2011年 10月 16日 ( 2 )

アスベストによる孤立性胸膜プラークは拘束性障害を起こす傾向にある

アスベスト曝露と拘束性障害の話。
確かにプラークごときで臨床的に差がでるとは思わないが
肺内に多数の陰影を呈する石綿肺は、ほかの塵肺と
同じように結構呼吸困難感を呈することが多いように思う。

Benedicte Clin, et al.
Do asbestos-related pleural plaques on HRCT scans cause restrictive impairment in the absence of pulmonary fibrosis?
Thorax 2011;66:985-991


背景:
 孤立性胸膜プラークは機能障害を
 起こすかどうかよくわかっていない。

目的:
 CTにおいて同定された孤立性胸膜プラークと
 アスベストに職業上曝露された人の呼吸機能との
 関連性を解析する。

方法:
 2743人の肺間質にHRCT上異常がみられない人を
 登録した。累積アスベスト曝露インデックス(CEI)
 からアスベスト曝露が評価された。登録した人は
 呼吸機能検査とHRCTを受けた。年齢や喫煙、BMIで
 補正をおこない、アスベストCEIと呼吸機能検査が
 解析された。

結果:
 全呼吸機能パラーメータは胸膜プラークが
 みられた人とみられなかった人において
 いずれも正常範囲であった。
 しかしながら、孤立性胸膜プラークがみられた人において
 みられなかった人と比較すると、以下のごとく
 減少がみられた。total lung capacity (TLC)は
 (98.1% predicted vs 101.2% p=0.0494)。
 forced vital capacity (FVC) (96.6% vs 100.4%, p<0.001)
 FEV1 (97.9% vs 101.9%, p=0.0032)。
 FEV1/FVC ratio, forced expiratory flow at 25-75% FVC、
 residual volumeは差がみられなかった。

結論:
 孤立性の胸膜プラークは拘束性障害パターンの傾向を
 呈するが、現実的に臨床的な低下を起こすほどの
 減少ではないと考えられる。

by otowelt | 2011-10-16 22:19 | びまん性肺疾患

気管支喘息の重度の発作に対する高濃度酸素投与はPtCO2を上昇させる

喘息に対する酸素投与への警鐘。

Kyle Perrin, et al.
Randomised controlled trial of high concentration versus titrated oxygen therapy in severe exacerbations of asthma
Thorax 2011;66:937-941


背景:
 高濃度の酸素を喘息の重度発作患者に投与することが
 PaCO2にどのように影響を与えるかはわかっていない。

方法:
 106人の喘息の重度発作をおこした患者で
 救急部に搬送された患者を、高濃度酸素(8L/minマスク)と
 タイトレーションした酸素(サチュレーションを93%から95%にコントロール)
 のいずれかにランダムに60分間の間割りつけた。
 COPDのある患者や高炭酸ガス血症のある患者は除外した。
 PtCO2が0分、20分、40分、60分後に測定された。
 プライマリアウトカムは、PtCO2が60分後に4mmHg以上上昇
 をきたした患者の比率とした。

結果:
 PtCO2上昇を60分後に4mmHg以上上昇をきたした
 患者の比率は、高濃度酸素群において有意に高かった
 22/50 (44%) vs 10/53(19%), RR2.3 (95%CI 1.2 to 4.4,p<0.006)。
 高濃度酸素群における、PtCO2が8mmHg以上のものは
 11/50 (22%) vs 3/53(6%), RR3.9 (95%CI 1.2 to 13.1,p=0.016)。
気管支喘息の重度の発作に対する高濃度酸素投与はPtCO2を上昇させる_e0156318_7364632.jpg

結論:
 高濃度酸素を喘息の重度発作の患者に投与することは
 有意にPtCO2を上昇させる。
 タイトレーションした酸素レジメンが推奨され、
 低酸素であった場合にのみ酸素投与がおこなわれるべきであり
 炭酸ガス貯留をきたさない程度の投与でよい。

by otowelt | 2011-10-16 07:37 | 気管支喘息・COPD