気管支喘息におけるオマリズマブ(ゾレア)の適応承認

2009年1月21日、喘息治療薬のオマリズマブ(ゾレア)が製造承認を取得。
喘息に適応を持つ、初の抗体医薬(ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤)。
2~4週間に1回の皮下注射で、重症喘息患者の症状増悪頻度を減少させる効果がある
とされている。

オマリズマブは、喘息治療の国際指針であるGINA2008において、
Step5の治療選択肢として位置付けられ、コントロール不良追加薬剤として、
経口ステロイドとともに並ぶ。

投与開始16週間後の平均PEF値をオマリズマブ(164人)とプラセボ(151人)で
比較すると、その差がオマリズマブ群で有意に改善していた。
また、喘息の増悪発現率についても、プラセボが11%(164人中18人)に対し
オマリズマブ群が4%(151人中6人)と、有意差が認められた。

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●ゾレア
・用法・用量
 皮下注投与量は,患者の体重および総血清IgE濃度に応じて、
 1回150~300 mgを4週間毎に1回から,1回225~375 mgを2週間毎に
 1回までと異なる。

・作用機序
 多くの喘息患者では,アレルギー成分が,肥満細胞および好塩基球の受容体に
 結合した抗原特異的IgEを介して,ヒスタミン,ロイコトリエン,その他メディエーター
 を遊離し,粘膜の炎症や気道平滑筋の痙攣を増加させる。オマリズマブは循環血中
 遊離IgEと複合体を形成し,IgEが肥満細胞および好塩基球に結合するのを防止し
 その結果メディエーターの遊離を防ぐ。

・薬物動態
 単回皮下投与後,7~8日間で最大血清濃度に達する。本剤は肝臓で分解され
 血清消失半減期は平均26日間である。血清中の遊離IgE濃度は,初回投与後
 1時間以内に用量依存性に低下する。推奨量を用いた場合,次の投与までの間
 持続する遊離IgE濃度の低下は96%を超えると報告されている。
 本剤の投与を中止すると,遊離IgE濃度は約1年で治療前の値に戻る。
by otowelt | 2009-01-22 15:28 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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