イマチニブ1日400mg服用した患者の98%で、GIST術後1年間の再発がみられなかった
2009年 03月 24日

グリベック。
STI571、メシル酸イマチニブ。
私が医師国家試験を受けた時には
分子標的薬といえばコレだった。
この分子標的薬が消化管間質腫瘍(GIST)術後
の再発リスクを大幅に抑制することがわかった。
●GISTとは
消化管間質腫瘍(GIST)は、通常は消化管から発生する軟部肉腫
と呼ばれる粘膜下腫瘍の一種であり、もっとも多い発生部位は胃、
ついで小腸。EUでは推定で年間5,000例以上が新規に発症するとされ、
そのうち約95%がKIT陽性である。外科切除後の再発までの期間は約2年。
KITはCD117としても知られており、変異すると、GIST発症の主因の
1つになることが確認されている蛋白質である。
イマチニブ(グリベック)はKITを含む数種のタンパクの活性を阻害する。
Adjuvant imatinib mesylate after resection of localised, primary gastrointestinal stromal tumour: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. The Lancet. Published online March 19, 2009. Accessed March 2009.
デザイン:
アメリカとカナダで行われた二重盲検・無作為化・多施設協同の試験
方法:
GIST(最低でも3cm以上)の切除がなされ、KIT陽性の症例をeligibleとした。
外科切除の手術を受けたGIST患者713名を対象とし、1年間
イマチニブ400mg/日の投与を受けた群(n=359)または
プラセボ投与群(n=354)のGIST患者の無再発生存率(RFS)をITT解析。
結果:
平均フォローアップ期間は19.7か月。
術後1年間の無再発生存率は、プラセボ群の患者の約83%に対し、
イマチニブ投与群の患者では98%であった(P<0.0001)。
アジュバントのイマチニブは忍容性もあり、
有害事象としては皮膚炎が最もよくみられ、(11 [3%] vs 0)
次いで腹痛(12 [3%] vs 6 [1%])、下痢(10 [2%] vs 5[1%])など。
結論:
イマチニブ1日400mg服用した患者の98%で、
GIST術後1年間の再発がみられなかった。
by otowelt
| 2009-03-24 05:21
| 肺癌・その他腫瘍