2011年 10月 03日 ( 3 )

結核患者におけるアベロックス長期投与データ

モキシフロキサシンは、抗結核薬のキノロンとしては
かなり強力なのは言わずもがなである。
現状として、当院ではファーストチョイスのキノロンとしては
レボフロキサシンを使用している。

A.D. Pranger, et al. Evaluation of moxifloxacin for the treatment of tuberculosis: 3 years of experience
Eur Respir J 2011; 38: 888–894


 レトロスペクティブスタディ。
 結核治療においてMFX400mg/dayを内服した
 Tuberculosis Centre Beatrixoord, University Medical
 Centre Groningen (Haren, the Netherlands)の患者
 (2006年1月1日から2009年1月1日まで)

 安全性については、血中24 時間AUC( AUC0―24h)と
 最小発育阻止濃度(MIC)の比(AUC/MIC)とした。

 89人の患者が中央値で6.9mg/kgのMFX1日1回で74日間治療。
 薬物動態的解析でAUC0-24/MICが100未満であったものは
 解析可能であった16人中8人。
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by otowelt | 2011-10-03 17:44 | 抗酸菌感染症

タルクによる胸膜癒着においてARDSなどの重篤な合併症は観察されなかった

P-O. Bridevaux, et al. Short-term safety of thoracoscopic talc pleurodesis for recurrent primary spontaneous pneumothorax: a prospective European multicentre study
Eur Respir J 2011; 38: 770–773


背景:
 タルクによる胸膜癒着の安全性は、タルクによるARDSとその死亡
 の報告があるため、まだ議論の余地がある。
 われわれは、原発性肺気胸の再発を高分子タルクによる胸腔鏡下の
 胸膜癒着をおこなうことの安全性を評価した。

方法:
 418人の再発気胸の患者が2002年から2008年の間に
 ヨーロッパ、南アフリカの9施設で登録された。
 主要な除外基準は、感染症、心疾患、凝固異常とした。
 ARDSや死亡などの重篤な有害事象が処置後30日間記録された。
 胸腔鏡での2gタルクでの癒着処置後、
 酸素飽和度、酸素療法の使用、体温などが記録された。

結果: 
 30日におよぶ観察期間において、ARDS発症は1例もなかった
 (95% CI 0.0–0.9%)。また、ICU入院や死亡についてもみられなかった。
 7人の患者が小さな合併症を訴えた(1.7%, 95% CI 0.7–3.4%)。
 胸膜癒着後、平均体温はday1において0.41℃上昇した
 (95% CI 0.33–0.48℃; p<0.001)ものの、day5には戻っていた。 
 ドレーンは80%の患者でday4で抜去された。
タルクによる胸膜癒着においてARDSなどの重篤な合併症は観察されなかった_e0156318_1256119.jpg

結論:
 タルクによる胸膜癒着術ののち、ARDSや死亡を含む重篤な合併症は
 大規模多施設共同試験において、観察されなかった。
 高分子タルクによる胸膜癒着術は再発性気胸を予防する上で安全であると思われる。

by otowelt | 2011-10-03 06:45 | 呼吸器その他

IPF患者の初期評価の遅れは死亡のリスクを上昇させる

IPFのoverall survivalを改善する薬剤がない現状では
下記の結果にはやや懐疑心が残る。
全文を読めないので、詳しくはわからないが・・・。

Daniela J. Lamas, et al. Delayed Access and Survival in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 184. pp. 842-847, (2011)


背景:
 特発性肺線維症は、しばしば初期診断を誤られる。
 専門ケアへのアクセスの遅れは、IPFのアウトカムを悪くするかもしれない。

目的:
 専門ケアへのアクセスが遅れることと、IPFの生存期間との関連を検証する。

方法:
 われわれは、129人のATS診断基準に合致したIPF患者にたいして
 プロスペクティブコホート試験をおこなった。
 ”遅れ”というのは、呼吸困難がはじまってから紹介施設での初期評価までの
 期間と定義する。

結果:
 平均年齢は63歳で、76%が男性であった。
 ”遅れ”の中央値は2,2年(interquartile range 1.0–3.8 yr)で、
 フォローアップ期間中央値は1.1年であった。年齢と肺機能検査は
 この”遅れ”に影響しなかった。長期の遅れがあるほど、
 死亡のリスクを上昇させた(補正HR1.3, 95%CI 1.03 to 1.6)。
 また上記の遅れは、肺移植の比率を下げるといったこととは関連なかった。

結論:
 専門施設への紹介の遅れは、IPFの死亡リスクを上昇させる。
 早期に紹介することが肝要である。

by otowelt | 2011-10-03 05:56 | びまん性肺疾患