FIBRONEER-ILD試験:PPFに対するネランドミラスト 全追跡期間データ報告

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IPF試験では18 mg群でHR 0.66(95%CI: 0.41–1.08)と有意に至らなかったのに対し、ILD試験では両用量ともHR 0.51(95%CI: 0.34–0.78)と明確な死亡リスク低減が示されました。ネランドミラストはPDE4B選択的阻害薬であり、その抗炎症作用がPPFの炎症による線維化に対してより有効に作用した可能性が考えられます。

FIBRONEER-ILD試験では512例(約44%)がニンテダニブを背景治療として併用しており、有害事象による中止率は試験全体で12.0–12.5%と低く、ニンテダニブ併用群で安全性シグナルが特に増加したという報告はありません。ネランドミラストはPDE4B阻害薬、ニンテダニブはチロシンキナーゼ阻害薬であり、作用機序が異なるため、薬理学的に重篤な相互作用が生じるリスクは理論的にも低そうです。したがって、忍容性という観点では併用は可能かもしれませんね。




■進行性肺線維症(PPF)患者を対象としたFIBRONEER-ILD試験において、ネランドミラスト9 mg 1日2回および18 mg 1日2回は、プラセボと比較して52週時点の努力性肺活量(FVC)の低下を抑制した(主要評価項目)。本報告では、最終データベースロック時点までのネランドミラストの効果を評価した。

■主要な副次評価項目である「初回のILD急性増悪、呼吸器関連入院、または死亡」までの時間(複合エンドポイント)、およびその他のイベント発生までの時間に関するエンドポイントを評価した。

■1176例の患者がネランドミラストまたはプラセボの投与を受け、うち512例がニンテダニブを背景治療として併用していた。最終データベースロック時点において、試験薬への平均(標準偏差)曝露期間は15.1(5.7)ヵ月、平均(標準偏差)観察期間は17.0(4.1)ヵ月であった。

■複合エンドポイントについて、プラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は、ネランドミラスト9 mg 1日2回群で0.78(0.61, 1.00)、18 mg 1日2回群で0.77(0.60, 0.99)であった。ニンテダニブ非併用患者ではハザード比がより低く(それぞれ0.69 [0.49, 0.97]および0.65 [0.46, 0.92])、ニンテダニブ併用患者(それぞれ0.90 [0.63, 1.30]および0.93 [0.65, 1.34])と比較してより大きな効果が確認された。

■死亡単独のエンドポイントについては、プラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は、ネランドミラスト両用量群ともに0.51(0.34, 0.78)であった。有害事象による治療中止率は、プラセボ群12.5%、ネランドミラスト9 mg 1日2回群12.0%、18 mg 1日2回群12.3%であった。

■PPF患者を対象としたFIBRONEER-ILD試験において、ネランドミラストは死亡を含む臨床的に重要なアウトカムのリスクを試験全期間を通じて低下させた。ネランドミラストは良好な安全性および忍容性プロファイルを示した。





by otowelt | 2026-03-29 00:36 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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