FDG-PETとCTを組み合わせるとBACの鑑別が可能
2009年 03月 05日
肺癌領域ではPETをよく使う。
まぁ、どの癌でもそうなのだが・・・・・
PETでは、肺胞上皮癌(BAC)、高分化型腺癌、10mm以下の肺癌で
偽陰性が起こる。特にこのBACの偽陰性は呼吸器内科医の間では有名だ。
J Nucl Med 1998;39:1016-1020
SUVとは、投与したRIが体内に均一に分布しかつ排泄されていないとした場合
の組織の放射能濃度を1とし、それに対して関心領域の放射能濃度が
何倍であるかを示したもの。
ちなみに、肺の平均SUVは0.6である。
Ann Acad Med Singapole 2004:33:183-185
lung cancerから出た論文では、
BACの平均SUV7.2、その他NSCLCの平均SUV13.33という結果。
以下にそれを紹介する。
・・・・・でも、PETの報告書みても、SUV10くらいが上限のことが多いのだが・・・
依頼しているPETに問題があるのか???
Clinical usefulness of the fluorodeoxyglucose (FDG)-PET maximal standardized uptake value (SUV) in combination with CT features for the differentiation of adenocarcinoma with a bronchioloalveolar carcinoma from other subtypes of non-small cell lung cancers. Lung Cancer, In Press, Corrected Proof, Available online 8 February 2009
目的:
FDG-PETの最大SUVとCTを組み合わせることで
BACとその他のNSCLCを区別する。
方法:
125人の患者(男性104人、女性21人、平均年齢64歳)で、
CTとそれに引き続くPETを施行し、手術のあとの組織学的診断の
妥当性を検討。最終的に16症例のBACと109症例の他のNSCLCサブタイプ
が登録された。PETで最大SUVを検討。
結果:
BACではmixed patternを持つ結節影がCTで観察された(8/16, 50%)。
他のNSCLCではそういったパターンはあまりみられなかった(2/109, 1.8%) 。
(p < 0.0001)。
BACにおける最大SUVは平均7.2であった。これは他のNSCLCの平均13.33より
低かった。(p < 0.0001)
BACを鑑別するためのCTでは、感度50%、特異度98.2%、PPV80%、NPV93%。
また、PETにおける場合、感度68.8%、特異度86.2%、PPV42.3%、NPV94.9%。
これらを組み合わせると、 感度81.3%、特異度85.3%、PPV44.8%、NPV96.9%。
結果:
FDG-PETの最大SUVとCT所見を組み合わせると、
BACと他のNSCLCの鑑別が可能。
by otowelt
| 2009-03-05 21:50
| 肺癌・その他腫瘍