2011年 07月 06日 ( 2 )

肺癌化学療法後における間質性肺疾患の急性増悪はUIPパターンに起こりやすい

ILDのタイプでどれが一番急性増悪をきたしやすいかといえば、
呼吸器内科医は全員UIP/Pと答えると思うのだが、
それを検証した静岡がんセンターからの論文。

The Risk of Cytotoxic Chemotherapy-Related Exacerbation of Interstitial Lung Disease with Lung Cancer
Journal of Thoracic Oncology: July 2011 - Volume 6 - Issue 7 - pp 1242-1246


背景:
 どの間質性肺疾患(ILD)の型が、化学療法によるILD急性増悪をきたす
 ハイリスクとなるかはよくわかっていない。
 我々は、ILDのある肺癌患者においてILD急性増悪のリスクについて検証した。

方法:
 cytotoxicな化学療法を受けた109人のILDを有する肺癌患者を
 レトロスペクティブに検証。
 静岡がんセンター:2002年8月から2010年4月まで
 
結果:
 治療前CTにおいて、69人(63%)がUIPパターンと診断され
 40人(37%)がnon-UIPパターンと診断された。
 UIPパターンの患者は、cytotoxic化学療法関連ILD急性増悪を
 non-UIPパターンの患者に比べて高頻度に起こした
 (30 versus 8%, p = 0.005)。
 Grade5の肺毒性は、UIPパターンの9%、non-UIPパターンの3%。
 多変量解析において、70歳未満の年齢、CTにおけるUIPパターンは
 この急性増悪の独立危険因子であった。
 小細胞肺癌において、初回治療からのOSはUIPパターンにおいて
 non-UIPパターンより短い傾向にあった
 (median OS: 9 versus 16 months, p = 0.0475)。
 しかしながら、非小細胞肺癌においては統計学的な差はみられなかった
 (median OS: 12 versus 9 months, p = 0.2529)。

結論:
 肺癌患者における抗癌剤後のILD急性増悪は、non-UIPパターンよりは
 UIPパターンにおいて起こしやすい。そのため、UIPパターンを有する
 肺癌患者への化学療法は細心の注意を払うべきである。
 

by otowelt | 2011-07-06 13:20 | 肺癌・その他腫瘍

固形燃料の使用は結核発症と関連するかもしれない

単変量解析で差が出た論文。

Exposure to combustion of solid fuel and tuberculosis: a matched case–control study
Eur Respir J 2011; 38: 132–138


背景および方法:
 このスタディは、ベナン共和国においておこなわれた
 固形燃料の燃焼曝露と結核との関連を調べたものである。
 連続症例で、喀痰塗沫陽性であった結核患者で
 前治療歴がないものを登録した。近隣の人々から年齢、性別などを
 調整したコントール群を設定した。

結果:
 合計200人の新規塗沫陽性患者、400人の近隣の人々が登録された。
 単変量解析において、調理に用いる固形燃料(OR 1.7, 95% CI 1.1–2.8)、
 既喫煙歴(OR 5.5,95% CI3.1–9.8)、男性(OR 10.5, 95% CI 1.6–71.1)、
 日常的アルコール飲酒(OR 2.3,95% CI 1.2–4.2)、過去5年間における
 家族内結核(OR 30.5, 95%CI 10.8–85.8)は有意に結核と関連していた。
 多変量ロジスティック回帰モデルにおいて、調理における固形燃料の使用は
 結核と統計学的に有意ではなかったが、関連する傾向にあった
 (adjusted OR 1.4, 95% CI 0.7–2.7)。

結論:
 固形燃料の使用は、結核発症と関連している可能性がある。

by otowelt | 2011-07-06 05:53 | 抗酸菌感染症