2011年 04月 02日 ( 2 )

126人の慢性肺アスペルギルス症患者に同定した肺の基礎疾患

肺の基礎疾患によって慢性アスペルギルス感染症が起こることはよく
知られているが、126人の患者における頻度を記したスタディ。

Underlying conditions in chronic pulmonary aspergillosis including simple aspergilloma
Eur Respir J 2011; 37: 865–872


背景:
 慢性肺アスペルギルス症(CPA)は、非免疫不全の固体に普遍的に起こりうる
 A.fumigatus感染症である。さまざまな肺基礎疾患がCPAに関連する。

方法:
 イギリス全土からわれわれの第三次紹介外来へこられたCPA患者126人の
 臨床録からデータを抽出した。基礎疾患が解析された。
 複数の基礎疾患がある場合、最も関与すると思われる病状のものを
 1つ登録することとした。

結果:
 多くの患者が複数の基礎疾患を有していた。 
 合計232の基礎疾患が126の患者に同定された。
 肺結核・非結核性抗酸菌症の過去の既往が
 もっともよくみられた基礎疾患であった(ぞれぞれ15.3%、14.9%)。
 他の基礎疾患として、ABPA、COPD・気腫、気胸歴、肺癌治療歴など。
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結論:
 結核、非結核性抗酸菌症、ABPAはCPAの優位なリスクであり
 COPD、気胸歴、肺癌治療歴はわれわれの紹介外来では頻度がやや高かった。
 呼吸器疾患を有する患者において、上葉の空洞性病変や線維化病変が
 みられる場合にはCPAを考える必要がある。

by otowelt | 2011-04-02 23:09 | 感染症全般

喫煙は29~39%がCOPDの新規発症と関連する

COPDの疫学的研究。

Risk Factors for Chronic Obstructive Pulmonary Disease in a European Cohort of Young Adults
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 891–897, 2011


背景:
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発症の因子に関する研究は少ない。

目的:
 われわれは、若年成人に対して呼吸機能検査を用いた
 国際コホート試験を実施しCOPDの危険因子を同定いsた。

方法:
 the European Community Respiratory Health Surveyを用いて
 4636人の喘息のない成人で気管支拡張薬使用前のFEV1/FVCを
 測定した1991年~1993年(当時20~44歳)の患者を
 1999年~2002年に解析したスタディである。
 COPDは国際的な基準に鑑みてFEV1/FVCが0.70未満と定義した。
 また、Quanjer and LuftiBus reference equations
 においてFEV1/FVC <正常下限とした。
 COPDの決定因子は、2レベルのPossin回帰モデルを用いて解析された。

結果:
 COPDの頻度は、Quanjer基準で1.85症例/人年、
 global initiative基準で2.88症例/人年であった。
 半数の症例において20pack-yearsを下回った喫煙歴であったが
 喫煙そのものはCOPDの主たるリスクであり、
 フォローアップ中新規発症は29~39%にのぼった。
 気道過敏性は2つ目の強い危険因子であった(15–17% of new cases)。
 他の決定因子として、小児期の家族の喘息歴、性別・年齢・過小体重。

結論:
 COPDは人生の早期の段階で起こりうる。
 喫煙予防は、COPD発症を減らすためには最も優先度が高い。また、
 気道過敏性、家族の喘息、小児期の気道感染はCOPD発症に関与する。
 呼吸機能検査のみで単独的にCOPDを定義するものではないと
 わたしたちは考える。

by otowelt | 2011-04-02 22:13 | 気管支喘息・COPD