2011年 11月 04日 ( 2 )

持続的な気管チューブのカフ圧測定による管理は、胃内容物の誤嚥を防ぐことができる

Saad Nseir, et al.
Continuous Control of Tracheal Cuff Pressure and Microaspiration of Gastric Contents in Critically Ill Patients
Am J Respir Crit Care Med Vol 184. pp 1041–1047, 2011


背景:
 集中治療患者の気管チューブのカフの圧不足はよくみられるが、
 人工呼吸器関連肺炎(VAP)の原因として重要な
 口腔咽頭分泌物や胃内容物の細菌の微細な誤嚥(micro aspiration)の
 リスクファクターと考えられている。

目的:
 持続的に気管チューブカフ圧(Pcuff) を
 ICU入室患者に対してプロスペクティブに観察。
 合計122人の、少なくとも48時間の人工呼吸管理を要する
 患者を登録し、持続的にPcuffを観察する群(介入群, n=61)か
 従来のPcuffケア群(コントロール群, n=61)にランダムに割りつけた。

結果:
 プライマリアウトカムは、胃内容物の誤嚥とした。
 これは、ランダム化してから48時間後に
 採取した気道分泌物におけるペプシンの存在と定義した。
 セカンダリアウトカムは、VAP発症頻度、気管支細菌濃度、
 気管虚血性病変(tracheal ischemic lesions)とした。
 ペプシンは1205の分泌物検体で測定された。
 微細な誤嚥がみられた患者%は(18 vs. 46%; P=0.002;
 OR[95CI], 0.25 [0.11–0.59])で、気管吸引検体の細菌濃度は
 (mean6SD 1.6±2.4 vs. 3.1±3.7 log10 cfu/ml,P=0.014)
 であった。VAP発症は(9.8 vs. 26.2%; P=0.032; 0.30 [0.11–0.84])
 であった。いずれも介入群の方が有意に低かった。しかしながら、
 気管虚血性スコアは差はみられなかった。
持続的な気管チューブのカフ圧測定による管理は、胃内容物の誤嚥を防ぐことができる_e0156318_14853.jpg

結論:
 持続的に気管チューブのカフ圧を測定して管理することは
 胃内容物の微細な誤嚥を集中治療患者において減らすことができる。

by otowelt | 2011-11-04 16:39 | 集中治療

Clostridium difficileの感染と保菌に関わるリスクファクター

Vivian G. Loo, et al.
Host and Pathogen Factors for Clostridium difficile Infection and Colonization
N Engl J Med 2011;365:1693-703.


背景:
 Clostridium difficileは、医療関連下痢症の主たる原因で、
 症候がなくても保菌される場合がよくある。この研究の目的は
 医療関連C. difficile感染症ないしは保菌に関連する
 宿主・細菌因子を同定することにある。

方法:
 カナダにおける6施設で
 15ヵ月におよぶプロスペクティブ研究をおこなった。
 統計学患者情報、リスクファクター、交絡因子、週1回の検便・直腸スワブを収集。
 パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)によってC. difficile株の
 遺伝子型を同定した。また、CD toxin AおよびB血清抗体値を測定。

結果:
 4143人を登録した。医療関連C. difficile感染症は、117人(2.8%)
 保菌は123人(3.0%)であった。リスクファクターは、高齢、
 抗菌薬・プロトンポンプ阻害薬の使用であった。
 2ヵ月以内における入院、化学療法・プロトンポンプ阻害薬・ H2ブロッカー使用、
 toxin B抗体は、保菌と有意に関連していた。
 感染患者の62.7%、保菌患者の36.1%が北米PFGE 1 型(NAP1)株であった。

結論:
 医療関連C. difficile感染症および保菌は、それぞれ異なる
 宿主・細菌因子と関連していた。感染患者ではNAP1が優勢だったが、
 保菌例では他株を保菌している可能性が高かった。

by otowelt | 2011-11-04 13:34 | 感染症全般