(8.8%)にみられた。全死因死亡は7例(4.4%)と6例(3.8%)にみられた。心房中隔裂開術または肺移植は施行されなかった。ソタテルセプト投与群で最も多くみられた有害事象は、鼻血(31.9%)と毛細血管拡張症(26.2%)だった。
■肺動脈性肺高血圧症の診断から1年未満経過した成人患者において、基礎療法にソタテルセプトを追加投与した場合、プラセボと比較して臨床的悪化リスクが低下した。
by otowelt
| 2025-10-05 01:57
| 呼吸器その他











