緊張性気胸における脱気針の適切な長さ


救急をやっていたとき、緊張性気胸の脱気をレントゲンを見る前に
しなければならない状況があったのですが
針の長さはどれくらいがベスト?という論文が発表された。

Needle Thoracostomy for Tension Pneumothorax: Failure Predicted by Chest Computed Tomography. Prehospital Emergency Care 2009;13(1):14 - 17.

第2肋間・鎖骨中線上の胸壁の厚さをCTで計測したというシンプルな論文。
脱気の際にアメリカで用いる、4.4cmのカテ針は妥当かどうかを考察した。
全110例(平均43.5歳)の平均の胸壁厚は、右:4.5 cm (± 1.5 cm)、
左:4.1 cm (± 1.4 cm)だった。
結果としては、4.4cmのカテ針は、50%(95%CI:40.7-59.3%)の外傷患者で
脱気に失敗する!!!

ゲゲップ!!!!

自然気胸でも外傷性気胸でも、大胸筋発達してるし、年齢も若いから
50%で失敗するという考察が成り立ってしまったのだと思う。

ちなみによく救急でおいてある針、テルモの針なんかは
38mmなので、届かない可能性もある・・・・。
日本人はでも痩せてるから大丈夫かな。。。
by otowelt | 2009-01-18 21:22 | 救急

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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