2010年 05月 10日 ( 2 )

ゾメタが骨転移のある肺癌患者で生存期間を延長(第2回ヨーロッパ肺癌会議)

ゾメタのエビデンスは一体どこにあるのか、まず復習したい。

・悪性腫瘍による高カルシウム血症患者におけるカルシウム降下作用
・固形癌骨転移による骨関連事象(病的骨折、骨病変に対する放射線治療、
 骨病変に対する外科的手術、脊髄圧迫)の軽減

               J.Clin.Oncl. 23(15),3314,2005 
               J.Clin.Oncl. 21(16),3150,2003 
               J.Natl.Cancer Inst. 94(19),1458,2002
 

第2回ヨーロッパ肺癌会議で注目を浴びたのは、
Rossella Calderoneらによる、ゾレドロン酸がOSを改善したという報告である。
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方法:
 骨転移のある肺癌患者のなかから、ゾレドロン酸の投与を受けていた49人と
 受けていなかった75人を選び、全生存期間を調べた。
 
結果:
 全員が標準的なプラチナ製剤ベースの化学療法を受けていた。
 OSの中央値は、ゾレドロン酸投与群が34週、非投与群が19週(p=0.01)。
 予後予測因子で調整後もそれぞれ34週と21週で、ゾレドロン酸投与群で
 生存期間が長い傾向が見られた(p=0.06)。

結論:
 症状のある骨転移患者には生存率の観点からもゾレドロン酸を投与すべき。

ディスカッション:
 OS延長が、ゾレドロン酸による化学療法の効果増強によるのか、それとも
 ゾレドロン酸が骨転移に作用した結果なのかは定かではない。
 骨転移のない肺癌患者にも生存利益があるかどうかは不明である。

by otowelt | 2010-05-10 13:14 | 肺癌・その他腫瘍

培養陰性HCAPは、培養陽性HCAPより予後が良い

やや重箱の隅をつつくような臨床試験ではあるが。

A Comparison of Culture-Positive and Culture-Negative Health-Care-Associated Pneumonia
Chest 2010;137;1130-1137


背景:
 この試験の目的は、 培養陰性HCAPおよび培養陽性HCAPにおける
 抗菌薬レジメン、疾患重症度、院内死亡率を調べることである。
 HCAP:health-care-associated pneumonia 介護・医療施設関連肺炎

方法:
 レトロスペクティブコホートスタディ。
 Barnes-Jewish病院において、HCAP症例を調査。

結果:
 870のHCAP患者を用いて、3年間観察。
 431人が培養陽性であった。
 培養陰性患者のうち、66.1%が喀痰などが採取できておらず、
 33.9%が菌の発育がなかったかあるいは口腔内常在菌が増殖した。
 培養陰性患者の方が、CAPの菌をターゲットにした抗菌薬使用ができていた。
 (71.8% vs 25.5%, P <.001)
 培養陽性患者の方が、陰性患者よりもより重症度が大きかった。
 (ICU入室 12.1% vs 48.7%, P< .001; 人工呼吸器: 6.7% vs 44.5%,P<.001)
 院内死亡率および在院日数は培養陰性群の方が少なかった。
 (死亡率: 7.4% vs 24.6%, P< .001;
  在院日数: 6.7 ± 7.4 days vs 12.1 ± 11.7days, P< .001).
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結論:
 培養陰性HCAPの方が培養陽性HCAPよりも重症度や在院日数が少なかった。
 これは培養陽性HCAPと培養陰性HCAPが根本的に異なるものであると考えられる。 

by otowelt | 2010-05-10 12:26 | 感染症全般