2010年 04月 03日 ( 2 )

ピルフェニドンはIPFにおいて肺活量低下を防ぐ (phase III 試験)

ピルフェニドン(ピレスパ)はアメリカで発見された新規の抗線維化薬。
創製当初は抗炎症薬として開発が開始されたが、その途上で
炎症モデルとして検討されたイヌ肺感染症モデルにおいて線維化を抑制した。
日本では1998年10月に希少疾病医薬品の指定を受け、
2008年10月に承認され、同年12 月より発売している。
ピルフェニドンはIPFにおいて肺活量低下を防ぐ (phase III 試験)_e0156318_2237309.jpg
作用機序は、図のごとく様々な作用の複合である。

ピレスパのこのphase III試験は以前から知っていたが、
論文化されたのが、このERJということである。

Pirfenidone in idiopathic pulmonary fibrosis
Eur Respir J 2010; 35: 821–829


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、確固たる治療法のない進行性の肺疾患である。

方法:
 多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化第3相試験が日本の
 IPF患者で行われた。
 効果と安全性を検証するため52週以上にわたり投与された。
 275人の患者が、ピルフェニドン高用量1800mg/日、低用量1200mg/日、
 プラセボに1:2:1に割り振られた。267人がその効果を評価された。
 プライマリエンドポイントは、52週での肺活量(VC)の変化、
 セカンダリエンドポイントはPFSとした。

結果:
 プライマリエンドポイントにおいて、肺活量に有意な差が出た。
 プラセボ:-0.16 L、高用量ピルフェニドン:-0.09 L (p=0.0416)
 セカンダリエンドポイントであるPFSにおいても
 有意に差が出た。(p=0.0280)
 副作用である光線過敏症は、多くの患者で重症度は高くなかった。
ピルフェニドンはIPFにおいて肺活量低下を防ぐ (phase III 試験)_e0156318_2232997.jpg

結論:
 ピルフェニドンはIPF患者において認容性があり、
 52週における肺活量減少率を軽減させ、PFSも改善させる。

ピルフェニドンはIPFにおいて肺活量低下を防ぐ (phase III 試験)_e0156318_22422081.jpg
副作用の光線過敏症はサンスクリーンによって
ある程度軽減できることがわかっている。

by otowelt | 2010-04-03 22:32 | びまん性肺疾患

ST合剤によるニューモシスティス肺炎予防はいつからおこなうか

プレドニンを30mg服用開始した患者さんがいたとして、バクタは最初から入れるべき?
それとも全く不要??
プレドニン5mgなら入れないのか、プレドニン1mgなら入れないのか、
フルタイド吸ってるだけなら入れないのか。

●非HIV患者における予防
 プレドニゾロン16mg/日以上、8週間以上の投与でリスクが増加するため
 これを治療開始の目安としてもよい。
      N Eng J Med 2004;350: 2487-98

●厚生労働省免疫疾患の合併症と治療法に関する研究班
 年齢50歳以上で、かつ以下のうちいずれかを満たす場合に予防投与を行う
 1.プレドニゾロン換算1.2mg/kg.day以上
 2.プレドニゾロン換算0.8mg/kg/day以上かつ免疫抑制剤併用時
 3.免疫抑制剤使用中で末梢血リンパ球数500/μL以下
  免疫疾患に合併するニューモシスチス肺炎の予防基準 2004年度報告書

by otowelt | 2010-04-03 16:24 | 感染症全般