2013年 05月 09日 ( 2 )

気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原は肺アスペルギルス症の診断に有用

気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原は肺アスペルギルス症の診断に有用_e0156318_9585758.jpg 呼吸器科領域ではIPAに出会うことはまれなので、血清ガラクトマンナン抗原やβ-Dグルカン以外に有力なツールがあれば心強いです。

Yuta Kono, et al.
The utility of galactomannan antigen in the bronchial washing and serum for diagnosing pulmonary aspergillosis
Respiratory Medicine, in press, doi:10.1016/j.rmed.2013.04.007


背景:
 肺アスペルギルス症は培養や細胞診といった従来の同定方法では感度の問題から診断が困難である。アスペルギルスの同定感度を改善するため、ガラクトマンナン抗原が研究されてきた。血清ガラクトマンナン抗原は侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)を同定する有用なツールとして認識されている。しかしながら、IPA以外の肺アスペルギルス症のガラクトマンナン抗原の有用性はいまだ不明な点が多い。

方法:
 IPA以外の肺アスペルギルス症の診断のために、血清および気管支鏡による気管支洗浄液(BW)のガラクトマンナン抗原を調べた。

結果:
 45人の患者が登録され、7人が肺アスペルギルス症、そのうち5人が慢性壊死性肺アスペルギルス症、2人がアレルギー性気管支肺アスペルギルス症だった。気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原におけるアスペルギルス同定のROC曲線下面積は0.89で、血清ガラクトマンナン抗原では0.41だった。これはすなわち、血清ガラクトマンナン抗原よりも気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原の方が診断能が高いことを示唆している。
 肺アスペルギルス症診断について、気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原(カットオフ値0.5以上:RCO曲線で最も妥当な値)の感度は85.7%、特異度は76.3%だった。

結論:
 IPA以外の肺アスペルギルス症の診断において気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原は有用であると考えられる。


by otowelt | 2013-05-09 16:00 | 感染症全般

COPD患者の呼吸機能減衰と心血管系死亡率に血清ミエロペルオキシダーゼ濃度が関連

COPD患者の呼吸機能減衰と心血管系死亡率に血清ミエロペルオキシダーゼ濃度が関連_e0156318_22322071.jpg
Hye Yun Park, et al.
The Relation of Serum Myeloperoxidase to Disease Progression and Mortality in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD)
PLoS One. 2013; 8(4):e61315.


背景:
 ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、好中球の一次顆粒にみられる抗菌およびアテローム形成性がある強いオキシダントである。MPOは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因に関連があるとされている。しかしながら、MPOとCOPDの健康アウトカムとの関連性についてはよくわかっていない。

方法:
 Lung Health Studyにおいて、われわれは4677人の軽度から中等度の気流制限を有する35~60歳の患者においてMPO値を調べた。Cox比例ハザードモデルを用いて、われわれは血清MPO濃度と総死亡率および疾患特異的死亡率のリスクとの関連を調べた。

結果:
 血清CRPとMPOの間には相関性がみられた。また、喫煙をしている患者であるほど血清MPO濃度は高かった(喫煙者:140.6±126.7 ng/ml; p<.0001 vs 持続禁煙者)。
COPD患者の呼吸機能減衰と心血管系死亡率に血清ミエロペルオキシダーゼ濃度が関連_e0156318_22262083.jpg
 われわれは、11年間のフォローアップにおいて血清MPO濃度が有意に一秒量の減少と関連することを発見した(p<0.0001)。またこの関連は年齢、性別、人種、ベースライン一秒量、喫煙歴の補正によっても有意確認された(p = 0.048)。
 さらに血清MPO濃度は心血管系死亡率のリスクを増加させた(p = 0.036)。最も高い五分位であった集団では、最も低い集団と比較して心血管系死亡のハザード比が1.90 (95%信頼区間1.00–3.58; p = 0.049)であり、喫煙を続けている患者では顕著であった(補正p値=0.0396)。
COPD患者の呼吸機能減衰と心血管系死亡率に血清ミエロペルオキシダーゼ濃度が関連_e0156318_22281295.jpg
 しかしながら、血清MPO濃度は総死亡率、呼吸器系死亡率、悪性疾患の死亡とは関連していなかった。

結論:
 血清MPO濃度の上昇は、COPD患者における急速な呼吸機能の減衰と心血管系のアウトカムと関連していた。すなわち、MPOはCOPDの進行と心血管系疾患の原因に重要な役割を果たしている可能性が示唆される。


by otowelt | 2013-05-09 00:05 | 気管支喘息・COPD