2013年 01月 31日 ( 2 )

気管切開患者のウィーニングでプレッシャーサポートを用いない場合、ウィーニング期間短縮に寄与

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 気管切開の患者さんのウィーニングでプレッシャーサポートを下げるか人工呼吸器を外すかを比較した試験です。早期に呼吸不全をきたすような場合(早期失敗群)では有意差はありません。

Amal Jubran, et al.
Effect of Pressure Support vs Unassisted Breathing Through a Tracheostomy Collar on Weaning Duration in Patients Requiring Prolonged Mechanical Ventilation
A Randomized Trial
JAMA Published online January 22, 2013


概要:
 21日を超えるような長期の人工呼吸管理を要する患者は、イギリスでは通常longterm acute care hospitals(LTACH)に転院してウィーニングがおこなわれる。しかし、最も効果的なウィーニング法については研究がなされていない。

目的:
 LTACHにおいて、長期におよぶ人工呼吸管理患者に対する気管切開部を通したプレッシャーサポートを行うウィーニング法とアシストを行わないウィーニング法を比べること。

方法:
 2000年から2010年までの間、気管切開を受けた患者でLTACH施設にウィーニングのために転院となった患者に対するランダム化比較試験。
 人工呼吸器離脱スクリーニングを受けた500人の患者のうち、120時間で離脱できなかった316人がランダム化フェーズに移行した。プレッシャーサポート群(n = 155)、アシストなしの群(気管切開チューブを介した補助なしの換気)(n = 161)に割り付けられた。
 プライマリアウトカムは、ウィーニング期間とした。セカンダリアウトカムは、登録から6ヶ月ないし12ヶ月の生存率とした。

結果:
 316人の患者のうち、4人がドロップアウトしたため解析対象外となった。プレッシャーサポート群の152人のうち68人(44.7%)がウィーニングされ、22人(14.5%)が死亡した。アシストなしの群の160人のうち、85人(53.1%)がウィーニングされ、16人(10%)が死亡した。
 ウィーニング期間の中央値は、アシストなしの群とプレッシャーサポート群でそれぞれ(15日 [IQR 8-25] vs 19日 [IQR 12-31]、P = .004)だった。ウィーニング成功率に対するハザード比は、プレッシャーサポートを使用しない場合の方が高かった(HR, 1.43; 95% CI, 1.03-1.98; P = .033)。12~120時間のスクリーニングに耐えられなかった患者(後期失敗群)の間では、アシストがないウィーニングの方が迅速なウィーニングが可能だった(HR, 3.33; 95% CI, 1.44-7.70; P = .005)。
 死亡率は両群とも同等だった(6ヶ月:55.92% vs 51.25%; 4.67% difference, 95% CI, −6.4% to 15.7%、12ヶ月:66.45% vs 60.00%; 6.45% difference, 95% CI, −4.2% to 17.1%)。
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結論:
 長期の人工呼吸管理を要する患者に対して、気管切開チューブからプレッシャーサポートを使用しないウィーニング法をおこなうことは、プレッシャーサポートを使用する場合と比較してより短い期間でウィーニング達成が可能であるが、6ヶ月あるいは12ヶ月時の死亡率の改善には寄与しない。

by otowelt | 2013-01-31 12:03 | 集中治療

市中肺炎に対する全身性ステロイドは、臨床的効果が乏しく在院日数を延ばすだけ

e0156318_1310578.jpg市中肺炎に対する全身性ステロイド投与の意義について、スペインからの報告です。

Polverino E, et al.
Systemic corticosteroids for community-acquired pneumonia: Reasons for use and lack of benefit on outcome.
Respirology 2013 Feb;18(2):263-71.


背景および目的:
 市中肺炎における全身性のステロイド投与の利益は明らかではないものの、実臨床では頻繁に使用されている。われわれは、このプラクティスの頻度、患者の特徴、臨床的影響を報告する。

方法:
 1997年6月から2008年1月までの成人の市中肺炎の患者をプロスペクティブに観察した(n = 3257)。
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結果:
 260人の患者(8%)が全身性のステロイド投与を受けていた。平均投与量はメチルプレドニゾロン1日あたり45mg(中央値36mg)だった。ステロイドを受けた患者は、高齢(74歳 vs 65歳)で、合併症が多く(呼吸器系: 59% vs 38%, 心疾患: 29% vs 16%, などなど)、Pneumonia Severity Indexが高く(Fine IV-V, 76% vs 50%)、吸入ステロイド治療を受けている患者が多く(36% vs 15%)、抗菌薬の既往が多かった(31% vs 23%)(すべてP < 0.01)。
 全身性のステロイド投与の有意な予測因子は、COPD (オッズ比 1.91)、発熱(オッズ比 0.59)、喀痰 (オッズ比 1.59)、血清クレアチニン上昇(+1 mg/dL, オッズ比0.92)、動脈血酸素飽和度92%以上(オッズ比 0.46)、CRP上昇(+5 mg/dL; オッズ比 0.92)、心不全(オッズ比 1.76)であった。
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 死亡率(6% vs 7%; P = 0.43)および臨床的安定性が得られるまでの期間(4 (3-6) vs 5 (3-7) days; P = 0.11)は2群で差はみられなかったが、在院日数はステロイド投与群の方が長かった(9 (6-14) vs 6 (3-9) days; P < 0.01)。
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結論:
 COPDの存在や臨床的に重症であることが、市中肺炎に全身性ステロイドを用いるが主な理由である。しかし、治療によって死亡や臨床的安定性に影響は与えず、それどころか在院日数を延ばしてしまうかもしれない。ランダム化比較試験によって市中肺炎に対する全身性ステロイドが与える影響を調べる必要があるだろう。

by otowelt | 2013-01-31 00:54 | 感染症全般