気管支拡張用バルーンカテーテルによる肺癌の診断


気管支鏡専門医の皆様はご存知と思いますが、気管支拡張用バルーンカテーテル「SUKEDACHI®」の論文です。現場ニーズから生まれた製品です。

■気管支拡張用バルーンカテーテル「SUKEDACHI®」を販売開始(URL:https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2025/nr2507311.html

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  • 概要
■気管支鏡による末梢肺病変(PPL)への到達には課題があり、とりわけ小さなPPLの場合、生検の感度を低下させる可能性がある。そこで我々は、気管支経路を拡張し、末梢への気管支鏡の挿入を容易にするバルーン拡張気管支鏡挿入法(BDBD)を開発した。本研究では、この方法を用いた経気管支生検の診断精度と安全性プロファイルを評価した。

■この多施設共同単群前向き研究には、bronchus sign陽性でPPLが20mm未満の患者を対象とした。気管支鏡検査は、意識下鎮静下で極細気管支鏡または細径気管支鏡を用いて実施した。気管支鏡がそれ以上進めない場合、BDBD法を用いて標的に接近し、その後生検を実施した。

■主要評価項目は、指定された手順で得られた検体における悪性腫瘍の診断感度であり、バルーン拡張を用いた気管支鏡の挿入、生検部位の直接観察、および重篤な有害事象がないこととした。

■BDBD法を用いて気管支鏡検査を受けた22例中18例が最終的に癌と診断された。BDBD法は、18例全例で重篤な合併症なく気管支鏡の前進を可能にし、17例で生検部位の直接観察を可能にし、14例で癌を検出した。悪性腫瘍の診断感度は77.8%(18例中14例)となった。これらの症例以外にも、全ての手技基準を満たした1例がクリプトコッカス症と診断された。平均して、BDBD法は気管支鏡を2.3分岐まで前進させることができた。

■この小規模観察研究において、BDBD法は小さなPPLに対する気管支鏡検査の診断感度を向上させる有望な方法であると考えられた。大規模コホートにおけるさらなる検証が必要である。





by otowelt | 2025-11-19 00:33 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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