2011年 07月 22日 ( 2 )

OPTIMAL試験:EGFR遺伝子陽性NSCLC患者においてelrotinibはファーストライン治療として妥当

OPTIMAL試験の結果がLancet Oncologyに掲載されていた。
呼吸器内科医としては、EURTAC試験とあわせて覚えておきたい。

Erlotinib versus chemotherapy as first-line treatment for patients with advanced EGFR mutation-positive non-small-cell lung cancer (OPTIMAL, CTONG-0802): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 study
The Lancet Oncology, Early Online Publication, 22 July 2011


方法:
 中国22施設による第III相試験。
 18歳以上の患者でIIIBあるいはIV期のNSCLCを対象におこなわれたが
 条件としてEGFR遺伝子変異(exon 19 deletion or exon 21 L858R
 point mutation)がある患者を登録した。
 1:1に割り付け、経口erlotinib (150 mg/day)あるいは
 gemcitabine+carboplatin(4サイクルまで)による化学療法の
 いずれかに登録した。
 プライマリエンドポイントはPFSとした。

結果:
 elrotinib83人、化学療法72人となった。
 PFS中央値はerlotinib治療で化学療法より長かった
 (13.1 [95% CI 10.58—16.53] vs 4.6 [4.21—5.42] ヶ月;
 HR 0.16, 95% CI 0.10—0.26; p<0.0001)。
 化学療法において、erlotinibよりgrade 3、4の毒性増加がみられた
 (好中球減少症30 [42%] /72、血小板減少29 [40%]/72)
 elrotinibによる最も多いgrade 3、4の毒性はALT上昇( (3[4%] / 83))
 皮疹など (2 [2%] /83)。化学療法は、治療関連の重篤な有害事象とも
 関連していた(10[14%]/72 vs 2[2%]/83).

結論:
 EGFR陽性のIIIB/IV期NSCLC患者において
 elrotinibは治療の第一選択肢となりうる。

by otowelt | 2011-07-22 09:24 | 肺癌・その他腫瘍

粉塵曝露によって兵士に呼吸困難と運動耐容能低下をきたす狭窄性細気管支炎が起こり得る

兵士ネタの論文が最近流行っているような気がする。

Constrictive Bronchiolitis in Soldiers Returning from Iraq and Afghanistan
N Engl J Med 2011;365:222-30.


背景:
 記述症例研究において、イラク・アフガニスタンでの従軍中に
 吸入曝露を受けたアメリカのケンタッキー州フォートキャンベル兵80人
 について、陸軍の体力基準を満たせなくなるような
 労作時呼吸困難が起こり得るかどうか評価した。

方法:
 登録された兵士において、病歴と曝露歴に関する評価、身体所見。
 呼吸機能検査、HRCTを施行。非侵襲的評価項目においては
 症状の原因が判明しなかった49人にVATS:胸腔鏡肺生検を施行。
 心肺運動負荷試験、呼吸機能検査のデータを
 過去のコントロール兵士のデータと比較。

結果:
 2003年イラクにおける硫黄鉱山での火災による吸入曝露歴が多かったが
 全員はこれに該当していなかった。VATSを施行した49人全員の検体に
 異常があり、38人にconstrictive bronchiolitis:狭窄性細気管支炎
 の変化がみられた。残り11人では、constrictive bronchiolitis以外の
 呼吸困難症状に合致するような病理学的診断が確定できた。
 constrictive bronchiolitisのある兵士では、胸部レントゲンは正常だったが、
 CTでは約1/4にモザイク型エアートラッピングまたは小葉中心性結節が
 確認できた。呼吸機能検査と心肺運動負荷試験の結果は正常範囲内であった
 ものの、コントロール兵士の結果と比べると劣性であった。結論:
 従軍派遣後に原因不明の労作時呼吸困難と運動耐容能低下があった
 49人のVATS生検標本を分析した結果、38人でびまん性の
 constrictive bronchiolitis:狭窄性細気管支炎が同定された。
 これらは吸入曝露に関連するのかもしれない。

by otowelt | 2011-07-22 09:07 | 呼吸器その他