非HIVニューモシスチス肺炎に対する全身性ステロイド、有害性は用量依存性
2025年 11月 18日

最近発表された、PIC試験と合わせて考えてみましょう。
■ニューモシスチス肺炎に対するステロイドの新たなエビデンス(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kurahara/202511/590382.html)
まず、非HIVPCP=とりあえずAIDS-PCPと同じステロイドレジメンという発想は、もはやエビデンス的に正当化しにくいことが分かります。とくに低酸素血症がないの非HIVPCPにルーチンで全身性ステロイドを投与することは有害の可能性すらあります。PIC試験は重症〜中等症の呼吸不全例に限定してもなお、有意な死亡低下は示せていないことから、非HIVPCPに対する全身性ステロイドは、プラス面よりマイナス面が目立ちつつある印象です。
■HIV関連PCPに対する全身性ステロイドの補助的仕様はPCPの転帰を改善するが、非HIV患者におけるその役割は不明確である。これまでのエビデンスは主に二者択一治療群に限られており、1日量または累積用量効果を考慮したものはほとんどない。酸素補給を必要とするPCPを有する非HIV免疫不全成人における全身性ステロイドの用量反応関係はどのようなものか調査した。
■2019年から2025年の間に入院した、PCPが確定または疑われる非HIV免疫不全成人375名を対象に、多施設共同後ろ向きコホート解析を実施した。全患者は治療開始時に低酸素血症であった。ステロイド曝露量は、ベースラインの共変量と時間変動する重症度を調整するために、治療確率の逆重み付けを用いた周辺構造モデルを用いて、21日間にわたる連続的な累積時間変動用量としてモデル化された。
■375例中351例(93.6%)が全身性ステロイドを投与された。免疫抑制の最も一般的な原因は、造血悪性腫瘍(30%)、化学療法中の固形腫瘍(30%)、自己免疫疾患(17%)、固形臓器移植(14%)であり、56%がICU入院を必要とし、44%が90日以内に死亡した。
■ステロイド累積投与量の増加は、90日死亡リスクの上昇と関連していた(プレドニゾン換算100mgあたり加重ハザード比1.01、95%信頼区間1.00-1.02、p=0.006)。ステロイド曝露は、挿管リスク(ハザード比0.99、95%信頼区間0.97-1.02)や高度呼吸補助からの早期離脱(ハザード比1.00、95%信頼区間0.98-1.02)とは関連していなかった。
■低酸素血症を伴う非HIV性PCPにおいて、全身性ステロイドの累積曝露量の増加は呼吸器系アウトカムの改善とは関連せず、むしろ死亡率の上昇と関連していた。臨床試験で検証されたレジメンを超える用量の使用には注意が必要である。
by otowelt
| 2025-11-18 01:32
| 感染症全般









