2010年 08月 07日 ( 2 )

TAK-242は敗血症においてサイトカインレベルおよび28日死亡率を統計学的には改善しない

2009年2月武田薬品が、敗血症治療薬TAK-242の臨床試験中止を発表している。
感染症が好きなドクjターの間では有名な話だが、
別に安全性や効果に問題があったワケではなく、
利潤が得られそうにないとの上層部の判断であった。
つまり、臨床試験が長引いたあとに承認に漕ぎつけたとしても、
特許切れまでにつぎ込んだ資金を回収しきれないとの判断である。

Crit Care MedからTAK-242についてのランダム化比較試験の論文が出たが、
大量資金投入をコマーシャルベースで行うには微妙な結果である。

TAK-242はToll-like Receptor4(TLR4)を介した情報伝達を阻害することで、
サイトカインなどの炎症メディエーターの産生を抑制することで威力を発揮する。

A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of TAK-242 for the treatment of severe sepsis
Critical Care Medicine 38(8), August 2010, pp 1685-1694


目的および方法:
 TAK-242が28日死亡率をsevere sepsisで改善するかどうか検証。
 ランダム化二重盲検プラセボ対照試験。
 合計274人のsevere sepsis、ショックあるいは呼吸不全の患者を登録。
 30分のローディングののち96時間の持続注射を行う、
 TAK-242は1.2 mg/kg/dayあるいは2.4 mg/kg/dayとした。

結果:
 薬学的プライマリエンドポイントは、血清IL-6レベルの変化とした。
 28日死亡率は臨床的なプライマリエンドポイントとした。
 試験はTAK-242がIL-6レベルをおさえるのに効果がないと判断された場合に
 終了とした。274症例がこの試験にランダムに割り付けされた。
 TAK-242は血清IL-6レベルを統計学的に有意には抑制しなかった。
 28日死亡率はプラセボで24%、低用量TAK-242群で22%、高用量TAK-242群で
 17%であった。これも統計学的に有意ではなかった。
 TAK-242は用量に応じてメトヘモグロビン増加をうながした。
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結論:
 TAK-242はsevere sepsisあるいはショックか呼吸不全の患者において
 サイトカインレベルを抑制しない。TAK-242による治療は
 メトヘモグロビンを増加させるが、容認できるレベルではある。
 高用量TAK-242群でやや死亡率が低下したが、統計学的には有意ではない。

by otowelt | 2010-08-07 08:55 | 集中治療

首吊り自殺未遂者は、再自殺に成功しやすい

救急で搬送される患者の自殺未遂はほとんどOD(オーバードーズ)か飛び降り
だった記憶がある。首吊り自殺は搬送されずに死亡確認されることが多いが、
救急車でそういった患者が搬送されて救命できた場合、
自殺完遂を防ぐ手立てを講じる必要があると考えられる。

Method of attempted suicide as predictor of subsequent successful suicide: national long term cohort study
BMJ 2010;340:c3222


背景:
 未遂の自殺方法とその後の自殺既遂リスクの関連を検討するため、
 21年~31年のフォローアップによる長期コホート研究を実施した。

方法:
 1973~1982年の入院患者のうち過去に自殺未遂歴のある48649人について、
 1973~2003年までの自殺既遂状況を調査。

結果:
 期間中に5740人(12%)が自殺。
 アウトカムが最も不良だったのは、以前未遂に終わった自殺の方法が
 首つり、絞首、窒息の自殺者であった。これらの群の男性:54%、女性:57%が
 その後の自殺に成功しており、そのうちの87%は自殺未遂後1年以内に目標を達成。
 (HR6.2, 95%CI 5.5 to 6.9)
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結論:
 自殺成功者のほとんどが、未遂に終わった自殺の方法と同じ方法で死亡した。
 首つり、絞首、窒息の自殺者の次回自殺成功率は高い。

by otowelt | 2010-08-07 00:19 | 内科一般