Wernicke脳症2
2009年 02月 26日
●ビタミンB1とは
ビタミンB1は、米ぬかから抗神経炎症の結晶として、
Funk、Edie、鈴木梅太郎(日本)により、分離された。
ビタミンB1は、鈴木梅太郎によりオリザニンとも命名された。
また、抗神経炎の意味でアノイリン(aneurin)とも呼ばれる。
18日間投与されないと枯渇する。
●Wernicke脳症と訴訟問題
東大医科学研究所附属病院で、ビタミンの
入っていない点滴を受けたため、ウェルニッケ脳症を発症、
歩行障害や記憶障害が残ったとして、横浜市の男性の遺族が
国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は
「医師には適切な量のビタミンB1を補給する注意義務を怠った
過失がある」として、800万円の支払いを命じた。
●脚気
・脚気もビタミンB1不足で起こる。
・beriberiは「私は何もできない」という意味。
医師が治療の方法が分からなかったから。
・知覚障害、運動障害、むくみ、心臓の障害を主な
症状とする全身性の病気で、重くなると急性心不全
を起こす危険性が増す。
・初期症状:脚の疲労感、下肢の知覚が鈍くなる、
下腿のむくみ、などがみられる。さらに進行すると、
湿性脚気と乾性脚気の2つの症状がみられる
・腱反射異常はアキレス腱反射が最初に現れる
Wet Beriberi
下腿の前面や足背のむくみが次第に背部、上肢に広がる。
むくみの増強に伴い心臓症状(動悸、心臓の拡大、頻脈など)
があらわれる。悪化すれば急性心不全となる
Dry Beriberi
神経と筋肉の障害(多発性神経炎)を主とする。知覚の障害が
両側性に下腿から下腹部、上肢、躯幹、顔など全身に及ぶ。しかし、
完全に知覚が消失することはない。運動障害は末梢神経障害と
筋肉の変性のため。
by otowelt
| 2009-02-26 17:09
| レクチャー