虫垂炎・腸間膜リンパ節炎による20歳以前の虫垂切除は、潰瘍性大腸炎発症を減らす
2009年 04月 05日

かつ虫垂切除されていると
UC発症が減るという論文。
虫垂切除だけではどうやらダメらしい。
Appendicitis, mesenteric lymphadenitis, and subsequent risk of ulcerative colitis: cohort studies in Sweden and Denmark.
BMJ 2009;338:b716
目的:
虫垂切除後、潰瘍性大腸炎のリスクが
軽減することが知られているが、虫垂切除単独
によるものか、虫垂炎・腸間膜リンパ節炎の
発症そのものによるのかを調べた。
デザイン:
スウェーデン・デンマークにおける709353人の患者データを使用。
224483人の炎症性腸疾患の家族歴がある患者において
虫垂切除のリスクを考察。
結果:
虫垂切除された1192人の患者がUCを発症した。
(10.8 per 100000人年)
既存の炎症がなく虫垂切除された患者は、UCのリスクを減らさなかった。
(standardised incidence ratio 1.04, 95%CI 0.95 to 1.15)
20歳になる前に虫垂炎により虫垂切除された場合は、(0.45, 0.39 to 0.53)
あるいは腸間膜リンパ節炎により20歳より前に虫垂炎を切除された場合は、
(0.65,0.46 to 0.90) といった結果であり、明らかなリスク低下と考えられる。

結論:
炎症性腸疾患の家族歴があろうとなかろうと、
20歳以前の虫垂炎あるいは腸間膜リンパ節炎によって虫垂切除された患者は
成人になってからのUC発症率が減る。
虫垂切除単独では、UC発症を減らさない。
by otowelt
| 2009-04-05 02:13
| 内科一般