triple negativeにおける白金製剤の効果
2009年 01月 04日
triple Negative。
乳癌診療において、必須の知識である。
triple negativeとは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、Her2タンパク
の3つをもたない乳癌のことで、ホルモン療法やハーセプチンを使った
分子標的治療が効かない乳癌ということを意味する。
ただしこのタイプの乳癌は抗癌剤にはよく反応し、ホルモン受容体陽性乳癌と
比べて、術前化学療法の効果が高いといわれている。
しかし、生存率も低いというジレンマがある。
triple negativeに化学療法がどのくらいのRR(奏効率)があるのか、というのが
まだよくわかっていないのが現状なので、この報告がなされた。
Platinum-based chemotherapy in triple-negative breast cancer.
Annals of Oncology 19: 1847–1852, 2008

RRについては、ネオアジュバントのtriple negativeの場合88%でCRあり、
それ以外の乳癌の51%より明らかに高かった。
5年生存率(OS)は、triple negativeで64%で、
それ以外の乳癌の85%よりは予後が悪かった。
5年間の無増悪生存はtriple negativeで57%で、
それ以外の乳癌の72%よりは予後が悪かった。
予後不良ではあるが、とりあえず奏効はするという結論は変わらないと思われる。
by otowelt
| 2009-01-04 00:02
| 肺癌・その他腫瘍