2011年 11月 17日 ( 2 )

高齢者NSCLCのカルボプラチンとドセタキセルに対してレボフロキサシン予防は感染症発症を減少させる

この結果が是か非かは難しいところ。
感染症屋からすれば、ややネガティブな印象を受けるが
オンコロジストからみれば、有用な論文かもしれない。

Schuette, Wolfgang, et al.
Randomized Phase III Trial of Docetaxel Plus Carboplatin with or without Levofloxacin Prophylaxis in Elderly Patients with Advanced Non-small Cell Lung Cancer: The APRONTA Trial
Journal of Thoracic Oncology. 6(12):2090-2096, December 2011.


目的:
 進行期NSCLCの高齢者に対するカルボプラチンとドセタキセルの
 化学療法の間、レボフロキサシンによる予防が感染率に与える影響を調べる。

方法:
 ランダム化二重盲検第III相試験。
 65歳以上の未治療で、組織学的にIIIB/IV期のNSCLCと
 診断された患者に対してドセタキセル(75 mg/m2)とカルボプラチン
 (AUC 6)を3週間ごとに施行し、1日1回のレボフロキサシン(500 mg orally)
 ないしはプラセボをday5-11に服用する。プライマリエンドポイントは
 grade 3/4の感染あるいは他の追加抗菌薬治療を有するgrade 1/2の感染
 の頻度とした。セカンダリエンドポイントは全感染率、毒性、OS、PFSとした。

結果:
 合計187人の患者が登録され、レボフロキサシン(n = 95)あるいは
 プラセボ(n = 92)にランダムに割り付けられた。grade 3/4の感染の比率
 あるいは追加抗菌薬を要したgrade 1/2の感染の比率(ITT解析)は
 レボフロキサシン群27.5% (95% CI, 19.3–39.0%)、
 プラセボ群36.7% (95% CI, 27.1–48.0%)であった。
 最初の感染までの中央期間はレボフロキサシン群67日、プラセボ群46日。
 grade 3/4の感染はレボフロキサシン群で8.8%に起こり、
 プラセボ群の26.7%で起こった。1例のみgrade 5の感染が両群ともに
 認められた。grade 3以上の毒性として他のものは、
 白血球減少(レボフロキサシン群63.2 versus プラセボ群52.2%)、
 好中球減少(62.1 versus 51.1%), 呼吸困難(12.6 versus 8.7%),
 疼痛(10.5 versus 9.8%)であった。OSやPFSについて差はなかった。

結論:
 レボフロキサシンによる予防は、高齢者でカルボプラチンとドセタキセルを併用した
 患者に対して感染率をプラセボに比べて減少させる効果がある。

by otowelt | 2011-11-17 15:40 | 肺癌・その他腫瘍

ペメトレキセドによる皮膚関連副作用として結膜炎や浮腫が多い

アリムタメンテナンスを20コースを超えて使用している患者さんがおられるが、
15コース目あたりで浮腫がひどくなってきたので、この論文は非常に納得がいく。

Skin Toxicities Compromise Prolonged Pemetrexed Treatment
Journal of Thoracic Oncology:
December 2011 - Volume 6 - Issue 12 - pp 2083-2089


背景:
 ペメトレキセドは、非小細胞肺癌治療に使用され、
 おしなべて良好な毒性プロファイルであるとされている。
 ペメトレキセドによる皮膚関連副作用:cutaneous adverse events (CAE)は
 たとえば、結膜炎を伴う浮腫や四肢浮腫、重度の液体貯留などが
 われわれのユニットで観察された。このスタディの目的はCAEのリスクファクターの
 頻度を評価するものである。
 
方法:
 ペメトレキセドによって治療された患者をプロスペクティブコホートにみた。
 質問票は患者と腫瘍内科医に回答された。
 
結果:
 107人の患者において4サイクルかそれ以上のペメトレキセドを使用された。
 CAEは37人(35%)において観察され、生存患者においては
 47人中21人(44%)に観察された。
 結膜炎は最も良く見られたCAEであり合計107人中27人(25%)、
 生存患者47人中21人(44%)にみられた。眼周囲浮腫は
 107人中16人(15%)でみられ、生存患者47人中14人(30%)でみられた。
 四肢浮腫は107人中14人(13%)でみられ、生存患者47人のうち12人
 (25%)でみられた。2症例のCAEがペメトレキセド治療に影響を与えた。
 年齢やBSA、、喫煙歴、PSによって差はみられなかった。
 CAEのある患者はより多くのペメトレキセドを使用していた
 (7 versus 5.5; p = 0.028)。単変量と多変量解析によって
 男女比は有意に差がみられた(p = 0.031): CAE群の48% (12/25)が女性、
 コントロール群の18% (4/18) が女性。

結論:
 ペメトレキセドによって結膜炎や眼周囲浮腫、四肢浮腫はよくみられる。
 女性はCAEの独立危険因子である。CAEはしばしば対処法が難しいが
 症状緩和的治療が妥当かもしれない。

by otowelt | 2011-11-17 06:20 | 肺癌・その他腫瘍