線維性ILDに対するミコフェノール酸モフェチルとアザチオプリン
2026年 07月 12日
参考記事:
■肺移植後のミコフェノール酸モフェチル vs アザチオプリン(URL:https://pulmonary.exblog.jp/33520498/)
■筋炎関連ILDに対するアザチオプリンおよびミコフェノール酸モフェチル(URL:https://pulmonary.exblog.jp/28428647/)
■特発性肺線維症(IPF)以外の間質性肺疾患(ILD)に対しては、臨床試験によるエビデンスが限られ、長期的な転帰への影響も不明確であるにもかかわらず、免疫抑制療法が日常的に行われている。
■線維化を伴うILD(非IPF特発性間質性肺炎[IIP]、線維化を伴う過敏性肺炎[fHP]、および膠原病[CTD]に伴うILDを含む)において、ミコフェノール酸またはアザチオプリンによる治療が、3年間の移植非施行生存率および肺機能の推移を改善するかどうかを評価することを目的とした。
■本多施設共同後ろ向き研究では、ランダム化比較試験を模倣するためにclone-censor-weightingの枠組みを用いた。各患者をクローン化し、登録後6ヶ月以内に免疫抑制療法を開始する戦略と開始しない戦略のいずれかに割り当てた。割り当てられた戦略が実際の治療内容と乖離した時点で打ち切りとした。解析には、安定化逆確率治療重み付けおよび打ち切り重み付けを用いた。
■主要評価項目は、治療戦略間で重み付けCoxモデルを用いて評価した3年間の移植非施行生存率とした。肺機能の推移のモデル化には、重み付け一般化推定方程式を用いた。
■対象となった2,270例のうち、6ヶ月以内に免疫抑制療法が開始された割合は、非IPF IIPで18%(186/1022)、fHPで30%(162/544)、CTD-ILDで31%(221/704)であった。免疫抑制療法は、いずれのILDサブタイプにおいても生存率の改善とは関連せず、むしろ非IPF IIP(ハザード比 1.38、95%信頼区間 1.04-1.84)およびfHP(ハザード比 1.62、95%信頼区間 1.09-2.40)においては生存率の低下と関連していた。また、いずれのILDサブタイプにおいても、免疫抑制療法と肺機能推移の差異との間に関連は認められなかった。
■本研究において、免疫抑制療法の開始は、3年間の移植非施行生存率や肺機能に対して有益であることを示すエビデンスは認められず、特定の線維化を伴うILDサブタイプにおいては死亡率の上昇と関連していた。今後の患者診療に役立てるためには、前向きランダム化比較試験が必要である。
by otowelt
| 2026-07-12 14:26
| びまん性肺疾患










