2012年 07月 13日 ( 2 )

禁煙成功者は1年後に体重が4-5kg増加する

禁煙成功者は1年後に体重が4-5kg増加する_e0156318_9571890.jpgHenri-Jean Aubin, et al.
Weight gain in smokers after quitting cigarettes: meta-analysis
BMJ 2012;345:e4439 doi: 10.1136/bmj.e4439 (Published 10 July 2012)


目的:
 体重変化とそのバリエーションを禁煙補助薬などを用いず12ヶ月で成功した人においてメタアナリシスで検証する。

方法:
 the Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、Cochraneデータベースにおいて禁煙の介入をおこなった臨床試験を抽出(ニコチンパッチ、ニコチンアゴニスト、抗不安薬、運動療法など)。また禁煙後の体重についての介入試験をCENTRALより抽出。
 試験は、体重の変化がベースラインからのフォローアップにおいて記載されているものを組み込んだ。ランダム効果・分散逆数で重み付けをおこない(inverse variance methods)、95%の信頼区間が用いられた。禁煙後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、12ヶ月の体重変化に対する平均標準偏差を求めた。ランダム効果メタ回帰を用いてサブグループ間の差異も調べた。

結果:
 62試験が組み込まれた。治療されていない禁煙成功者において、平均の体重変化は1ヶ月時:1.12 kg (95%CI0.76 to 1.47),2ヶ月時:2.26 kg (1.98to 2.54),3ヶ月時:2.85 kg (2.42 to 3.28), 6ヶ月時:4.23 kg (3.69 to 4.77), 12ヶ月時:4.67 kg (3.96to 5.38)であった。
 平均荷重標準偏差を用いると禁煙後12ヶ月時において、20%程度に体重減少がみられるものの多くは体重増加傾向。体重増加については、異なる薬剤禁煙指導を用いた人においても同様の結果であった。
禁煙成功者は1年後に体重が4-5kg増加する_e0156318_95547100.jpg

結論:
 禁煙成功ののち12ヶ月時にはおよそ4-5㎏の体重増加が起こる。また多くの場合、禁煙開始3ヶ月以内から体重増加はみられている。

by otowelt | 2012-07-13 05:35 | 呼吸器その他

市中肺炎における肺エコー診断は感度特異度ともに良好

Angelika Reißig, et al.
Lung ultrasound in the diagnosis and follow-up of community-acquired pneumonia. A prospective multicentre diagnostic accuracy study
CHEST.2012doi:10.1378/chest.12-0364


背景:
 このプロスペクティブ多施設共同試験の目的は、市中肺炎の診断において肺エコー:lung ultrasoundの精度を検証するものである。

方法:
 ヨーロッパの14施設において362人の市中肺炎を疑われた患者を登録した。ベースライン特性、既往歴、身体所見、検査データ、肺エコーを抽出。市中肺炎患者において病初期のデータと13-16病日を比較した。
 肺エコーは、病変部位の数、位置、形、サイズ、呼吸依存性の運動があるかどうかをみた。さらに、壊死性病変の頻度、air bronchogramがあるかどうか、液体貯留などもレビューした。

結果:
 2007年11月から2011年2月までの間、市中肺炎は229人(63.3%)に同定された。患者の年齢中央値は63.8歳(range 19-95)であり、男性のほうがやや多い傾向にあった(63.0%)。95%が入院患者であった。
 肺エコーは感度93.4%(95% CI89.2%-96.3%)、特異度97.7%(95%CI93.4%-99.6%)、陽性尤度比40.5(95%CI 13.2-123.9)、陰性尤度比0.07(95%CI0.04-0.11)。
 聴診と肺エコーの組み合わせは陽性尤度比を42.9(95%CI10.8-170.0)に上昇させ、陰性尤度比を0.04(95%CI0.02-0.09)へ低下させた。97.6% (205/210)のCAP患者は、呼吸依存性の浸潤影移動がみられ、86.7% (183/211)にair bronchogram, 76.5% (156/204)に辺縁の不明瞭化、54.4% (105/193)に胸水が同定された。
 フォローアップ期間中、13-16病日にCRP中央値は137から6.3 mg/dlへ減少、白血球数は11.7 Gpt/l
から7.4 Gpt/lへ減少。病変部位面積の中央値も15.3から0.2 cm2へ、胸水は50mlから0 mlへ減少した。肺炎症状数の中央値は3から1へ減少。
市中肺炎における肺エコー診断は感度特異度ともに良好_e0156318_22522059.jpg
ディスカッション:
 8%の肺炎は肺エコーでは同定できなかったが、これはおそらく肺炎そのものが胸膜まで到達していなかったためと思われる。
 fluid bronchogramがあった1人の患者が3ヵ月後に肺癌があることがわかったため、偽陽性についてはある程度の確率で存在するものである。
 過去の報告でもあるように、肺炎のサイズを肺エコーで同定した場合、レントゲンのそれと比べるといくぶんか小さくみえることがある(Eur J Ultrasound.1996;3:161-167.)。そのためサイズの評価には注意が必要である。

結論:
 肺エコーは非侵襲的でCAP診断において精度の高い有用なツールであると考えられる。これはレントゲンが有用でなかったり適用できない場合に重要となる。およそ8%の肺炎の領域は肺エコーでは同定できなかった。すなわち、肺エコーが目立たないからといって肺炎を除外するものではない。

by otowelt | 2012-07-13 01:16 | 感染症全般