2011年 07月 05日 ( 2 )

CRP4.8で、感度・特異度90%以上で肺炎と喘息・COPDの鑑別が可能

CRP4.8で区切ると、感度・特異度90%くらいで肺炎と喘息・COPDの
区別ができるんだよ!なんて研修医に教えるには
少々スタディの質が粗い気がするが・・・。

Procalcitonin and C-Reactive Protein in Hospitalized Adult Patients With Community-Acquired Pneumonia or Exacerbation of Asthma or COPD
CHEST 2011; 139(6):1410–1418


背景:
 呼吸器疾患における抗菌薬の過度の投与はよくみられ、
 これによって耐性菌が増え院内感染を助長している。
 細菌感染を同定するバイオマーカーがあれば、抗菌薬処方が
 減らせるかもしれない。われわれは、CRPを肺炎と喘息・COPDの急性増悪の
 鑑別にしようできないか検討した。

方法:
 市中肺炎と診断された患者、喘息あるいはCOPD急性増悪と
 診断された患者が登録された。臨床的データなどが採取された。
 プロカルシトニン、CRPが測定された。

結果:
 62人の肺炎、96人の喘息、161人のCOPD患者が登録された。
 血清プロカルシトニン、CRPは強く相関しており
 (Spearman rank correlation coeffi cient [rs] =0.56, P< .001)、
 肺炎患者においてプロカルシトニンとCRPが有意に増加していた
 (median [interquartile range] 1.27 ng/mL [2.36], 191 mg/L [159])
 喘息では(0.03 ng/mL [0.04], 9 mg/L [21])、
 COPDでは(0.05 ng/mL [0.06], 16 mg/L [34])であった。
 肺炎と喘息・COPDの急性増悪と区別するための
 ROC曲線下面積(95% CI)は、プロカルシトニン、CRPでそれぞれ
 0.93 (0.88-0.98) 、0.96 (0.93-1.00)であった。
 CRPが>48 mg/Lのとき、感度91%(95% CI, 80%-97%)、
 特異度93% (95% CI, 86%-98%)で肺炎と喘息・COPDを区別できる。
e0156318_2346136.jpg
結論:
 プロカルシトニンとCRPは肺炎と喘息・COPD増悪とを区別するために
 有用である。CRPレベルを参考にすることで、抗菌薬処方を減らすことが
 できるかもしれない。

by otowelt | 2011-07-05 23:44 | 感染症全般

成人癌患者において非PICC中心静脈カテーテルはBSIを増加させる

現場では肘静脈からグローションカテーテルを
挿入することが多いため、BSI発生率については
なんとなくPICCのほうが多いような気もしている。

Catheter-associated bloodstream infection incidence and risk factors in adults with cancer: a prospective cohort study
Journal of Hospital Infection (2011) 78, 26-30


背景:
 中心静脈カテーテル関連血流感染症(CABSI)は
 癌患者の合併症を著しく増加させる。中心静脈カテーテルが
 必用である血液・腫瘍部門の成人患者を対象として
 プロスペクティブコホート観察研究を実施。

方法:
 CABSI発生率とリスク因子の評価を施行。
 中心静脈カテーテル挿入は、インターベンショナルラジオロジー
 専門施設の熟練した技師が超音波ガイド下で挿入。
 患者727人の合計1127の中心静脈カテーテルを
 51514ライン・日にわたって評価した。
 
結果:
 CABSI発生率は1000ライン・日あたり2.50件。
 CABSI に関連する因子は、中心静脈カテーテルタイプ
 (PICCと比較して、非トンネル型はHR3.50、P <0.0001、
 トンネル型ラインはHR1.77、P=0.011。中~高悪性度
 血液悪性腫瘍もリスクが高くHR3.17、P = 0.0007であり、
 食道癌、結腸癌、直腸癌は低リスクだった。
 中~高悪性度血液悪性腫瘍の患者において、PICCと比較して、
 非トンネル型でCABSIリスクが有意に多く(HR3.9、P<0.001)、
 右側に挿入した場合のほうがリスクが高かった(HR1.62、P=0.047)。

結論:
 成人癌患者に対してCABSI発生率は非PICCカテーテルで
 上昇する可能性がある。

by otowelt | 2011-07-05 06:52 | 感染症全般