2011年 10月 20日 ( 2 )

結核合併HIV感染ではCD4陽性細胞数200未満への早期ARTで生存改善

NEJMで似たような試験が3つ同時に掲載された。
両方読むのはしんどい。
とにかく早期ARTを推奨するスタディが掲載されている。

いわゆる”いきなりAIDS”で入院してくる原因が
結核だった場合、CD4は低いケースが多い気がする。
CD4が低いケースでは早期HAARTを併用する方が
よいというのは異論のないところであろう。

F.-X. Blanc, et al.
Earlier versus Later Start of Antiretroviral Therapy in HIV-Infected Adults with Tuberculosis
N Engl J Med 2011; 365 : 1471 - 81.


背景:
 結核は依然としてHIV患者における重要な死因の一つである。
 結核治療の開始時期との兼ね合いで、抗レトロウイルス療法
 (ART)をいつ開始すべきかについてはデータが不足している。

方法:
 新たに結核と診断された成人患者で、CD4陽性T細胞数が
 200個/mm3以下で、抗レトロウイルス薬に曝露されたことの
 ない場合、ART開始時期が死亡率に有意な影響を及ぼすという
 仮説を検証。結核に対する標準的な6ヵ月治療後、患者を
 スタブジン(stavudine)、ラミブジン、エファビレンツの
 投与を早期(結核治療開始から2週間後)に開始する群と
 待期的(結核治療開始から8週間後)に開始する群の
 いずれかにランダムに割り付け。
 プライマリエンドポイントは生存とした。

結果:
 成人HIV661例を登録し、中央値25ヵ月間追跡。
 CD4陽性T細胞数中央値は25個/mm3、ウイルス量中央値は
 5.64 logコピー/mL であった。死亡リスクは早期ART群で
 有意に低下し、332例中59 例(18%)が死亡したのに対して
 待機的なART 群では329例中90例(27%)が死亡
 (HR0.62,95%CI 0.44~0.86,P=0.006)。
 結核関連の免疫再構築症候群のリスクは
 早期ART群で有意に上昇(HR 2.51,95% CI 1.78~3.59,
 P<0.001)。

結論:
 CD4陽性T細胞数200個/mm3以下の、HIVと結核を合併感染した
 成人では、結核治療開始後2週間でARTを開始することで
 生存が有意に改善する。

by otowelt | 2011-10-20 22:44 | 感染症全般

allo HCTレシピエントに対する抗真菌予防はvoriconazoleの方がitraconazoleより優れている

allo HCTレシピエントに対するボリコナゾールの優越性の話。
ブイフェンドの方が使いにくい理由の1つは、
個人的には金額だと思っている。

Marks DI, et al.
Voriconazole versus itraconazole for antifungal prophylaxis following allogeneic haematopoietic stem-cell transplantation
Br J Haematol. 2011 Nov;155(3):318-327


背景:
 allo HCTのレシピエントに対する抗真菌薬による予防は、
 侵襲性糸状菌感染、 IFIs:invasive fungal infectionsを防ぎ、
 かつ忍容性の良いものである必要がある。

方法:
 プロスペクティブランダム化非盲検多施設試験において
 alloHCTレシピエン トでvoriconazole(234人)と
 itraconazole(255人)の有効性と安全性を検討。
 プライマリエンドポイントは予防の成功とし、100日以上治療薬が
 投与可能(中断14日以内)でproven/probable IFIがなく
 day 180まで生存をその条件とした。
 
結果:
 プライマリエンドポイントである予防の成功は
 itraconazoleよりvoriconazoleで有意に高く
 (48.7% vs 33.2%, p<0.01)、voriconazole群で
 より多く100日間の忍容性があった(53.6% vs 39.0%, p<0.01;
 総投与期間中央値 96 vs 68日)。最も多かった有害事象は
 itraconazoleで嘔吐(16.6%) 、嘔気(15.8%)、下痢(10.4%)、
 voriconazole で肝毒性/肝機能異常(12.9%)。
 また、itraconazole群でより多く他抗真菌剤を投与
 (41.9% vs 29.9%, p<0.01)。 voriconazole群と
 itraconazole群のそれぞれにおいてday 180までの
 proven/probable IFI発症(1.3% vs 2.1%)と
 生存(81.9% vs 80.9%)に有意な差はなかった。
 
結論:
 alloHCT後の抗真菌予防でvoriconazoleはitraconazoleより
 優れていた。またvoriconazoleは他の抗真菌剤の必要性を
 低くで達成できる可能性も孕み、有意に長期間投与が可能だった。

by otowelt | 2011-10-20 05:32 | 感染症全般