抗菌作用を持たない新規マクロライド:グラスマシナル

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抗菌作用をほとんど持たない新しいマクロライド系薬剤「EP395(グラスマシナル)」が、安定期COPD患者の気道炎症を選択的に抑えつつ、肺内マイクロバイオームに影響を与えないことを示した第2a相試験の結果です。マクロライドの長期投与による耐性菌リスクを回避しつつ、抗炎症作用による増悪抑制効果が期待できる新薬ならば、今後要チェックです。

ちなみに、グラスマシナルの語源は不明でした。




■マクロライド系抗菌薬は免疫調節作用を持ち、慢性的に服用することでCOPDの増悪を減少させるが、長期使用は細菌の薬剤耐性を引き起こす懸念がある。EP395(グラスマシナル)は、抗菌薬耐性を誘導することなくCOPDの増悪を減少させる治療薬として開発中の新規マクロライドである。

■本試験は、安定期のCOPD患者を対象とした二重盲検プラセボ対照第2a相試験(NCT05572333)である。45歳以上でCOPD罹病期間が2年以上であり、少なくとも1つの吸入維持療法で安定している61人の患者が、EP395(375mg)群またはプラセボ群に2:1の割合でランダムに割り付けられ、1日1回12週間にわたり経口投与された。
主な目的は安全性であり、副次的な目的としてEP395の薬力学的効果が評価された。

■12週間のEP395投与は忍容性が良好であり、EP395に関連すると考えられる重篤な有害事象は認められなかった。有害事象の発生割合は両群で同程度であった(EP395群 64.3%、プラセボ群 63.2%)。

■好中球活性化のメディエーターである喀痰中の好中球エラスターゼ(NE)およびミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、EP395の投与により減少した。ベースラインからのNEおよびMPOの相対的な変化は、プラセボ群で観察された変化と比較して、EP395群でそれぞれ66%および75%であった。特にNEの減少は統計学的に有意であった(p=0.030)。

■喀痰を用いた探索的な16S rRNAシーケンス解析の結果、EP395は病原性プロテオバクテリア種の割合を含め、肺内マイクロバイオームに対して検出可能な影響を及ぼさないことが示された。

■安定期COPD患者において、EP395の12週間投与は忍容性が良好であり、選択的な抗炎症作用を示し、肺内マイクロバイオームへの検出可能な影響はなかった。これらの知見は、耐性菌発現のリスクを伴わずにCOPD増悪を減少させる潜在的な治療法としての、EP395の開発継続を支持するものである。





by otowelt | 2026-06-03 00:05 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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