2011年 01月 06日 ( 2 )

アレルギー性喘息患者にオマリズマブを加えることの安全性についてのシステマティックレビュー

難治性喘息患者が多いので、ゾレアはたまに処方する。
FDA、6-11歳小児への使用を承認すべきでないとしている。
・Treatment of childhood asthma with anti-immunoglobulin E antibody (omalizumab). Pediatrics. 2001 ; 108 (2): E36.
・Omalizumab for the treatment of exacerbations in children with inadequately controlled allergic (IgE-mediated) asthma. J Allergy Clin Immunol. 2009 ; 124 (6): 1210 - 1216.


CHESTから、小児から成人までを含んだシステマティックレビュー。

Effi cacy and Safety of Subcutaneous Omalizumab vs Placebo as Add-on Therapy to Corticosteroids for Children and Adults With Asthma.A Systematic Review
CHEST 2011; 139(1):28–35


背景:
 オマリズマブは、重症のアレルギー性喘息において使用される
 ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体である。マリズマブは免疫に作用する薬剤であるため
 その安全性については注目されてきた。

方法:
 オマリズマブの皮下注をステロイド治療に加えることの安全性について
 プラセボと比較した臨床試験のシステマティックレビューを作成する。
 このレビューのプライマリアウトカムは、喘息発作におけるステロイド使用の減少とする。
 セカンダリアウトカムは、呼吸機能、レスキュー屯服使用、喘息症状、健康関連QOL、
 副作用とする。

結果:
 8の臨床試験、3428の参加者が選択基準に該当した。
 ステロイドを減量する過程において、プラセボと比べると
 オマリズマブ群はより完全な形で減量をおこなうことができた。
 (relative risk [RR] =1.80; 95% CI,1.42-2.28; P= .00001)
 オマリズマブを使用した患者は安定期後の喘息発作のリスクを減らし
 (RR=0.57; 95% CI, 0.48-0.66; P=.0001)
 ステロイド調整中においてもそのリスクを減らした
 (RR=0.55; 95% CI, 0.47-0.64; P=.0001)。
 post-hoc検定では、この効果は治療期間や年齢、喘息重症度、バイアスリスクとは
 独立していた。重篤な副作用の頻度は両群とも同等であった(3.8% vs 5.3%)。
 しかしながら、注射部位の反応は、オマリズマブ群で有意に多かった
 (19.9% vs 13.2%)。
アレルギー性喘息患者にオマリズマブを加えることの安全性についてのシステマティックレビュー_e0156318_12595026.jpg

結論:
 中等症から重症のアレルギー性喘息患者においてオマリズマブを
 加えることの安全性は容認できる。

by otowelt | 2011-01-06 13:00 | 気管支喘息・COPD

トリプルネガティブの転移性乳癌におけるPARP阻害薬:iniparib

この間のESMOで発表された、トリプルネガティブの転移性乳癌に対する
PARP阻害薬のphase II試験結果がNEJMから発表された。
OS改善の達成が評価されたためだと思われる。

Iniparib plus Chemotherapy in Metastatic Triple-Negative Breast Cancer
N Eng J Med; 2011: January 5, 1-10


背景:
 トリプルネガティブの乳癌はDNA修復に内在する問題があり、
 PARP阻害薬は論理的に効果があると思われる薬剤である。

方法:
 このphaseII試験は、転移性トリプルネガティブ乳癌患者123人を対象に、
 ゲムシタビンとカルボプラチンのみを投与する群(G/C群)と、
 ゲムシタビンとカルボプラチンに、iniparibを投与する群(iniparib併用群)に
 ランダムに割り付けた。21日おきに、ゲムシタビン1000mg /m2と
 カルボプラチンAUC=2を第1日と第8日に投与し、iniparib群にはiniparibを
 第1日と第4日、第8日、第11日に5.6mg/kgを投与。

結果:
 ITT解析で奏効率はG/C群が32.3%、iniparib併用群は52.5%(p=0.023)、
 臨床的ベネフィット:CR+PR+6カ月以上のSD、はG/C群は33.9%であったが、
 iniparib併用群では55.7%だった(p=0.015)。またITT解析でPFS中央値は、
 G/C群が3.6カ月(95%CI2.6-5.2)、iniparib併用群は5.9カ月(95%CI4.5-7.2)
 で、HR0.59(95%CI0.39-0.90、p=0.012)。
 OS中央値は、G/C群が7.7ヶ月(95%CI6.5-13.3)であるのに対し、 
 iniparib併用群では12.3ヶ月(95%CI9.8-21.5)と、5ヶ月の延長が認められた。
 HR0.57(95%CI0.36-0.90、p=0.014)。
 2群とも新たな副作用はなかった。主なグレード3/4の有害事象は、
 好中球減少、血小板減少、貧血、白血球減少、疲労、下痢、吐き気、嘔吐。
 G/C群の27%、iniparib併用群の14%は有害事象のため治療を中止。
トリプルネガティブの転移性乳癌におけるPARP阻害薬:iniparib_e0156318_12185382.jpg

結論:
 トリプルネガティブの転移性乳癌において
 ゲムシタビンとカルボプラチンに、iniparibを併用するとOSが延長する。

by otowelt | 2011-01-06 06:24 | 肺癌・その他腫瘍