2012年 12月 27日 ( 2 )

COPD患者における6分間歩行距離30m超の減少は死亡リスクを上昇

Michael I. Polkey, et al.
Six Minute Walk Test in COPD: Minimal Clinically Important Difference for Death or Hospitalization
Am. J. Respir. Crit. Care Med. December 21, 2012 rccm.201209-1596OC


背景および目的:
 COPDに対する非気管支拡張治療を検証するためにスパイロメトリー以外のアウトカムが必要とされている。6分間歩行試験の臨床的に意義のある最小変化量(minimal clinical important difference, MCID) は非盲検下インターベンションを使用した小規模コホートで検証されてきた。

方法:
 ECLIPSEコホートのデータが使用された(N=2112)。死亡あるいは初回入院がインデックスイベントであり、われわれは6分間歩行距離の変化を12ヶ月にわたる期間で調査し、呼吸機能検査やSt Georges Respiratory Questionnaireとの関連性を調べた。

結果:
 6分間歩行距離の変化が得られた患者デ-タのうち、94人が死亡し323人が入院した。6分間歩行距離は生存者に比べて死亡者で29.7m(標準偏差82.9m)以上減少した(P <0.001)。距離変化が-30mを超える場合の死亡に対するハザード比は1.93 (95%信頼区間1.29~2.90; P = 0.001)であった。
 初回入院に対しては有意な差はみられなかった。呼吸機能検査やSGRQの変化に対してはわずかな関連性しか観察されなかった。

結論:
 6分間歩行距離に30mを超える減少がみられる場合、COPD患者の死亡リスクを上昇させた。しかし、急性増悪による入院には関連していなかった。

by otowelt | 2012-12-27 05:08 | 気管支喘息・COPD

新生児死亡肺にニューモシスティスが高頻度に存在、MUC5AC発現が増加

Sergio L. Vargas, et al.
Near-Universal Prevalence of Pneumocystis and Associated Increase in Mucus in the Lungs of Infants With Sudden Unexpected Death
Clin Infect Dis. (2013) 56 (2): 171-179.


背景:
 ニューモシスティスが新生児の剖検でみられることがあるが、その頻度や重要性についてはよくわかっていない。興味深いことに、この緩やかな感染症は若いげっ歯類において粘液分泌関連遺伝子の強い活性化を促すとされているが、新生児での検証はなされていない。
 過剰な粘液分泌は非特異的経路を通して複数の気道攻撃因子によって誘導されており、これにより気道疾患におけるニューモシスティスの共因子が説明できるかもしれない。われわれは、ニューモシスティスの頻度の特性および新生児肺の粘液の関連性を調べた。

方法:
 サンティアゴで1999年から2004年までに突然死した128の新生児(平均年齢101日)で、P. jirovecii mtLSU rRNA遺伝子のnested PCR(nPCR)、免疫蛍光顕微鏡検査法(IF)によってニューモシスティスを調べた。ニューモシスティス陰性の日齢28以上の新生児とニューモシスティス陽性の近接した日齢新生児において、MUC5AC発現・ニューモシスティス有無がウエスタンブロットとPCRによって調べられた。

結果:
 ニューモシスティスDNAはnPCRにより128新生児のうち105人(82.0%)で同定された。DNA陽性新生児のうちニューモシスティスはIFで99人(94.3%)で可視化できた。
新生児死亡肺にニューモシスティスが高頻度に存在、MUC5AC発現が増加_e0156318_10543184.jpg
 感染は、生後3-4ヶ月において最もよく観察され、41人中40人で陽性であった(97.6%)。
新生児死亡肺にニューモシスティスが高頻度に存在、MUC5AC発現が増加_e0156318_1056671.jpg

 MUC5ACは有意にニューモシスティス陽性検体で発現が増加していた(P = .013)。
新生児死亡肺にニューモシスティスが高頻度に存在、MUC5AC発現が増加_e0156318_10574181.jpg
 113人(88.3%)の死亡が説明できない死であり、ニューモシスティスはその113人中95人(84.0%)で同定された。一方説明できる死亡15人中10人(66.7%)でニューモシスティスが同定された(P = .28)。

結論:
 剖検診断の内容にかかわらず、予期せぬ新生児の死亡肺から検出された局所のニューモシスティスの存在が粘液分泌の増加させていること確認された。

by otowelt | 2012-12-27 00:05 | 感染症全般