フルコナゾール経口は静注よりシクロスポリン・タクロリムス血中濃度を上昇させる


Greater impact of oral fluconazole on drug interaction with intravenous calcineurin inhibitors as compared with intravenous fluconazole.
Eur J Clin Pharmacol 64:89-91, 2008


フルコナゾールとカルシニューリン阻害剤(シクロスポリン・タクロリムス)間の
相互作用が立証されているにも関わらず、フルコナゾールの投与方法の違い
がカルシニューリン阻害剤との相互作用にどういった影響を与えるについては
十分に解明されていない。

方法:
 同種造血幹細胞移植を施行された53例で、経静脈投与されている
 シクロスポリンまたはタクロリムスの血中濃度がフルコナゾールを
 経静脈投与から経口投与に切り替えた後、どのように変化するか、検討を加えた。

結果:
 フルコナゾールを経口投与に変えると、
 シクロスポリン・タクロリムスの血中濃度が有意に上昇。

結論:
 カルシニューリン阻害剤に対して、フルコナゾールは経静脈投与よりも経口投与
 の方がより血中濃度を高める影響が強い。フルコナゾール投与方法を変更する際は
 十分注意してシクロスポリンおよびタクロリムスの血中濃度モニタリングをする。
by otowelt | 2009-02-18 14:28 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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