REMOMEPO試験:メポリズマブによる気道リモデリング改善
2025年 12月 17日
気道リモデリングとは、喘息における慢性炎症によって引き起こされる気道の構造的変化を指します。主な特徴として、(1)基底膜網状層(reticular basement membrane: RBM)における過剰な細胞外マトリックス(ECM)の産生と沈着、(2)気道平滑筋(ASM)量の増加、(3)線維芽細胞数の増加、(4)粘液の過剰分泌があります。リモデリングマーカーの中でも、ECM沈着の増加とASM量の増加は、気管支拡張前の1秒量の低下と関連することが知られています。
バイオはこれを改善させることができるのか、長らく議論が続けられてきました。
- 概要
■REMOMEPO試験は、フランスのBichat病院において実施された介入前向き探索的研究である。対象は、血中好酸球数が300/μLを超え、かつ増悪歴がありOCS依存状態にある成人の重症好酸球性喘息患者とされた。参加者はメポリズマブ100mgの皮下注射を4週間ごとに受け、これを12ヶ月間継続した。
■治療開始前(ベースライン)、治療開始後6ヶ月(M6)、および12ヶ月(M12)の3時点において気管支鏡を実施し、気管支生検および気管支肺胞洗浄(BAL)を行った。主要評価項目として、気管支生検組織における網状基底膜(RBM)の厚さ、気道平滑筋(ASM)の面積、平滑筋細胞の増殖活性(PCNA陽性細胞数)などが測定された。副次評価項目として、気管支肺胞洗浄液中の炎症マーカー、喘息コントロールテスト(ACT)スコア、呼吸機能検査などの臨床的指標も評価された。
■最終的に解析対象となった23名の患者において、メポリズマブ治療は臨床的・組織学的に改善をもたらした。臨床面では、治療開始から12ヶ月後においてACTスコアが有意に改善し、年間増悪回数およびOCS使用量が減少した。呼吸機能に関しては、1秒量の有意な改善は確認されなかった。
■気道リモデリングの変化については、気管支生検組織の定量解析により、治療開始後早期から持続的な改善効果がみられた。具体的には、RBM厚はベースラインと比較して6ヶ月後および12ヶ月後の両方で有意に減少し、ASM面積も同様に有意な減少を示した(RBM厚:42%減少、ASM面積:56%減少)。PCNA陽性細胞数も低下した。しかし、気道壁内の血管密度に関しては有意な変化はなかった。炎症マーカーに関しては、血中およびBALF中の好酸球数は治療により消失したが、気道組織内の好酸球減少は部分的であった。
■成人の重症好酸球性喘息患者に対するメポリズマブの長期投与は、喘息コントロールの改善や増悪リスクの低減といった臨床的効果に加え、気道平滑筋量の減少と網状基底膜肥厚の改善という明確な組織学的変化をもたらした。
by otowelt
| 2025-12-17 00:31
| 気管支喘息・COPD











