ILDの6分間歩行試験におけるdesaturation
2025年 12月 19日
6MWTは当院でもよく実施しています。6MWDのほうがどうしても注目されがたいですが、ディスタンスだけでなく、労作時の酸素化動態を評価できる点が強みです。
■進行性肺線維症(PPF)は間質性肺疾患(ILD)患者の予後を左右する重要な病態である。6分間歩行試験(6MWT)は労作時の酸素飽和度低下(desaturation)を評価する簡便な検査として広く用いられているが、desaturationとPPFの関連については十分に研究されていなかった。
■2008年1月から2015年7月に初回評価を受けた連続FILD患者を対象とした単施設後方視的コホート研究において、線維性間質性肺疾患(FILD)患者を対象に、6MWTにおけるdesaturationと生存率およびPPFとの関連を検討した。対象疾患はIPFおよび非IPF FILD(特発性NSIP、特発性PPFE、分類不能型ILD、慢性過敏性肺炎、膠原病関連ILD)とした。
■desaturationは6MWT終了時のSpO2 90%未満と定義し、さらに軽度(89%)と中等度(88%以下)に分類した。PPFは初回評価から24ヵ月時点で、FVCの10%以上の相対的低下、またはFVC 5-10%低下に加えてDLCO 15%以上低下・CT上の線維化増悪・症状進行のいずれかを認めた場合と定義した。無移植生存期間をKaplan-Meier法で検討し、多変量Cox比例ハザード分析およびロジスティック回帰分析を実施した。
■1,035例中810例が解析対象となった。年齢中央値67歳、男性66%、IPF 383例(47%)、非IPF FILD 427例(53%)であった。desaturationは498例(61%)に認められ、うち軽度45例(6%)、中等度453例(56%)であった。24ヵ月時点でPPFを認めたのは340例(42%)であった。
■desaturationあり群の生存期間中央値は56.7ヵ月で、なし群の122.1ヵ月と比較して有意に短かった(p < 0.0001)。 多変量Cox分析では、desaturationは死亡率上昇と独立して関連していた(ハザード比1.69、95%信頼区間1.37-2.08、p < 0.0001)。軽度desaturation(ハザード比1.82)と中等度desaturation(ハザード比1.66)のいずれも有意であったが、群間差はなかった。
■desaturationあり群のPPF有病率は51.2%で、なし群の27.2%より有意に高かった(p < 0.0001)。 多変量ロジスティック回帰分析では、desaturationはPPFと有意に関連していた。異なる交絡変数を用いた感度分析でも、desaturationは全てのモデルでPPFの独立した予測因子であった。
■FILD患者の半数以上が初回評価時に6MWTでSpO2 90%未満のdesaturationを有しており、desaturationは将来のPPF発症を予測する独立した因子であった。6MWTにおける労作時低酸素血症の評価は、FILD患者のリスク層別化と治療方針決定において有用である。
by otowelt
| 2025-12-19 00:56
| びまん性肺疾患










