2014年 08月 19日 ( 2 )

中等症以上のCOPDに対するウルティブロ®はスピリーバ®、シーブリ®と比較して良好な効果

中等症以上のCOPDに対するウルティブロ®はスピリーバ®、シーブリ®と比較して良好な効果_e0156318_10532680.jpg 個人的にブリーズヘラーは高く評価しているので、シーブリ®を使用する患者さんがだんだんと増えてきました。もちろん、スピリーバ®も良い薬なんですけどね。
 LABAとLAMAの合剤があるとはいえ、まだ個別に処方している呼吸器内科医も少なくないですが、2014年12月からウルティブロ®の長期処方が解禁になると思われます。将来的にはこのCOPD業界にアノーロ®が参入してきます。効果的な非カプセル製剤が登場すれば、かなりの患者さんはそちらに変更するでしょうね。目下のところCOPDは単剤治療が主流ですので他の製薬会社に大きな脅威にはならないかもしれませんが、ウメクリジニウムなどのLAMAが非カプセル化されたらCOPDの治療は革命的に変化しそうです。エリプタはそれほど注目すべき存在なのです。

Gustavo J. Rodrigo, et al.
Efficacy and Safety of a Fixed-Dose Combination of Indacaterol and Glycopyrronium for the Treatment of COPD: A Systematic Review
Chest. 2014;146(2):309-317. doi:10.1378/chest.13-2807


背景:  
 COPDのガイドラインでは、単剤で効果がみられないときはLABA(長時間作動型β2刺激薬)とLAMA(長時間作動型抗コリン薬)の併用を推奨している。これは、中等症以上のCOPD患者に対してLABAであるインダカテロールとLAMAであるグリコピロニウムの合剤(QVA149)の効果と安全性を単剤治療と比較したシステマティックレビューである。

方法:
 これはランダム化プラセボ対照試験あるいはクロスオーバー試験のシステマティックレビューである(期間3~64週)。プライマリアウトカムはトラフ1秒量、重度の有害事象、重篤な心血管イベントとした。
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(文献より引用:登録された研究)

結果:
 5試験(4842人)が登録された。
 チオトロピウムと比較して、QVA149は有意にトラフ1秒量を増加させ(70 mL; P < .0001)、レスキュー使用を減少させた(-0.63 吸入/日; P<.0001)。
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(文献より引用:チオトロピウム単剤との比較/トラフ1秒量)

 また、TDI(Transitional Dyspnea Index)についても有意な効果がみられ(-0.63点;P< .0002)、ベースラインからのSGRスコアの変化についてもQVA149の方がチオトロピウムよりも高かった(P<.04)。

 一方、グリコピロニウムと比較しても、QVA149はトラフ1秒量の改善(70 mL; P < .0001)、レスキュー使用の減少(-0.59吸入/日; P < .0001)、SGRQスコアにおける臨床的に意義のある最小変化量(minimal clinical important difference:MCID)の達成率に有意な影響を与えた(NNTB=12)。
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(文献より引用:グリコピロニウム単剤との比較/トラフ1秒量)

 QVA149は忍容性についても良好であった。
 インダカテロール単剤と比較したプール解析はできなかった。

結論:
 中等症以上のCOPD患者に対して、グリコピロニウムやチオトロピウム単剤と比較して1日1回のQVA149は良好な効果をもたらした。


by otowelt | 2014-08-19 11:04 | 気管支喘息・COPD

リファンピシン耐性、イソニアジド耐性結核における遺伝子変異

リファンピシン耐性、イソニアジド耐性結核における遺伝子変異_e0156318_11483418.jpg 多剤耐性結核に対して、私は高用量イソニアジドを使った経験はありません。

Abate, D, et al.
Isoniazid and rifampicin resistance mutations and their effect on second-line anti-tuberculosis treatment
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 18, Number 8, 1 August 2014, pp. 946-951(6)


目的:
 イソニアジドおよびリファンピシンに対する耐性を起こしうる遺伝子変異の頻度を調べ、セカンドライン抗結核治療にこれらの変異がおよぼす影響をアセスメントすること。

デザイン:
 エチオピアのSt Peter's TB Specialized Hospitalで行われたレトロスペクティブ研究である。GenoType®MTBDRplusアッセイの結果と臨床データがレトロスペクティブに調べられた。

結果:
 リファンピシン耐性結核のうち68.7%(470例)が、rpoB遺伝子のコドン531(S531L)に変異を有していた。また、イソニアジド耐性結核のうち93%(481例)が、katG遺伝子のコドン315(S315T1)に変異を有していた。inhA遺伝子変異の頻度は0.8%であった。
 セカンドラインの治療アウトカムは、23.7%(76人)で不良であった。rpoB遺伝子における他のコドンの変異や、inhAプロモーター領域の変異はアウトカム不良とは関連していなかった。
リファンピシン耐性、イソニアジド耐性結核における遺伝子変異_e0156318_11474884.jpg
(文献より引用)

結論:
 リファンピシン、イソニアジドに耐性の結核において、高い頻度でrpoBのコドン531、katGのコドン315にそれぞれ変異を有していた。inhA領域の変異はまれであった。多剤耐性結核患者の治療に高用量イソニアジドはわずかな効果を有するのみかもしれない。


by otowelt | 2014-08-19 00:19 | 抗酸菌感染症