MABEL試験:呼吸困難に対するモルヒネのランダム化比較試験
2025年 10月 07日
シンプルな試験デザイン。実臨床でも、モルヒネってどうなんだろうと思われていました。
- 概要
■実験室ベースの研究で認められた息切れに対するオピオイドの有効性は、臨床試験では再現されていない。本研究では、長期にわたる息切れに対する経口モルヒネの有効性を評価することを目的とた。
■11施設で実施された本第3相並行群間二重盲検プラセボ対照試験では、mMRCスケール3以上の成人患者を、同意を得た上でランダムに1:1に割り付け、56日間経口長時間作用型モルヒネ5~10mgを1日2回経口投与する群またはプラセボを投与した。
■主要評価項目は、28日目における過去24時間の最悪息切れスコアとし、数値評価尺度(NRS、0=全く息切れなし、10=想像し得る最悪の息切れ)を用いて評価した。副次的評価項目は、身体活動レベル、咳嗽NRS、QOL、モルヒネ関連毒性とされた。試験薬を少なくとも1回投与された患者は、有効性および安全性解析の対象となった。
■2021年3月18日から2023年10月26日までの間に、143名の参加者がモルヒネ(73名)またはプラセボ(67名)にランダムに割り付けられ、解析対象となった。3名は割り当てられた治療を受けなかった。参加者の平均年齢は70.5±9.4歳で、大部分が男性(93名 [66%])であり、大部分が白人(132名 [94%])だった。28日目までに、モルヒネ群の64名(88%)が90%以上の遵守率を達成したのに対し、プラセボ群では66名(99%)が達成した。
■28日目の最悪の息切れ(モルヒネ6.19 [95%信頼区間5.57~6.81] vs プラセボ6.10 [5.44~6.76]、補正平均差0.09 [95%信頼区間-0.57~0.75]、p=0.78)および二次評価項目において、56日目に観察された咳の改善(補正平均差-1.41 [-2.18~-0.64])を除き、差を示すエビデンスは確認されなかった。
■モルヒネ群では、有害事象(251件 vs. 162件)、重篤な有害事象(15件 vs. 3件、うちモルヒネ群で3件、プラセボ群で0件が試験に関連すると判断された)、および試験薬の中止(13件 vs. 2件)が多くみられたものの、治療関連死亡はなかった。
■モルヒネが最悪の呼吸困難を改善するというエビデンスは得られなかった。慢性呼吸困難におけるモルヒネの有用性を明らかにするにはさらなる研究が必要である。
by otowelt
| 2025-10-07 00:34
| 呼吸器その他










