2010年 04月 28日 ( 2 )

EML4-ALK陽性肺腺癌

以前も紹介したトピック。
肺癌治療におけるALK阻害薬の可能性
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日本人の非小細胞肺癌の約5%がanaplastic lymphoma kinase(ALK)
融合型癌遺伝子陽性であり、同融合遺伝子は感度良好に同定が可能であり、
今後の肺癌の分子診断法および分子標的治療のターゲットになりうることが
わかっている。先日の呼吸器学会でもALK-Lung Cancer Study Group(ALCAS)
から報告されている。

微小管会合蛋白echinoderm microtubule associated protein-like 4(EML4)と
受容体型チロシンキナーゼanaplastic lymphoma kinase(ALK)が融合した
新しい癌化キナーゼ、EML4-ALKが非小細胞肺癌(NSCLC)の約5%に発現している。
Identification of genotype-correlated sensitivity to selective kinase inhibitors by using high-throughput tumor cell line profiling.
Proc. Natl. Acad. Sci. U S A, 104: 19936-19941, 2007.


呼吸器学会の報告では、EML4-ALK陽性は11人(平均年齢48.2歳、男性4人)で、
全員が腺癌であった。症例数としては、予想通り総症例数の5%に相当していた。
陽性例は陰性例(平均年齢66歳)と比べて年齢が若かった(p=0.004257)。

現在のコンセンサスとしては、
1)若年発症の肺腺癌
2)非喫煙者
3)粘液産生を伴い、腺房状構造を示す低分化腺癌
4)BACパターンが見られない
5)EGFRおよびRAS変異陽性例にはほとんどみられない

以上の特徴をEML4-ALK-adenocarcinomaは有する。
ただ、BACパターンでもEML4-ALK positiveの症例も報告されている。
EML4-ALK lung cancers are characterized by rare other mutations, a TTF-1 cell lineage, an acinar histology, and young onset.
Mod Pathol 2009, 22: 508-515
The EML4-ALK fusion gene is involved in various histologic types of lung cancers from nonsmokers with wild-type EGFR and KRAS. Cancer. 2009 Apr 15;115(8):1723-33.

by otowelt | 2010-04-28 12:19 | 肺癌・その他腫瘍

血清YKL-40レベルは、喘息の急性発作、血清IgEおよび好酸球と関連

キチナーゼは環境的に多糖キチンの豊富な開裂する能力を持ったhydrolaseを
もつファミリーである。
ほ乳類におけるキチナーゼは、Th2細胞由来の炎症に対して重要な役割を
果たすことが知られており、喘息患者の組織で過剰発現が確認されている。

キチンかチキンかワケがわからなくなってくるが、
YKL-40はNEJMにも掲載されているほど重要なトピックである。
NEJMでは、YKL-40の値増加は有意に頻回の吸入回数、
頻回の経口ステロイド使用回数、頻回の入院率が多いという結論に至っている。
Chitinase-like Protein in the Lung and Circulation of Patients with Severe Asthma
NEJM Vol. 357:2016-2027 Nov. 15, 2007 No. 20


YKL-40をコードする遺伝子CHI3L1は、プロモータ領域での-131C->G変異が
YKL-40蛋白の増加および1秒率(FEV1)の悪化と相関している。
これもNEJMより報告されている。
Effect of Variation in CHI3L1 on Serum YKL-40 Level, Risk of Asthma, and Lung Function
NEJM, 358, 1682, 2008


今回はERJからの論文。

背景および方法:
 血清YKL-40が中国人の喘息における急性増悪、血清総IgEレベル、
 血清好酸球値、呼吸機能と相関するかを調べた。
 コントロール群を用いて検討。

結果:
 コントロールおよび安定喘息小児と比べて、
 血清YKL-40レベルは有意に急性増悪で上昇していた。
 同様に、IgEレベル、好酸球値も上昇していた。
 しかしながら、呼吸機能とは関連していなかった。
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結論:
 血清YKL-40レベルは、喘息の急性発作、血清IgEおよび好酸球と関連していた。

by otowelt | 2010-04-28 12:03 | 気管支喘息・COPD