電子タバコの心肺機能・肺血管機能への影響
2026年 01月 24日
一見健康に見える若年の電子タバコ使用者において、通常の肺機能検査では検出できない心肺機能の異常や肺血管機能の低下が潜んでいることを示した報告です。
■本研究は、タバコ喫煙歴のない健康な若年成人において、慢性的な電子タバコ使用が運動時の心肺機能および肺血管の反応性に及ぼす影響を検討した横断観察研究である。
■タバコ喫煙歴のない慢性電子タバコ使用者(2年以上の毎日の使用歴がある者を慢性使用者と定義)20名(平均23±4歳)と、年齢・身長・性別を一致させた対照群20名を対象に、呼吸機能検査(PFT)および心肺運動負荷試験(CPET)を実施した。
■主要評価項目は運動耐容能(VO2peak)、換気効率(VE/VCO2 nadir)、労作時呼吸困難感であり、副次評価項目として座位から仰臥位への体位変換に伴う安静時肺拡散能(DLco)のリクルートメント(予備能)を評価した。
■電子タバコ使用者の平均喫煙期間は3.4 ± 2.9 puff-yearだった(※1 puff-year=1 pack-year相当)。両群とも安静時の呼吸機能検査は正常範囲内であり、有意差はなかった。しかし、電子タバコ使用者は対照群と比較して、年齢・身長・性別調整後の最高酸素摂取量(VO2peak)が有意に低値であった(29.6 ± 1.5 vs 34.8 ± 1.5 mL/kg/min、p=0.017)。また、電子タバコ使用者では運動時の換気効率が悪化しており(VE/VCO2 nadirの上昇、p=0.037)、同等の運動負荷においてより強い呼吸困難感を訴えた。
■さらに、座位から仰臥位への体位変換(肺血管への血行動態的ストレス)に対する反応を評価したところ、電子タバコ使用者ではDLcoのリクルートメントが対照群に比して鈍化しており(p=0.036)、肺血管の反応性低下が示唆された。
■一見健康で安静時肺機能が正常な若年電子タバコ使用者であっても、運動時の心肺機能異常および肺拡散能の予備能低下(肺血管機能不全の徴候)が認められる。これらの所見は、電子タバコがタバコの安全な代替品であるという仮定に疑義を呈するものであり、将来的な心肺機能障害の前兆である可能性がある。
by otowelt
| 2026-01-24 00:47
| 呼吸器その他










