ASPEN試験:気管支拡張症に対するブレンソカチブ 日本人サブ解析
2026年 01月 29日
非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした国際共同第3相ASPEN試験の日本人サブグループ解析であり、日本独自の臨床背景においてもブレンソカチブの有効性と安全性を明らかにした重要な報告です。
日本の商品名はまだ決まっていないようですが、ブレンスプリと予想します。「ブレン」の3文字から始まる薬剤はなさそうですし。
■参考記事:ASPEN試験:気管支拡張症に対するブレンソカチブ(https://pulmonary.exblog.jp/33591188/)
■ASPEN試験は多施設共同二重盲検ランダム化比較試験で、成人の非CF気管支拡張症患者のうち、過去12か月に増悪≥2回を満たす症例を、ブレンソカチブ10 mg、25 mg、またはプラセボに割り付け、1日1回・52週投与した。増悪は症状項目(咳、喀痰量・性状、膿性、呼吸困難、全身倦怠、喀血など)を満たし医師が全身抗菌薬を処方したイベントと定義され、盲検化された独立委員会が判定した。主要評価項目は年間増悪率で、主要な副次評価項目として初回増悪までの時間、52週時点の無増悪割合、FEV1変化、重症増悪年率、QOL-B呼吸器症状ドメインなどが設定された。安全性はAE全般と、DPP-1欠損症(Papillon-Lefèvre症候群)で問題となる皮膚角化・歯周病などを含む有害事象をモニターした。
■日本人サブ集団は、ASPEN試験全体の集団に比べ、ベースラインの1秒量予測値が約90%以上と高く、前年の増悪回数が3回以上の頻回増悪者の割合が高いという背景を持っていた。日本人は87例がランダム化され(10 mg:30例、25 mg:28例、プラセボ:29例)、約9割が試験を完遂した。平均年齢は66.4歳で女性が56.3%であり、マクロライド長期使用が各群で約75–80%と高頻度にみられた。主要評価項目である年間増悪回数は、プラセボの1.20(95%CI 0.73–1.98)に対し、10 mgで0.45(0.23–0.89)、25 mgで0.39(0.20–0.77)と低下し、率比はそれぞれ0.37(0.16–0.87)、0.32(0.14–0.75)であった。
■初回増悪までの期間はプラセボで中央値40.1週、ブレンソカチブ群では中央値未到達で、ハザード比は10 mgで0.46、25 mgで0.48であったが統計学的な有意差にはいたっていない。肺機能については、プラセボとの差は、10 mg群で47 mL、25 mg群で97 mL(95% CI, 32–162)であり、全体集団(25 mg群で38 mL)と比較して良好な数値を示した。
■初回増悪までの期間について、プラセボ群と比較したハザード比は、10 mg群で 0.46(95% CI, 0.19–1.12)、25 mg群で 0.48(95% CI, 0.20–1.17)であった。また、試験期間中に増悪を経験しなかった患者の割合については、プラセボ群に対するオッズ比は 10 mg群で 3.10(95% CI, 0.99–9.69)、25 mg群で 2.77(95% CI, 0.89–8.67)である。いずれも統計学的な有意差はみられなかった。
■QOL-B RSSスコアは、25 mg群で52週時点においてベースラインから5.01ポイント上昇(改善、SE 2.04)し、プラセボ群と比較して良好な結果が得られた。また症状日記のBESTスコアは、プラセボ群が0.264ポイント増加(悪化)したのに対し、25 mg群では-0.348ポイント減少(改善)した。
■安全性プロファイルは、日本人においても全体集団とおおむね一貫していた。特筆すべき副作用である過角化は、日本人25 mg群で14.3%(4例)に認められたが、これらはすべて軽度であった。この発現率はASPEN試験全体の集団(11.0%)と比較して数値として高いが、重篤な症例や治療中止に至る症例は報告されていない。
by otowelt
| 2026-01-29 02:59
| 呼吸器その他










