2010年 07月 06日 ( 2 )

人工呼吸器を要するCOPD急性増悪に対するST合剤は、シプロフロキサシンに非劣勢

感染症医は、キノロンは安易には使わない傾向にある。
結核菌をにごしてしまう、耐性菌誘導など様々理由があるが…。
ICU settingでは特に初回抗菌薬でキノロン系抗菌薬を使用しない方が
よいのではという報告も最近聞かれる。
そんな中、そのニューキノロンをコントロールアームにおいた臨床試験が
CIDから報告された!(笑)

Standard versus Newer Antibacterial Agents in the Treatment of Severe Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Trial of Trimethoprim‐Sulfamethoxazole versus Ciprofloxacin
Clinical Infectious Diseases 2010;51:143–149


背景:
 COPD急性増悪における抗菌薬使用は広く受け入れられているが、
 その選択とアウトカムに関しては議論の余地がある。
 われわれの目的は、ST合剤とシプロフロキサシンを
 人工呼吸器を要するCOPD急性増悪において比較することである。

方法:
 ランダム化二重盲検試験で、170人のCOPD急性増悪のうち
 人工呼吸を要するような重症患者を登録した。
 85人がST合剤、85人がシプロフロキサシンの治療を10日間続けた。
 メインアウトカムは、院内死亡と追加抗菌薬の投与必要性とした。
 セカンダリアウトカムは、人工呼吸器期間、在院日数、COPD無増悪期間とした。

結果:
 院内死亡と追加抗菌薬の投与必要性に関しては、2群とも同等
 (ST:16.4% vs CPFX:15.3%;difference,1.1%;95%CI−9.8%~12.0%;P=.832)
 院内死亡はST群で7人(8.2%)みられ、CPFX群で8人(9.4%)みられた。
 追加抗菌薬の使用に関しては、ST群で8人、CPFX群で5人であった
 (difference, 2.3%; 95% CI, −5.4 ~10.0; P=.549)。
 平均のCOPD無増悪期間は両群とも同等(ST:83 ± 25 vs CPFX:79 ± 22;
 difference, 4 days; 95% CI, −15~19 days; P=.41)。
 人工呼吸器期間、在院日数に関しては有意差がみられなかった。

結論:
 人工呼吸器を要するCOPD急性増悪患者において、ST合剤の効果は
 シプロフロキサシンに非劣勢である。

by otowelt | 2010-07-06 09:29 | 感染症全般

EBUS-TBNAにおける菌血症を含めた感染性合併症は問題ない範囲

EBUS-TBNAはリンパ節を刺すのだが、
肺動脈を刺さないかヒヤっとすることがしばしばある。
そんな背景もあってか、菌血症について調べた論文がERJから出た。
・・・・なんか、EBUS-TBNA関連の論文ってすぐにアクセプトされている気がする。

Incidence of bacteraemia following endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration
Eur Respir J 2010; 36: 28–32


背景:
 EBUS-TBNAの手技に基づく感染性合併症についてはいくつか報告がある。
 EBUS-TBNAに関連した菌血症および感染性合併症の頻度について
 プロスペクティブに評価する。

方法:
 EBUS-TBNAを縦隔リンパ節および肺門リンパ節診断のために受けた患者を登録。
 血液培養がTBNA後60秒以内に行われた。
 TBNA針は生食で洗浄され、これも培養にかけられた。
 血液培養陽性患者はすぐさま解析され、またEBUS-TBNA1週間以内に
 すべての患者において解析された。

結果:
 43人の患者がEBUS-TBNAがおこなわれ、菌血症は7%に認められた。
 すべての細菌は、口腔咽頭の常在菌であった。
 TBNA針洗浄培養は、35%で陽性であった。
 菌血症に陥った患者は、臨床症状はみられず、その他の合併症も観察されなかった。

結論:
 EBUS-TBNAにおける菌血症は、通常の気管支鏡と変わりない。
 血液培養もTBNA針洗浄培養も、口腔咽頭の常在菌が検出されたが
 臨床的に感染症症状は認められなかった。

by otowelt | 2010-07-06 00:30 | 気管支鏡