肺Exophiala dermatitidis症の臨床的検討

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Exophiala dermatitidis症の、まとまった報告です。貴重です。




Exophiala dermatitidisは環境中に広く存在する黒色真菌であるが、嚢胞性線維症を伴わない呼吸器疾患におけるE. dermatitidisの臨床的特徴は未だ明らかにされていない。

■この研究では、呼吸器検体からE. dermatitidisが分離された非嚢胞性線維症患者の臨床データを後方視的に解析した。

■本研究には13名の患者が登録された。E. dermatitidisは、気管支鏡検査における吸引痰(n = 6)、喀痰(n = 5)、気管支肺胞洗浄液(n = 1)、膿胸(n = 1)から分離された。先行する肺疾患としては、気管支拡張症(n = 6)、COPD(n = 4)、非結核性抗酸菌(NTM)感染症(n = 3)、肺癌(n = 2)、間質性肺疾患(ILD)(n = 2)、喘息(n = 2)が挙げられた。肺以外の免疫抑制性合併症としては、糖尿病(n = 4)、免疫抑制薬の使用(n = 3)、化学療法による治療を受けた悪性腫瘍(n = 2)が挙げられた。6例(46.2%)が「確定」感染と定義され、7例(53.8%)が「疑い」感染と定義された。

■血清β-D-グルカン値(カットオフ値<20 pg/mL)は、10例中2例で高値を示した。胸部CTでは、気管支拡張症(n = 9)、浸潤影(n = 9)、粘液栓塞(n = 8)など、様々な陰影が認められた。

■イトラコナゾール(ITCZ)投与を受けた6例のうち、3例が改善、1例が不変、2例が悪化した。ITCZ投与にもかかわらず、1例はILDの増悪により死亡した。無治療群では、2例が進行肺癌により死亡した。

E. dermatitidisが気管支拡張症または免疫不全状態の患者において呼吸器感染症を引き起こす可能性があることを示唆している。呼吸器におけるE. dermatitidisの定着と真の感染を鑑別するためには、さらなる研究が必要である。





by otowelt | 2025-12-30 00:21 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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