ILD増悪の画像スコア
2026年 01月 26日
当院の新井らが報告した、ILD増悪の画像スコアの論文です。修正Blancal基準も重症増悪を予測する上で重要です。指摘の通り、酸素飽和度の低下を国際的な基準に含めるべきと思います。
■急性増悪(AE)はILDの予後を左右する重大なイベントであるが、現在の国際的な診断基準では「酸素化の低下」が必須項目から外れており、診断におけるCT所見の客観的な基準も十分ではなかった。本研究では、AEとそれ以外の急性増悪(non-AE-AD)を区別するためのCT基準を検討し、酸素化低下の予後的意義を検証した。
■日本の24施設において、1ヶ月以内に呼吸困難の増悪と新たな肺野陰影を認めたILD患者394名(AE-ILD 303名、non-AE-AD-ILD 91名)を前方視的に登録した。基礎疾患は特発性肺線維症(IPF)177名、非IPF 217名だった。
■解析の結果、AEの診断に有用な3つのCTパラメータ(両側性の陰影、すりガラス陰影優位、びまん性パターン)が特定された。これら3項目のうち2項目以上(スコア16点以上)を満たす場合を「AE CT基準」と定義したところ、AEを高い精度で予測できることが示された。一方で、コンソリデーション(浸潤影)や末梢優位のパターンは、肺炎などのnon-AE-AD-ILDでより頻繁にみられた。
※スコアは研究者が任意に決めたものではなく、多変量ロジスティック回帰分析によって算出された各因子のβ係数に基づいている。合計スコアを用いてROC曲線分析を行い、最も感度と特異度のバランスが良い(AUC 0.700)診断の閾値を算出した。その結果として導き出されたのが16点。
・両側性(Bilateral): β係数 0.958 → 10点
・GGO優位(GGO predominant): β係数 0.888 → 9点
・びまん性(Diffuse): β係数 0.745 → 7点
■酸素化の評価には、動脈血ガス分析の代わりとして、臨床現場で使いやすい修正Blancal基準(酸素飽和度5%以上低下、酸素必要量3L/分以上増加、酸素デバイスのアップグレード[鼻カニュラ→マスクなど]のいずれか)を用いた。AE-ILD患者において、この基準を満たす酸素化低下がある群は、ない群やnon-AE-AD-ILD群と比較して、90日生存率が有意に低い結果となった。
■多変量解析において、酸素化の低下はAE-ILDの不良な予後を予測する独立した因子であることが確認された。特に、酸素化の低下に加えてSF比≤315(重度の呼吸不全)を合併している患者では、さらに生存率が悪化していた。
by otowelt
| 2026-01-26 00:47
| びまん性肺疾患











