胸膜癒着術
2019年 01月 31日
※2019年1月31日改訂
●はじめに
胸膜癒着術は、気胸や悪性胸水に適用されます。ただし、そのエビデンスは多くありません。この処置は、胸膜を癒着させ胸腔を閉鎖すれば気胸の再発を予防できるのではという発想のもと、1930年代に初めて用いられました1)。その頃からすでに、現在使われているタルクや自己血を胸腔内に注入していました。
悪性胸水によく使用されるピシバニール®(Streptococcus pyogenes A3:OK432)は1980年代から使用され始めました。自然気胸の5年再発率を16%減少することができたという報告があります(25% vs 41%)2)。タルクによる胸膜癒着術では、自然気胸がほとんど再発しないという知見が広まり、欧米では自然気胸に対する胸膜癒着術はタルクが主流です。しかし、日本では2019年現在タルクは悪性胸水にしか保険適用されません。
胸膜癒着術の全例が成功するわけではありません。肺の拡張が得られないようなケースではそもそも意味がありません。壁側胸膜と臓側胸膜の2つの胸膜が離れた状態では、それらがくっつく“糊”を入れても空振りに終わるからです。また胸膜播種が重度で粘液産生性の場合、何度やっても癒着できないケースもあります。その他、胸膜癒着術が成功しにくい要因があります3)。例えば胸水中pHが7.28以下のような場合、失敗する確率は上がります。他にも胸水中LDHが高いケース(600 U/L以上)、胸水糖が低下しているケース(60~70mg/dL以下)は胸膜癒着術失敗のリスク因子とされています。
●癒着剤
癒着剤として何を胸腔内に注入するかですが、大きく分けると2種類あります。
(1)タルク(ユニタルク®)・・・悪性胸水と気胸に使用されているが日本では悪性胸水にしか保険適用がない
2013年12月、悪性胸水の治療薬であるユニタルク®胸膜腔内注入用懸濁剤4gが発売されました。タルクは、滑石という鉱石を微粉砕した無機粉末です。癌性胸膜炎による悪性胸水に対して、胸膜癒着剤の第一選択とされています。メタアナリシスでは、タルクは最も胸膜癒着術の成績がよい癒着剤とされており、最低でも78%の成功率が維持できるというすぐれものです4)。胸膜が肥厚して癒着効果が得られにくい悪性胸膜中皮腫においても高い胸水コントロール率を誇ります5)。
ユニタルク®は1回4gを生食50mLとともに胸腔内に注入します。10gを超える使用では急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などの重篤な副作用も報告されています。日本における後ろ向き検討6)では、ARDSを発症した患者は発症しなかった患者よりも高齢者が多く(年齢中央値80歳 vs 66歳、p=0.02)、胸部CTで既存の間質影がみられる頻度が高かった(4人中2人 vs 23人中1人、p<0.05)とされています。
ユニタルクは生理食塩水で懸濁してから使用します。放っておくと沈殿してしまうため、溶液内にタルクをまんべんなく行き渡らせて注入するよう心がけましょう。
(2)ピシバニール®(OK432)…癌性胸膜炎に使用されている、時に気胸に使用されている
もともと抗癌剤というカテゴリーに入る薬剤で、注射用製剤で0.2・0.5・1・5KE/バイアルがあります。1KEはStreptococcus pyogenes (A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末2.8mg乾燥菌体として0.1mgに相当し、KEとはドイツ語で「Klinische einheit(臨床単位)」のことを指します。ベンジルペニシリンカリウムを含有していますので、ペニシリンアレルギー患者には禁忌です。また、心臓疾患、腎臓疾患患者には慎重投与となっています。1回あたり5~10KEを胸腔内に注入します。白金製剤の胸腔内投与は激烈な症状が出ることがあり、安全性やエビデンスが蓄積されているピシバニール®の方がまだ安心できます。
シスプラチン単独、ピシバニール®単独、両者を併用する3群において、180日後の再発率が64.7%、52.9%、13.3%だったという報告7)があり、併用療法の有用性も指摘されています(ただしこの場合ドレーン留置期間は8.4日、5.5日、12.9日)。
日本で行われたJCOG9515試験8)で、4週間の間の胸水無増悪生存率は、ピシバニール®(OK432)で75.8%、ブレオマイシン68.6%、シスプラチン+エトポシド70.6%で有意差はなかったものの(図)、ピシバニール®が良好な成績であったことから日本ではピシバニール®を含むメニューがよく使用されます。
図. 胸水無増悪生存(文献8)より引用)
ピシバニール®は強い炎症を惹起できるので、気胸に用いられることもあります。間質性肺炎合併気胸に対するピシバニール®は、39人中4人がIP悪化をおこし2人が死亡するリスクはありますが、総じて有効性は高いため、難治性の気胸では選択肢として考慮してもよいかもしれません9)。
(3)自己血・・・主に気胸に使用されている
悪性胸水に対する自己血による胸膜癒着術の有効性も報告されていますが(テトラサイクリンとの比較10))、日本では主に気胸に対して用います。
特にエアリークが止まりにくい難治性気胸に対して有効です。自己血による胸膜癒着術の原理は簡単で、傷口がふさがらない肺に“かさぶた”をつくって治療するというものです。自己血のよいところは、注入しても副作用がほぼ起こらないことです。自身の血液を採取して、それを胸腔内に注入するため安全です。間質性肺炎に対してもリスクなく使用できます11)。
10の後ろ向き研究を解析した報告12)によれば、遷延性気胸に対する自己血による胸膜癒着術の成功率は92.7%です。呼吸器内科で経験する難治性気胸に絞るともう少し成功率は低いと思いますが、気胸の胸膜癒着術の第一選択にしてもよいでしょう。
25人の遷延性気胸における注入血液量を比べた報告13)がありますが、0mL、50mL、100mLで、エアリークが止まるまでの日数が6.3±3.7日、2.3±0.6日、1.5±0.6日でした。有意に100mL群でエアリークが止まるまでの日数が短かったとされています。そのため、100mL程度の注入が望ましいと考えられています。
(4)ブレオマイシン・・・悪性胸水に使用されている
言わずと知れた抗癌剤です。1mg/kg、多いときで50~60mg/kgを注入します。日本では抗癌剤による胸膜癒着術としてはシスプラチンも使われることがありますが、骨髄抑制や腎障害などの副作用が50~80%見られ、他の抗癌剤に比べて強い傾向にあります。ピシバニール®の項にも記載しましたが、統計学的には4週間の胸水無増悪生存率は、ピシバニール®やシスプラチン+エトポシドと同等の成績です8)。
(5)テトラサイクリン系抗菌薬・・・悪性胸水、気胸に使用されている
海外の文献ではタルクに劣る報告がいくつかあるため、アメリカではあまり使用されません。日本ではまだ胸膜癒着剤の主役になっている施設もあります。ドキシサイクリン500mg、ミノサイクリン300mg程度を生食に溶解して注入する方法が主流です。とても胸膜痛が強く出る薬剤ですので、事前に1%キシロカインを注入しておくなどの対策が必要です。
自然気胸に対しては、胸腔ドレナージ単独よりもミノサイクリンによる胸膜癒着術を併用したほうが再発抑制効果は高かったという報告があります(1年後の再発率:ミノサイクリン群29.2%、胸腔ドレナージ単独群49.1%、p=0.003)14)。とはいえ、合併症の観点から考えると、自己血より先んじてテトラサイクリンを用いることはなさそうです。
(6)フィブリン糊・・・悪性胸水、気胸に使用されている
A液=フィブリノゲンをアプロチニンで溶解、B液=トロンビンを塩化カルシウムで溶解、この2種類を直前に混和して注入します。フィブリン生成過程を利用して組織の接着・閉鎖を行います。アプロチニンは牛肺を原料とするのでアレルギーに注意しなければなりません。最近はあまり臨床では目にしませんが、自己血による胸膜癒着術で成功しなかった気胸に効果があったという報告もあります15)。
(7)50%ブドウ糖液・・・気胸に使用されている
近年、国内では気胸に対する50%ブドウ糖液の胸腔内注入がトレンドです16)-18)。私は自己血をファーストラインで用いていましたが、2018年現在は自己血あるいは50%ブドウ糖のいずれかを選択しています。気胸の術中に50%ブドウ糖を50mL散布することで、術後の気胸再発を予防できるという報告19)もあります。
ピシバニール®やテトラサイクリンよりも合併症が少ないため、特に間質性肺疾患の患者さんでは使いやすいです。ただ、副作用は少ないのは間違いありませんが、注入後の胸膜痛が多いように感じます。安価でありレセプトで悩むこともそうなさそうですから、気胸の術中にルーチンで50%ブドウ糖液を注入してもよさそうです。
50%ブドウ糖は悪性胸水に対しても有効です。ただし、胸水中の糖が高いと胸膜癒着術が失敗しやすいようです20)。一般的には胸水糖が低すぎる胸水例で胸膜癒着術の成功率が低いと言われていますが、50%ブドウ糖の場合は胸水糖が高すぎることが失敗のリスクとされています。
注入量については古典的には200mLがベストですが、多すぎると胸膜痛が強く出てしまうので、もしかすると100mLくらいでもよいかもしれません。血糖が一時的に上昇するので、糖尿病の患者さんでは高血糖に注意してください。
(8)その他
その他、ポビドンヨードによる癌性胸膜炎や気胸の再発予防の報告もあります。タルクに遜色ないという結果も報告されており、今後期待されています。ブレオマイシンのような起炎症性の胸膜癒着剤と比較するとビドンヨードの胸膜癒着効果は同等に高いと報告されていますが21)、自己血や50%ブドウ糖と肩を並べる存在になるのかどうかは分かりません。また、その他の胸膜癒着剤として、テトラサイクリン系以外の抗菌薬であるエリスロマイシンが有望視されています22)。
●実際の手順
実際の手順についてです。使用する胸腔ドレーンは必ずしも20Fr以上の太径胸腔ドレーンを使用する必要はありません。疼痛の観点からも細径(10~14Fr程度)でよいとされています(図)23)。ただ、私は16Fr以上の胸腔ドレーンを使うことが多いです。ダブルルーメンでないとテクニカルに胸膜癒着しにくいため、院内に採用されている胸腔ドレーンを事前に調べておきましょう。
図. 胸膜癒着術における細径胸腔ドレーンと太径胸腔ドレーンの治療効果23)(文献より引用)
ちなみに、施術は肺の拡張が完全に得られていることが前提条件です。悪性胸水については排液量が150mL/日くらいを下回れば、問題なく癒着術ができます。
1.全身ステロイドは事前にできるだけ減らしておくことが推奨されています24)。
2.薬剤を胸腔に注入する前に1%キシロカインを20mL程胸腔内注入したり、解熱鎮痛薬を事前に内服してもらったりしてから治療を行います。これらによって胸膜痛を軽減することができます。NSAIDsを使用すると胸膜癒着剤の効果が減るという都市伝説がありましたが、現在はこの考えは否定されています25)。
3.薬剤を入れた後、悪性胸水の場合は胸腔ドレーンをクランプします。気胸の場合はエアリークが続いているのでクランプの必要はありませんが、接続管は患者さんの体から40~60cm高い位置を経由させて、空気のみが排出されるよう工夫してください。癒着剤が垂れ流しだともったいないです。
4.肺尖部分を中心に癒着剤が胸腔に広がるように体位変換することが重要とされています(例:仰臥位10~20分・右側臥位10~20分・左側臥位10~20分・腹臥位10~20分・坐位10~20分など)
※ただし、体位変換そのものや変換時間のエビデンスは現時点ではありません26)。
※胸腔ドレーン側を下にすると当然痛いので、その体位はスキップします。
5.臓側胸膜と壁側胸膜を癒着する必要があるので、陰圧(たとえば-15~20cmH2Oなど)で持続吸引するのが望ましいという意見が多いです。
※陰圧のエビデンスは現時点ではほとんどありません。
※個人的には、ドレーンが閉塞しないように適宜ごく少量の生理食塩水や空気を注入して適宜開通を確認することもあります。胸膜癒着術では胸腔ドレーン閉塞が一番問題になります。
6.悪性胸水の場合、1日150mL以下の胸水排液で胸腔ドレーンを抜去しても問題ありません。それ以上の胸水排液が24時間以上続く場合は、再度胸膜癒着術を考慮します。3回目以降の胸膜癒着術にはエビデンスがありません。気胸の場合、エアリークが消失していたら、胸腔ドレーンが閉塞したか気胸の傷口がふさがっているかのどちらかです。バイタルサインに問題がなければ翌日の胸部レントゲン写真で肺が全拡張しているかどうか確認します。
※肺が虚脱してエアリークがない場合、ドレーン閉塞が考えられます。翌日にこれを発見するのは嫌なので、上述したように陰圧をかけている間にドレーンが開通しているかどうか少量の生理食塩水や空気を注入して確認します(ただし推奨される医療行為ではない)。
●副作用
胸膜癒着術の副作用としてよくみられるのは、発熱、疼痛です。特に発熱と疼痛は自己血以外ではほぼ必発です。重篤な副作用として呼吸不全、SIRS、膿胸などがありますが、呼吸器内科医としておさえておかなければならないのは、タルクによるARDSです。高齢者や間質性肺疾患のある患者さんではリスクが高いので要注意です6)。
SpO2が低下した場合、まれなARDSなどの合併症を疑うよりも、まず胸腔ドレーンの閉塞を疑ってください。とくに自己血の場合、胸腔ドレーン閉塞と気胸治癒の判断が難しいことがあるため、翌日の胸部レントゲン撮影は必須です。
(参考文献)
1) Bethune N. Pleural poudrage: new technique for the deliberate production of pleural adhesion as preliminary to lobectomy. J Thorac Surg 1935; 4:251.
2) Gyorik S et al. Long-term follow-up of thoracoscopic talc pleurodesis for primary spontaneous pneumothorax. Eur Respir J. 2007 Apr;29(4):757-60.
3) Heffner JE et al. Pleural fluid pH as a predictor of pleurodesis failure: analysis of primary data. Chest 2000 Jan;117(1):87-95.
4) Tan C, et al. The evidence on the effectiveness of management for malignant pleural effusion: a systematic review. Eur J Cardiothorac Surg. 2006;29(5):829.
5) Rena O, et al. Persistent lung expansion after pleural talc poudrage in non-surgically resected malignant pleural mesothelioma. Ann Thorac Surg. 2015; 99(4): 1177-83.
6) Shinno Y, et al. Old age and underlying interstitial abnormalities are risk factors for development of ARDS after pleurodesis using limited amount of large particle size talc. Respirology. 2018 Jan;23(1):55-59.
7) Ishida A, et al. Intrapleural cisplatin and OK432 therapy for malignant pleural effusion caused by non-small cell lung cancer. Respirology. 2006 Jan;11(1):90-7.
8) Yoshida K, et al. Randomized phase II trial of three intrapleural therapy regimens for the management of malignant pleural effusion in previously untreated non-small cell lung cancer: JCOG 9515. Lung Cancer. 2007 Dec;58(3):362-8.
9) Ogawa K, et al. OK-432 pleurodesis for the treatment of pneumothorax in patients with interstitial pneumonia. Respir Investig. 2018 Jun 11. pii: S2212-5345(18)30095-9.
10) Keeratichananont W, et al.Efficacy and safety profile of autologous blood versus tetracycline pleurodesis for malignant pleural effusion. Ther Adv Respir Dis. 2015 Apr;9(2):42-8.
11) Aihara K, et al. Efficacy of Blood-Patch Pleurodesis for Secondary Spontaneous Pneumothorax in Interstitial Lung Disease. Intern Med 50: 1157-1162, 2011.
12) Chambers A, et al. Is blood pleurodesis effective for determining the cessation of persistent air leak? Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2010 Oct;11(4):468-72.
13) Andreetti C, et al. Pleurodesis with an autologous blood patch to prevent persistent air leaks after lobectomy. J Thorac Cardiovasc Surg 2007 Mar;133(3):759-62.
14) Chen JS, et al. Simple aspiration and drainage and intrapleural minocycline pleurodesis versus simple aspiration and drainage for the initial treatment of primary spontaneous pneumothorax: an open-label, parallel-group, prospective, randomised, controlled trial. Lancet. 2013 Apr 13;381(9874):1277-82.
15) Iyama S, et al. Successful treatment by fibrin glue sealant for pneumothorax with chronic GVHD resistant to autologous blood patch pleurodesis. Intern Med. 2012;51(15):2011-4.
16) Tsukioka T, et a. Pleurodesis with a 50% Glucose Solution in Patients with Spontaneous Pneumothorax in Whom an Operation is Contraindicated. Ann Thorac Cardiovasc Surg. 2013;19(5):358-63.
17) Tsukioka T, et al. Intraoperative mechanical and chemical pleurodesis with 50 % glucose solution for secondary spontaneous pneumothorax in patients with pulmonary emphysema. Surg Today. 2013 Aug;43(8):889-93.
18) Fujino K, et al. Novel approach to pleurodesis with 50 % glucose for air leakage after lung resection or pneumothorax. Surg Today. 2016 May;46(5):599-602.
19) Tsuboshima K, et al. Pleural Coating by 50% Glucose Solution Reduces Postoperative Recurrence of Spontaneous Pneumothorax. Ann Thorac Surg. 2018 Jul;106(1):184-191.
20) Pantazopoulos I, et al. Pleural fluid glucose: A predictor of unsuccessful pleurodesis in a preselected cohort of patients with malignant pleural effusion. J BUON. 2014 Oct-Dec;19(4):1018-23.
21) Bagheri R, et al. The effect of iodopovidone versus bleomycin in chemical pleurodesis. Asian Cardiovasc Thorac Ann. 2018 Jun;26(5):382-386.
22) Zhai CC, et al. Erythromycin poudrage versus erythromycin slurry in the treatment of refractory spontaneous pneumothorax. J Thorac Dis. 2018 Feb;10(2):757-765.
23) Thethi I, et al. Effect of chest tube size on pleurodesis efficacy in malignant pleural effusion: a meta-analysis of randomized controlled trials. J Thorac Dis. 2018 Jan;10(1):355-362.
24) Kennedy L et al. Pleurodesis using talc slurry. Chest 1994 Aug;106(2):342-6.
25) Rahman NM, et al. Effect of Opioids vs NSAIDs and Larger vs Smaller Chest Tube Size on Pain Control and Pleurodesis Efficacy Among Patients With Malignant Pleural Effusion: The TIME1 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2015 Dec 22-29;314(24):2641-53.
26) Dryzer SR, et al. A comparison of rotation and nonrotation in tetracycline pleurodesis. Chest. 1993 Dec;104(6):1763-6.

by 倉原優
●はじめに
胸膜癒着術は、気胸や悪性胸水に適用されます。ただし、そのエビデンスは多くありません。この処置は、胸膜を癒着させ胸腔を閉鎖すれば気胸の再発を予防できるのではという発想のもと、1930年代に初めて用いられました1)。その頃からすでに、現在使われているタルクや自己血を胸腔内に注入していました。
悪性胸水によく使用されるピシバニール®(Streptococcus pyogenes A3:OK432)は1980年代から使用され始めました。自然気胸の5年再発率を16%減少することができたという報告があります(25% vs 41%)2)。タルクによる胸膜癒着術では、自然気胸がほとんど再発しないという知見が広まり、欧米では自然気胸に対する胸膜癒着術はタルクが主流です。しかし、日本では2019年現在タルクは悪性胸水にしか保険適用されません。
胸膜癒着術の全例が成功するわけではありません。肺の拡張が得られないようなケースではそもそも意味がありません。壁側胸膜と臓側胸膜の2つの胸膜が離れた状態では、それらがくっつく“糊”を入れても空振りに終わるからです。また胸膜播種が重度で粘液産生性の場合、何度やっても癒着できないケースもあります。その他、胸膜癒着術が成功しにくい要因があります3)。例えば胸水中pHが7.28以下のような場合、失敗する確率は上がります。他にも胸水中LDHが高いケース(600 U/L以上)、胸水糖が低下しているケース(60~70mg/dL以下)は胸膜癒着術失敗のリスク因子とされています。
●癒着剤
癒着剤として何を胸腔内に注入するかですが、大きく分けると2種類あります。
起炎症性癒着剤 | タルク(ユニタルク®)、テトラサイクリン系抗菌薬、ピシバニール®(OK432)、抗癌剤、ポビドンヨード、(50%ブドウ糖液) |
それ自体に接着作用がある癒着剤 | 自己血、50%ブドウ糖液、フィブリン糊 |
(1)タルク(ユニタルク®)・・・悪性胸水と気胸に使用されているが日本では悪性胸水にしか保険適用がない
2013年12月、悪性胸水の治療薬であるユニタルク®胸膜腔内注入用懸濁剤4gが発売されました。タルクは、滑石という鉱石を微粉砕した無機粉末です。癌性胸膜炎による悪性胸水に対して、胸膜癒着剤の第一選択とされています。メタアナリシスでは、タルクは最も胸膜癒着術の成績がよい癒着剤とされており、最低でも78%の成功率が維持できるというすぐれものです4)。胸膜が肥厚して癒着効果が得られにくい悪性胸膜中皮腫においても高い胸水コントロール率を誇ります5)。
ユニタルク®は1回4gを生食50mLとともに胸腔内に注入します。10gを超える使用では急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などの重篤な副作用も報告されています。日本における後ろ向き検討6)では、ARDSを発症した患者は発症しなかった患者よりも高齢者が多く(年齢中央値80歳 vs 66歳、p=0.02)、胸部CTで既存の間質影がみられる頻度が高かった(4人中2人 vs 23人中1人、p<0.05)とされています。
ユニタルクは生理食塩水で懸濁してから使用します。放っておくと沈殿してしまうため、溶液内にタルクをまんべんなく行き渡らせて注入するよう心がけましょう。
(2)ピシバニール®(OK432)…癌性胸膜炎に使用されている、時に気胸に使用されている
もともと抗癌剤というカテゴリーに入る薬剤で、注射用製剤で0.2・0.5・1・5KE/バイアルがあります。1KEはStreptococcus pyogenes (A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末2.8mg乾燥菌体として0.1mgに相当し、KEとはドイツ語で「Klinische einheit(臨床単位)」のことを指します。ベンジルペニシリンカリウムを含有していますので、ペニシリンアレルギー患者には禁忌です。また、心臓疾患、腎臓疾患患者には慎重投与となっています。1回あたり5~10KEを胸腔内に注入します。白金製剤の胸腔内投与は激烈な症状が出ることがあり、安全性やエビデンスが蓄積されているピシバニール®の方がまだ安心できます。
シスプラチン単独、ピシバニール®単独、両者を併用する3群において、180日後の再発率が64.7%、52.9%、13.3%だったという報告7)があり、併用療法の有用性も指摘されています(ただしこの場合ドレーン留置期間は8.4日、5.5日、12.9日)。
日本で行われたJCOG9515試験8)で、4週間の間の胸水無増悪生存率は、ピシバニール®(OK432)で75.8%、ブレオマイシン68.6%、シスプラチン+エトポシド70.6%で有意差はなかったものの(図)、ピシバニール®が良好な成績であったことから日本ではピシバニール®を含むメニューがよく使用されます。

ピシバニール®は強い炎症を惹起できるので、気胸に用いられることもあります。間質性肺炎合併気胸に対するピシバニール®は、39人中4人がIP悪化をおこし2人が死亡するリスクはありますが、総じて有効性は高いため、難治性の気胸では選択肢として考慮してもよいかもしれません9)。
(3)自己血・・・主に気胸に使用されている
悪性胸水に対する自己血による胸膜癒着術の有効性も報告されていますが(テトラサイクリンとの比較10))、日本では主に気胸に対して用います。
特にエアリークが止まりにくい難治性気胸に対して有効です。自己血による胸膜癒着術の原理は簡単で、傷口がふさがらない肺に“かさぶた”をつくって治療するというものです。自己血のよいところは、注入しても副作用がほぼ起こらないことです。自身の血液を採取して、それを胸腔内に注入するため安全です。間質性肺炎に対してもリスクなく使用できます11)。
10の後ろ向き研究を解析した報告12)によれば、遷延性気胸に対する自己血による胸膜癒着術の成功率は92.7%です。呼吸器内科で経験する難治性気胸に絞るともう少し成功率は低いと思いますが、気胸の胸膜癒着術の第一選択にしてもよいでしょう。
25人の遷延性気胸における注入血液量を比べた報告13)がありますが、0mL、50mL、100mLで、エアリークが止まるまでの日数が6.3±3.7日、2.3±0.6日、1.5±0.6日でした。有意に100mL群でエアリークが止まるまでの日数が短かったとされています。そのため、100mL程度の注入が望ましいと考えられています。
(4)ブレオマイシン・・・悪性胸水に使用されている
言わずと知れた抗癌剤です。1mg/kg、多いときで50~60mg/kgを注入します。日本では抗癌剤による胸膜癒着術としてはシスプラチンも使われることがありますが、骨髄抑制や腎障害などの副作用が50~80%見られ、他の抗癌剤に比べて強い傾向にあります。ピシバニール®の項にも記載しましたが、統計学的には4週間の胸水無増悪生存率は、ピシバニール®やシスプラチン+エトポシドと同等の成績です8)。
(5)テトラサイクリン系抗菌薬・・・悪性胸水、気胸に使用されている
海外の文献ではタルクに劣る報告がいくつかあるため、アメリカではあまり使用されません。日本ではまだ胸膜癒着剤の主役になっている施設もあります。ドキシサイクリン500mg、ミノサイクリン300mg程度を生食に溶解して注入する方法が主流です。とても胸膜痛が強く出る薬剤ですので、事前に1%キシロカインを注入しておくなどの対策が必要です。
自然気胸に対しては、胸腔ドレナージ単独よりもミノサイクリンによる胸膜癒着術を併用したほうが再発抑制効果は高かったという報告があります(1年後の再発率:ミノサイクリン群29.2%、胸腔ドレナージ単独群49.1%、p=0.003)14)。とはいえ、合併症の観点から考えると、自己血より先んじてテトラサイクリンを用いることはなさそうです。
(6)フィブリン糊・・・悪性胸水、気胸に使用されている
A液=フィブリノゲンをアプロチニンで溶解、B液=トロンビンを塩化カルシウムで溶解、この2種類を直前に混和して注入します。フィブリン生成過程を利用して組織の接着・閉鎖を行います。アプロチニンは牛肺を原料とするのでアレルギーに注意しなければなりません。最近はあまり臨床では目にしませんが、自己血による胸膜癒着術で成功しなかった気胸に効果があったという報告もあります15)。
(7)50%ブドウ糖液・・・気胸に使用されている
近年、国内では気胸に対する50%ブドウ糖液の胸腔内注入がトレンドです16)-18)。私は自己血をファーストラインで用いていましたが、2018年現在は自己血あるいは50%ブドウ糖のいずれかを選択しています。気胸の術中に50%ブドウ糖を50mL散布することで、術後の気胸再発を予防できるという報告19)もあります。
ピシバニール®やテトラサイクリンよりも合併症が少ないため、特に間質性肺疾患の患者さんでは使いやすいです。ただ、副作用は少ないのは間違いありませんが、注入後の胸膜痛が多いように感じます。安価でありレセプトで悩むこともそうなさそうですから、気胸の術中にルーチンで50%ブドウ糖液を注入してもよさそうです。
50%ブドウ糖は悪性胸水に対しても有効です。ただし、胸水中の糖が高いと胸膜癒着術が失敗しやすいようです20)。一般的には胸水糖が低すぎる胸水例で胸膜癒着術の成功率が低いと言われていますが、50%ブドウ糖の場合は胸水糖が高すぎることが失敗のリスクとされています。
注入量については古典的には200mLがベストですが、多すぎると胸膜痛が強く出てしまうので、もしかすると100mLくらいでもよいかもしれません。血糖が一時的に上昇するので、糖尿病の患者さんでは高血糖に注意してください。
(8)その他
その他、ポビドンヨードによる癌性胸膜炎や気胸の再発予防の報告もあります。タルクに遜色ないという結果も報告されており、今後期待されています。ブレオマイシンのような起炎症性の胸膜癒着剤と比較するとビドンヨードの胸膜癒着効果は同等に高いと報告されていますが21)、自己血や50%ブドウ糖と肩を並べる存在になるのかどうかは分かりません。また、その他の胸膜癒着剤として、テトラサイクリン系以外の抗菌薬であるエリスロマイシンが有望視されています22)。
●実際の手順
実際の手順についてです。使用する胸腔ドレーンは必ずしも20Fr以上の太径胸腔ドレーンを使用する必要はありません。疼痛の観点からも細径(10~14Fr程度)でよいとされています(図)23)。ただ、私は16Fr以上の胸腔ドレーンを使うことが多いです。ダブルルーメンでないとテクニカルに胸膜癒着しにくいため、院内に採用されている胸腔ドレーンを事前に調べておきましょう。

ちなみに、施術は肺の拡張が完全に得られていることが前提条件です。悪性胸水については排液量が150mL/日くらいを下回れば、問題なく癒着術ができます。
1.全身ステロイドは事前にできるだけ減らしておくことが推奨されています24)。
2.薬剤を胸腔に注入する前に1%キシロカインを20mL程胸腔内注入したり、解熱鎮痛薬を事前に内服してもらったりしてから治療を行います。これらによって胸膜痛を軽減することができます。NSAIDsを使用すると胸膜癒着剤の効果が減るという都市伝説がありましたが、現在はこの考えは否定されています25)。
3.薬剤を入れた後、悪性胸水の場合は胸腔ドレーンをクランプします。気胸の場合はエアリークが続いているのでクランプの必要はありませんが、接続管は患者さんの体から40~60cm高い位置を経由させて、空気のみが排出されるよう工夫してください。癒着剤が垂れ流しだともったいないです。
・自己血50~100mL(採血係と胸腔注入係の2人が必要) ・50%ブドウ糖液200mL ・ピシバニール®5~10KE+生理食塩水50~100mL ・ユニタルク®4g+生理食塩水50mL (注入後生理食塩水50mLを追加) ・ミノマイシン®100~300mg+生理食塩水100mL |
4.肺尖部分を中心に癒着剤が胸腔に広がるように体位変換することが重要とされています(例:仰臥位10~20分・右側臥位10~20分・左側臥位10~20分・腹臥位10~20分・坐位10~20分など)
※ただし、体位変換そのものや変換時間のエビデンスは現時点ではありません26)。
※胸腔ドレーン側を下にすると当然痛いので、その体位はスキップします。
5.臓側胸膜と壁側胸膜を癒着する必要があるので、陰圧(たとえば-15~20cmH2Oなど)で持続吸引するのが望ましいという意見が多いです。
※陰圧のエビデンスは現時点ではほとんどありません。
※個人的には、ドレーンが閉塞しないように適宜ごく少量の生理食塩水や空気を注入して適宜開通を確認することもあります。胸膜癒着術では胸腔ドレーン閉塞が一番問題になります。
6.悪性胸水の場合、1日150mL以下の胸水排液で胸腔ドレーンを抜去しても問題ありません。それ以上の胸水排液が24時間以上続く場合は、再度胸膜癒着術を考慮します。3回目以降の胸膜癒着術にはエビデンスがありません。気胸の場合、エアリークが消失していたら、胸腔ドレーンが閉塞したか気胸の傷口がふさがっているかのどちらかです。バイタルサインに問題がなければ翌日の胸部レントゲン写真で肺が全拡張しているかどうか確認します。
※肺が虚脱してエアリークがない場合、ドレーン閉塞が考えられます。翌日にこれを発見するのは嫌なので、上述したように陰圧をかけている間にドレーンが開通しているかどうか少量の生理食塩水や空気を注入して確認します(ただし推奨される医療行為ではない)。
●副作用
胸膜癒着術の副作用としてよくみられるのは、発熱、疼痛です。特に発熱と疼痛は自己血以外ではほぼ必発です。重篤な副作用として呼吸不全、SIRS、膿胸などがありますが、呼吸器内科医としておさえておかなければならないのは、タルクによるARDSです。高齢者や間質性肺疾患のある患者さんではリスクが高いので要注意です6)。
SpO2が低下した場合、まれなARDSなどの合併症を疑うよりも、まず胸腔ドレーンの閉塞を疑ってください。とくに自己血の場合、胸腔ドレーン閉塞と気胸治癒の判断が難しいことがあるため、翌日の胸部レントゲン撮影は必須です。
(参考文献)
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26) Dryzer SR, et al. A comparison of rotation and nonrotation in tetracycline pleurodesis. Chest. 1993 Dec;104(6):1763-6.
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by otowelt
| 2019-01-31 00:15
| レクチャー

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp
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