2011年 04月 11日 ( 2 )

EPIC II試験における、Candida血流感染の疫学的論文

EPIC II試験におけるCandida血流感染の疫学的見地からの論文。
1000患者あたり6.9症例、粗死亡率42.6%。

Candida bloodstream infections in intensive care units: Analysis of the extended prevalence of infection in intensive care unit study
Crit Care Med 2011; 39:665–670


目的:
 現時点での、ICUにおける世界的なCandida血流感染症の頻度、治療、アウトカムを
 このスタディによって提供し、細菌性血流感染と比較すること。
 
デザイン:
 EPICII試験におけるレトロスペクティブ解析である。
 (the Extended Prevalence of Infection in the ICU Study (EPIC II))
 臨床所見、感染関連データ、治療データなどが集められた。
 患者は、血流感染においてCandida感染があるグループ、
 Gram陽性菌感染があるグループ、Gram陰性菌感染があるグループ、
 Candidaと細菌感染があるグループに分けられた。アウトカムは
 ICU退室および退院で評価された。
 EPICII試験に登録された、76ヶ国1265のICUでおこなわれた。

結果:
 EPICII試験の14414人の患者のうち、99人がCandida血流感染を有していた
 (6.9 per 1000 patients)。61人の患者がCandida血症単独で、38人が
 混合感染であった。Candida albicans (n = 70)が最もよくみられた。
 初期治療として、単剤のフルコナゾール(n = 39)、カスポファンギン(n = 16)、
 ポリエン系 (n = 12)が投与され、併用療法は10人が受けていた。
 Gram陽性菌血流感染(n = 420)およびGram陰性菌血流感染(n = 264)と
 比べると、Candida血症の患者は固形癌を有する傾向にあった(p < .05)。
 また、ICUに長期に滞在していた傾向にもあった
 (Candida:14 days [range, 5–25 days],
 GPC:8 days [range, 3–20 days], GNR:10 days [range, 2–23 days])。
 しかしながら、これらの差は統計学的に有意ではなかった。
 疾患重症度や臓器不全スコアは同等であった。
 Candida血流感染のある患者は、Gram陽性菌・陰性菌感染のある患者と
 比較すると、粗死亡率はそれぞれ
 42.6%, 25.3%, 29.1%であったが、有意差はみられなかった。
 平均ICU在室日数は、上記それぞれ33days [18–44], 20 days [9–43],
 21 days [8–46]であった。これも有意差なし。
EPIC II試験における、Candida血流感染の疫学的論文_e0156318_11494598.jpg
結論:
 Candida血症は、ICUにおいていまだに重要な問題である。
 EPIC II 試験において、Candida albicansがCandida血流感染で
 最も頻度が高く、フルコナゾールが最もよく使われる抗真菌薬である。
 Candida血流感染症は、ICU・院内死亡率の高さと関連している。

by otowelt | 2011-04-11 11:57 | 感染症全般

NSCLCのN1切除症例で、LN転移比率が高いほど予後不良

Lymph node ratio as a prognostic factor in elderly patients with pathological N1 non-small cell lung cancer
Thorax 2011;66:287-293


背景:
 リンパ節(LN)転移は、非小細胞肺癌(NSCLC)の重要な予後予測因子
 である。しかしながら、N1におけるLN転移の広がりがどの程度予後に
 関連するかはわかっていない。

方法:
 the Surveillance, Epidemiology and End Results-Medicareデータベースを
 用いて1682人の切除N1-NSCLCを1992年から2005年まで検証。
 悪性所見が陽性のLNをカウントし、その陽性比率を3グループにわけた。
 LNR:≦0.15、0.16-0.5、>0.5。
 肺癌特異的生存率および、OSがKaplan-Meier曲線を用いて
 この3群間で比較された。LNRと生存の関連を
 Cox回帰分析を用いて評価した。

結果:
 肺癌特異的生存およびOSは、LNRが高い患者において
 低かった(p<0.0001 for both comparisons)。
 肺癌特異的生存の中央値は、LNR≦0.15で47ヶ月、
 0.16-0.5で37ヶ月、>0.5で21ヶ月であった。
NSCLCのN1切除症例で、LN転移比率が高いほど予後不良_e0156318_9335123.jpg
 結論:
 NSCLCのN1切除症例において、LN転移比率が高いほど
 予後不良となる。このスタディは、切除後再発の予測に重要な
 情報となるであろう。

by otowelt | 2011-04-11 06:34 | 肺癌・その他腫瘍