2011年 06月 08日 ( 4 )

ASCO2011:ALK阻害剤naiiveのALK陽性はOS不良

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Comparative analyses of overall survival of anaplastic lymphoma kinase (ALK)–positive advanced non-small cell lung cancer (NSCLC) patients who did not receive ALK inhibitors.

方法:
 Seoul National University Hospitalのデータベースから、
 2003年1月から2009年1月までのIIIB/IVのnon-SqであるNSCLC
 1100人を抽出。そのうち、EGFR変異がない患者、あるいは
 EGFR-TKIに無効である患者257を登録した。
 また、1100人からALK陽性か否かをFISH法により同定したところ、
 ALK阻害剤を投与されていないALK陽性患者が22人おり、これも登録。
 診断時年齢、性別、病期をマッチングし
 ALK陽性患者1人に対して、EGFR変異陽性患者2人、ALK/EGFR wild type
 患者2人を割りつけた。ALK阻害薬を投与された患者は一人もいない。
 ※レトロスペクティブ試験。

結果:
 診断時年齢の中央値はALK陽性群(22人)が47.9歳、EFGR陽性群(44人)
 が51.3歳、ALK/EGFR wild type群(44人)が52.4歳。
 1st line治療のRRは、それぞれ30.0%、28.1%、35.3%で、
 EGFR-TKIのRRは0%、80.0%、8.3%。
 OS中央値は、ALK陽性群が10.37ヶ月、EGFR変異陽性群が28.03ヶ月、
 wild type群が14.53ヶ月と、EGFR変異陽性群はALK陽性群に比べて
 OSが有意に長かった(p=0.012)。PFSについてはそれぞれ差がなかった。
 しかし、EGFR-TKIによるPFS中央値は1.37ヶ月、10.70ヶ月、2.03ヶ月で
 EGFR陽性群もwild type群もALK陽性群に比べて有意に延長した。

結論:
 ALK阻害剤naiiveのALK陽性はOS不良である。

by otowelt | 2011-06-08 12:55 | 肺癌・その他腫瘍

ASCO2011:ALK陽性NSCLCにおいてcrizotinibはnaiive患者と比較してもOSは良好

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Impact of crizotinib on survival in patients with advanced, ALK-positive NSCLC compared with historical controls.

方法:
 crizotinibの大規模phase I試験の参加施設で
 セカンドライン治療を受けたもののcrizotinibは投与されなかった
 ALK陽性であるNSCLC患者(ALTコントロール)と、
 ALK陰性かつEGFR wild typeのNSCLC患者の両者を
 historical control groupとして再登録し、ALK陽性NSCLC患者の
 臨床アウトカムと比較。

結果:
 2nd-3rd治療としてcrizotinibを投与したALK陽性NSCLC患者
 30人(ALT-crizotinib arm)のOS中央値は到達しなかったものの、
 1年全生存率が70%、2年全生存率55%であった。
 ALTコントロール23人ではOS中央値が6ヶ月、1年生存率44%、
 2年生存率12%、wild type control125人においては
 OS中央値11ヶ月、1年生存率47%、2年生存率32%だった。
 OSについて、ALT-crizotinib armとALTコントロールarmを比較した
 HRは0.36(p=0.004)で、ALTコントロールとwild type controlを
 総合してALT-crizotinib armと比較した場合HRは0.49(p=0.02)で、
 すなわちALT-crizotinib armが有意によかったということになる。

結論:
 ALK陽性NSCLCにおいてcrizotinibは、historical controlである
 crizotinib-naiive患者よりもOSが高いことが証明された。

by otowelt | 2011-06-08 12:44 | 肺癌・その他腫瘍

ASCO2011:タキサン関連神経症状の出現時間に複数のSNPが関連

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Genetic associations with taxane-induced neuropathy by a genome-wide association study (GWAS) in E5103.

背景:
 乳癌におけるE5103試験に登録した患者で解析をおこなった。
 合計2204人の患者での解析で、おそらくはSNPsが
 grade2-4の神経症状が出現するまでの時間に関連しているであろうとの
 仮説のもとでの検証である。

結果:
 合計613人が神経症状を発症した。
 神経症状を予測する有意な因子として、
 年齢(12.9% increase with each 10yrs; p=0.004)、
 African American race (HR=2.1; p=4.5 ×10^-11)、
 Six SNPs with MAF>5%(p<5×10^-7)があった。
 これらのSNPsは2遺伝子に存在していた:RWDD3 、TECTA。
 RWDD3におけるミスセンスSNPは15ヶ月後の神経症の尤度に関連。
 (27% for patients with homozygous wild-type, 40% for heterozygous,
 60% homozygous variant)。
 TECTA SNPも同様に15ヶ月後の神経症の尤度に関連
 (29% for homozygous wild-type, 32% for heterozygous,
  57% for homozygous variant)。
ASCO2011:タキサン関連神経症状の出現時間に複数のSNPが関連_e0156318_917382.jpg
結論:
 ゲノムワイドアプローチにより、パクリタキセル治療を受けた患者において
 神経症状が出現するまでの時間に、いくつかのSNPsが関連しているとわかった。
 これは、タキサン関連神経症に対するゲノム予測バイオマーカーとしては
 最初の報告である。

by otowelt | 2011-06-08 09:17 | 肺癌・その他腫瘍

悪性胸水におけるrapid pleurodesisの有用性

今月のCHESTは出版がいつもより遅かった。
"rapid pleurodesis"というのは、早期におこなうという意味ではなく
"迅速な"という意味合いである。

Rapid Pleurodesis for Malignant Pleural Effusions.A Pilot Study
CHEST 2011; 139(6):1419–1423


背景:
 悪性胸水貯留(MPEs)は、アメリカにおいて15万人もの人々に影響を与えている。
 現在の緩和的オプションとして、胸膜癒着術や胸腔ドレナージがある。
 このスタディは、症状のあるMPE患者において内科的胸腔鏡下にタルクによる
 胸膜癒着を行いトンネル下胸腔カテーテル(TPC)の同時留置をおこなう
 胸膜癒着プロトコールをおこなうことの安全性、効果、
 実現可能性を調べたものである。
 
方法:
 再発性の症状のあるMPE患者において、内科的胸腔鏡によりTPC留置とタルク
 散布をおこなった。TPCは、排液が150ml/日未満になるまでドレナージされ、
 基本的にその後は抜去された。患者は6ヵ月フォローアップされた。
 ※TPC:PleurX; CareFusion; McGaw Park,Illinois
  タルク:5g

結果:
 2005年10月から2009年9月まで30人の患者がこの処置を受けた。
 処置終了後の入院日数中央値は1.79日であった。全ての患者は
 呼吸困難とQOLの改善がみられた。胸膜癒着術は92%の患者で成功し、
 TPCは中央値で7.54日で抜去された。合併症は2人に発熱がみられたこと、
 1人でTPC再留置が必要であったこと、1人に膿胸がみられたことであった。

結論:
 内科的胸腔鏡を用いておこなうタルク散布とTPC留置による
 早期の胸膜癒着プロトコールは実現可能である。
 入院日数およびTPC留置期間は、従来よりも
 有意に減らすことができるだろう。
 ランダム化試験でこの結果が明らかになるだろう。

by otowelt | 2011-06-08 05:29 | 肺癌・その他腫瘍