2011年 04月 20日 ( 2 )

進行NSCLCにおけるcirculating tumor cellは生存における予後予測因子

肺癌におけるcirculating tumor cellのスタディ。

Evaluation and Prognostic Significance of Circulating Tumor Cells in Patients With Non–Small-Cell Lung Cancer
JCO April 20, 2011 vol. 29 no. 12 1556-1563


目的:
 肺癌は、癌関連死の中で世界的にも第一位である。
 非小細胞肺癌(NSCLC)の治療反応を推定するバイオマーカーは不足している。
 このスタディは、循環腫瘍細胞circulating tumor cells (CTCs)が
 NSCLC患者において同定されていることから、これらが予後情報あるいは
 従来の治療に反応する患者の適応などに情報をもたらすかもしれない。

患者および方法:
 単施設プロスペクティブ試験であり、101人の未治療III期~IV期の
 NSCLC患者の血液サンプルを採取して
 ファーストライン治療前後のCTCを解析した。CTCは
 抗上皮接着分子(epithelial cell adhesion molecule;EpCAM)を
 用いた免疫磁気的手法によって半自動的に測定された。

結果:
 7.5mlあたりの血液中におけるCTCの数は、IV期NSCLC患者
 (n=60; range,0 to 146)の方がIIIB期(n=27; range, 0 to 3)、
 IIIA期(n=14; no CTCs detected)よりも高かった。
 単変量解析において、CTCが5未満と5以上において
 PFSはそれぞれ6.8ヶ月 v 2.4ヶ月(P<.001)であり、OSは
 ぞれぞれ8.1ヶ月 v 4.3ヶ月(P<.001)であった。
 多変量解析においてCTCの数は強いOS予測因子であった
 (HR 7.92; 95% CI, 2.85 to 22.01; P<.001)。
 ※上記のPFS、OSはいずれも治療前
 一方、治療後のCTCサンプルを加えて計算したtime point HRは
 (HR, 15.65; 95% CI, 3.63 to 67.53; P<.001)であった。
進行NSCLCにおけるcirculating tumor cellは生存における予後予測因子_e0156318_1392740.jpg
結論:
 IV期のNSCLC患者におけるCTCの同定は、新しい予後予測因子である。

by otowelt | 2011-04-20 13:14 | 肺癌・その他腫瘍

チアゾリジン系治療薬は2型糖尿病患者における肺炎・下気道感染のリスクを上昇させる

アクトスとアバンディアの話。
心不全や骨折、肺炎とあまりいい試験が出ないのがかわいそうだが…。
劇的な報告でもないので、あまり興味はない。

Long-term use of thiazolidinediones and the associated risk of pneumonia or lower respiratory tract infection: systematic review and meta-analysis
Thorax 2011;66:383e388


概要:
 PPAR:peroxisome proliferator-activated receptorアゴニスト
 であるrosiglitazoneとpioglitazoneは、グルココルチコイド受容体を活性化
 させ、インスリン抵抗性を改善させる薬剤である。
 筆者は、肺炎および下気道感染のチアゾリヂン系治療薬によるリスクについて
 システマティックに調査した。MEDLINE, EMBASEなどを用いた検索。

結果:
 13の試験(n=17627、8163人がチアゾリンジン系、9464人がコントロール群)
 が登録された。期間は1~5.5年。チアゾリジン系治療薬は
 有意に肺炎および下気道感染のリスクを上昇させた
 (n=130/8163 vs 100/9464; RR 1.40;
 95% CI 1.08 to1.82; p=0.01; I2¼0%)。また、重症な肺炎および
 下気道感染も同様であった(n=111/7391 vs 87/8692;
 RR 1.39; 95% CI 1.05 to 1.83; p=0.02; I2=0%)。
チアゾリジン系治療薬は2型糖尿病患者における肺炎・下気道感染のリスクを上昇させる_e0156318_10523224.jpg
結論:
 長期的なチアゾリジン使用は、肺炎あるいは下気道感染の
 リスクを2型糖尿病患者において上昇させる。

by otowelt | 2011-04-20 07:40 | 感染症全般