口腔内洗浄液におけるpneumocystis jirovecii PCR
2026年 04月 04日
口腔内洗浄液 PCRは保菌患者を検出しやすく特異度が低下するという限界がありますが、β-D-グルカン陰性との組み合わせによって、互いの弱点を補完する関係にあります。
■非HIV免疫抑制患者におけるPJP診断は、呼吸不全のため気管支鏡が施行できないことが多く困難を伴う。本研究では、血清β-D-グルカン測定と口腔内洗浄液(うがい液)を用いたP. jirovecii PCRを組み合わせた非侵襲的診断戦略の精度を評価した。
■これは、バルセロナの単施設で行われた後ろ向き観察研究である。2019〜2024年の5年間にPJPが疑われ、72時間以内に血清β-D-グルカン(Fujifilm Wako、カットオフ>7.0 pg/mL)とBAL P. jirovecii PCRが施行された非HIV免疫抑制成人114例を対象とした。うち47例では口腔内洗浄液 PCRも同時に評価した。PJPの診断はEORTC/MSGERC 2021基準に基づいた。
■114例中15例(13.2%)がPJPと診断された。β-D-グルカン単独の感度は93.3%・陰性的中率98.8%と除外能に優れる一方、陽性的中率は51.9%に留まった。口腔内洗浄液 PCRを施行した47例のサブグループでは、β-D-グルカンと口腔内洗浄液 PCRの両者が陽性の場合に陽性的中率100%・陰性的中率97.3%・診断正確度97.9%が達成された。β-D-グルカン単独と比較して、口腔内洗浄液 PCRの追加により陽性的中率が大幅に改善した。両検査ともに陰性の場合の陰性的中率は100%であり、除外診断としても有用であった。
■血清β-D-グルカンと口腔内洗浄液 P. jirovecii PCRの併用は、気管支鏡が施行困難な非HIV免疫抑制患者において、精度の高い非侵襲的PJP診断戦略となりうる。両検査の同時施行を診断アルゴリズムに組み込むことが推奨される。
by otowelt
| 2026-04-04 00:20
| 感染症全般










